NO.1674 「グアムに移転を」なんて気安く言うべきではないでしょう。(ジュリアン・アグォン氏のインタビュー動画あり)
マスコミに載らない海外記事さんから、「グアム島住民、アメリカによる太平洋の島への150億ドル軍事力集中計画に反対して団結」という記事を紹介いただき、ますます「グアムに移転を」なんて気安く言うべきではないと意を強くしています。
グアム移転 住民から反対意見
グアム島チャモロ人の公民権弁護士、ジュリアン・アグォンさんのインタビューです。
「太平洋の島グアム 米軍基地増強計画に先住民が反対」
フアン・ゴンザレス: それに当然、議会でも、あなた方の代表は議決権のない代表一名に限定されているのですね?
ジュリアン・アグォン: はい、議決権のない代表一名です。
フアン・ゴンザレス: すると、グアム島の住民は、アメリカ国民なのに、どのような連邦選挙にも全く投票することができないわけですね。
ジュリアン・アグォン: はい。我々の基本法あるいは憲法だとされている文書は、実際は、アメリカ議会が可決した文書、1950年8月1日に可決された1950年基本法です。基本的に、その法律のおかげで、我々は法定上の国民です。アメリカ市民権は我々にも適用されています。しかしながら、我々はアメリカ大統領選挙への投票は認められず、アメリカ議会に、議決権のある、議決権を持った代表一名を送ることは認められていないのです。
ですから、あれは実に皮肉なことで。ご存じでしょう。ノーベル平和賞がオバマ大統領に授与されたことを聞いたばかりで、それはすごいことですが、我々にとっては、もうまるでアメリカが、まるで現在の対テロ戦争を正当化したようなもので。まあ人権やら国際法といった、昔ながらのあらゆる手法を駆使して。しかも、国際法と人権というのは、は私が法学大学院で専攻した科目でして、特に、先住民族と、植民地化された人々のそれが専門なのです。
グアム島の人権についてお話しする必要はないでしょう。我々は、皆、公民権だけで十分なのですから。我々は大統領選挙に投票したいだけなのです。つまり、アメリカ自身の裏庭ですら、核汚染は除去されていません。我々は大統領選挙に投票できません。私たちにはアメリカ議会で変化をおこすことができないのです。それなのに、我々が選挙で選んだわけではない人々によって、我々にたいするあらゆる決断がなされているのです。これは実にひどく不完全な現代的現象です。実際、グアム島の状況を説明する最良の方法は、この植民地主義には、何ら新味はないということです。これは実に伝統的なスタイルの植民地主義で、不自然なものです。実に不自然です。それこそが、最近のチャモロ人で、我々の怒りや道徳的な憤激が、新たな形になっている理由だと思います。 (以上、部分転載。全文はリンク先でどうぞ。)
沖縄でも、徳之島でも、グアムでも・・・、厄介なものを弱い人たちに押し付けようとするやり方を乗り越えなけらばなりません。
デモクラシー・ナウ・ジャパンによる、日本語要約記事です。
DemocracyNow! Japan
「太平洋の「不沈空母」グアム 米軍基地移設で潰される先住民社会」
沖縄の普天間基地の移転先をめぐって、県内、県外、国外という選択肢が議論されています。国外というのは、太平洋の島グアムです。沖縄から8千人の海兵隊とその家族が移転する計画のこの島では、いったい何が起こっているのでしょうか?
普天間基地の移転問題が浮上したのは1995年の米兵による少女レイプ事件がきっかけですが、辺野古への移転が難航するなかで、ブッシュ政権による米軍再編の一環として沖縄の海兵隊をグアムに移転することが決まり、日本側が移転費用を負担するという合意が2005年に日米間で交わされました。
150億ドルを投じた軍事施設の拡大増強により、全長50kmのこの島を太平洋方面の米軍作戦行動の主要なハブにする構想で、最近最大の軍備拡張計画といわれています。グアム先住民の弁護士ジュリアン・アグオンは、島の人口の2割以上にあたる軍関係者が大量流入する今回の計画は、グアム先住民の生活を大きく圧迫し、取り返しのつかない打撃を与えると言います。
グアムは1898年の米西戦争によって米国が獲得した戦利品です。現在、世界に16だけ残っている国連認定の非自治地域、つまり言葉を変えた植民地の一つです。住民は米国市民ではありながら、連邦の一員とはみなされず、大統領選挙に投票できず、連邦議会に送った代表に投票権はありません。彼らが選ぶことのできない連邦政府が、先住民の土地を賠償もせずに接収して基地を作ったのです。
でも日本にとってのグアムは人気リゾートであり、観光情報サイトを見ても軍事基地のことも、米国の支配のことも出てきません。アグオン弁護士は言います。「私たちは意見を言う機会がなく、米国の言説の中では存在さえしていない。「アメリカの一日が始まる場所」とか、「不沈空母」とかいう、まるで米国の所有物のような言葉遣いが先住民の存在を消し去り、そこに人間が暮らしているのを忘れ去ることを可能にするのです」。軍事基地の一方的な拡張も、マリアナ諸島で行われた60回以上の核実験も、こうした不可視化によって可能になったと言えるでしょう。
グアムの問題は米国の問題ですが、同じことは沖縄についても言えるだろうと思います。日本政府の方針や(それよりも重んじられているらしい)米国政府の意向などではなく、沖縄の住民の声を伝える報道が増えて欲しいものです。(中野)
ゲスト
ジュリアン・アグオン(Julian Aguon)
グアム先住民の活動家グループ「チャモル・ネーション」の公民権弁護士。The Fire this Time: Stories of Life Under US Occupation (『米国占領下の生活』),What We Bury at Night: Disposable Humanity(『夜に埋めたもの 使い捨ての人間たち』)など 3冊の著書がある
字幕翻訳:中村達人
校正・全体監修:中野真紀子・付天斉
こちらの動画も参考にどうぞ。
DemocracyNow! Japan「沖縄からグアム、ハワイへ 太平洋米軍基地の拡大に反対する国際的連帯の呼びかけ(2010年7月1日まで有効)」

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2010.06.07 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・普天間基地問題Ⅲ
