NO.1822 消費税 共産党の論戦はほんとにかみ合っていたのか?
俺って、あんまり物事を深く考える方じゃないけど・・・。
共産党の選挙結果について、こんなコメントがあった。
そうだよなあと思っていたところ、昨夜のテレビ「大田総理」を見て、ヘボな頭で少し考えてしまった。今回は、大政党が迷走だらけで、他にもろくな事言えることろがない状況でした。「郵政民営化」のような、中身が無いのに民心を把握するような言葉も飛んでいませんでした。フォアボールで満塁になったことろで打席が回ってきたようなもの。でも、ホームランとはいわないまでも、スクイズも決められないようでは、問題の多いルールの下であったとしても、やはり主体の側の問題が大きいと思います。
今度の参院選で当選した議員が出演して、「国民はどう思っているか」というクイズをやっていた。
何問目かの問題が「消費税について」
A:「消費税増税は仕方ない」
B:「消費税増税は絶対反対」
・・・さて、殆どの議員がBと答えた。
自民党の佐藤ゆかり議員だけが、Aだった。
曰く、「演説や選挙運動中にそう感じた」(みたいな・・・)
リアルタイムで電話で視聴者からアンケートをとるやり方だが、
結果は、Aが51%、Bが49%だった。
ここでは、そのアンケートが正確に民意を反映しているかどうかとか、佐藤ゆかりの周りには自民党支持者が多かったとかが問題じゃない。
消費税をめぐる世論は「反対か、賛成か」というようにかつてのように単純ではないような気がする。
誤解を恐れずに平たく言えば、国民の中にある「空気」である。
今度の選挙での中心争点が「消費税増税」にあった事は間違いないだろう。
民主党の敗因も、多くはそこに(管総理のブレぶりが更に拍車をかけた)あるだろう。
消費税増税を最初に打ちあげた自民党も、比較第一党で小選挙区を勝ち抜いたものの、昨年総選挙比でマイナス約474万票、前回参院選比で約マイナス247万票で「敗北」である。
民意は確かに「消費税増税反対」だった。
では、なぜ一貫して明確に消費税増税に反対した共産党や、反対を訴えた社民党(正確には、将来は増税を容認しているが)に票が集まらなかったのか。
なぜ、みんなの党が躍進したのか。
少なくない国民は、みんなの党が表面的には消費税増税反対を言うものの、絶対反対の立場とは信じてはいないだろう。
要は、「消費税を増税する前にやることがあるだろうが」だ。
このフレーズが国民の心をとらえたのだと思う。
結論に入る。
私は、共産党が主張した「消費税増税は大企業減税の穴埋めだ」は本質を突いた正しい指摘だと思う。
その他、「ギリシャのようになる」への反論や諸々、時々の増税論や言い訳にも的確に批判を加えた体系的な論戦を張ったと思う。消費税増税は「所得の低いものほど重い不公平税制」も「反福祉税」も・・・正しい。
・・・が、しかし、である。
多くの国民は、そういう「理論」の入り口にはまだ立ってはいないのではないか。
「生活が苦しい」から「反対」は、わかりやすい。
しかし、国民だって自分の暮らしのことだけではなく、国のことも考えているのではないだろうか。
「もしかしたら増税も仕方ないのかもしれない・・・」。
しかし、「増税する前にやることがあるだろう」というところに、多くの国民がいたのではないだろうか。
共産党の論戦がそこから出発していたのか。
消費税増税は、「かくかくしかじかで間違いだ。断固として反対だ」から出発していたのではないだろうか。
共産党ももちろんそれだけではなく、しんぶん赤旗などで「増税は仕方ないと思っている方へ」、そういう視点からの論戦もしてはいたのだが・・・。
テレビ「大田総理」の例で言えば、共産党は、51%の国民にかみ合う論戦ではなく、49%の国民を見てしか論戦を組み立てていなかったのではないか、ということ。
私は共産党の消費税問題での理論政策・方針は全面的に支持する。
だからこそそれを学びながらキャンペーンを続けてきた。
しかし、正しいことを主張するだけでは通じない。
相手の、国民の問題意識・感覚にかみ合わなければ届かないのではないだろうか。
だから、「消費税を増税する前にやることがあるだろう」から出発し、これと切り結ぶ所から出発し、それは、「儲けを溜め込んだ大企業や高額所得者に負担を求めることだ!」・・・云々(言い方はもっと工夫すべきだが)にどうもって行くかを考えるべきではなかったのだろうか。
そうすれば、議員定数削減や公務員たたきのみんなの党との違いも鮮明になり、国民は鮮明な選択肢を持つことができたのではないだろうか。
具体的にどういう切り口で語りかけたらよいかは、まだここでは言葉にはできないが・・・。テクニックの問題としてではなく、論戦の基本戦略としてどうだったのか、である。
共産党の論戦の切り口は、党員や支持者やその周辺には力になっても、それ以上の力を発揮したのか疑問である。
国民の目線で、国民の感覚で、国民の言葉で、・・・あえて言えば「空気」を見て政治を語る、このことが実践的には、ずれていたのではないだろうかと思う。
もちろん、「その前に・・・」なんて言えば、「いずれは・・・」と言う土俵にはまる?なんていう批判もあるだろう。しかし、国民の「空気」(あえてこう言うが)とかみ合えば、その先は、圧倒的に理論政策的には有利であり、その土俵そのものを崩すことが可能なのではないだろうか。
・・・まだ考えが十分に整理されなくて大雑把だが、以上のようなことを考えた。
「消費税増税をめぐる論戦では、共産党は正しかった。しかし国民に届かなかった。活動量が足りなかった、党勢を拡大しなければ・・・」というだけでで終わるとすれば、国民から見れば、鳩山元首相の「国民が聞く耳を持たなかった」発言と大差ないということになってしまうのではないだろうか。
以上、表題のテーマについてのみ書いてみたが、読者の皆さんのご意見もうかがえればと思います。
日本共産党中央委員会常任幹部会は、参議院選挙の結果についての声明で、「党内外の方々のご意見・ご批判に真摯に耳を傾け、掘り下げた自己検討をおこなう決意」を表明している。
ここ数年、共産党は「国民の声を聞く力」を強調してきていると思う。
正しいと思う。その点での更なる変革・進化を期待したい。

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2010.07.17 | | Comments(10) | Trackback(5) | ・2010参院選
