NO.1859 医師不足と”医療ツーリズム”
国民医療はそっちのけで、「医は算術」か!という話です。
厚労省が医師不足問題で初の実態調査を発表した。
それによると、現在の医師数16万7000人に対して1,14倍の19万1000人が必要であり、約2万4000人が不足していると言う。(医療機関側が必要としている)
医師2万4千人「不足」、厚労省 初の全国調査、深刻な実態(2010/09/29 02:02【共同通信】)
全国の医療機関で実際に働く医師数が計約16万7千人なのに対し、医療機関側はさらに計約2万4千人が必要と考えていることが28日、厚生労働省が初めて行った「必要医師数実態調査」で分かった。現在の1・14倍の人数が必要で、医師不足の深刻な実態があらためて浮き彫りになった。地域による偏りがあることも分かった。
・・・(中略)・・・
都道府県別で、現在の医師数に対する倍率が最も高かったのは岩手の1・4倍で、次いで青森1・32倍、山梨1・29倍。逆に低いのは東京(1・08倍)、大阪(1・09倍)、埼玉・神奈川(1・1倍)と大都市圏が中心だった。
各医療機関が回答した医師不足の背景は「求める診療科医師の絶対数が地域で少ない」38%、「大学の医師派遣機能が低下」20%、「勤務条件と医師の希望との不一致」14%。
最低水準の医師数
一方、OECDが発表した「ヘルスデータ2007」によると、日本の人口1000人あたりの医師数は2.0人で、OECD平均の3.0人を大きく下回り加盟30カ国中27位。、主要7カ国では最低だ。
今回、「医療機関側が必要としている数」の不足分が約2万4千人としているが、人口比医師数OECD平均の2/3ですからOECD平均並みにするには、あと8万人以上も必要ということになる。、
さらに、06年7月の厚労省検討会報告書では「医療施設に滞在する時間を全て勤務時間と考え、これを週48時間までに短縮する」ことを想定すると、6万1千人が不足としているとしてきた。だとすれば、医師の労働条件も考慮してOECD並にというならゆうに10万人以上が必要というところだろうか。
一年間に医師の診察を受ける回数をみると、日本は国民一人あたり13.8回。データがある28カ国中で最多。少ない医師で多くの患者を診察している問うことであり、日本人は病気にかかりやすい(予防医療が遅れている)ということか。
こうして、医師の不足や、治療行為に比べて予防医療をなおざりにしてきた側面も明らかになる一方で、高額な医療機器の数が飛び抜けて多いのも日本の特徴だという。
”医療ツーリズム”?「医は算術」か!
日本の医療政策を見るときに、民主党政権が目玉にしている”医療ツーリズム”についても一言言わねばならない。
管政権の「新成長戦略」の中で、医療・介護分野が今後の成長産業として位置づけられた。その中で、外国から患者を受け入れるいわゆる“医療ツーリズム”を促進して、医療を国際競争力のある成長産業に育成する方向が述べられている。
最近よくテレビでも話題になっている“医療ツーリズム”だが、いかがなものだろう。
そもそも医療を利益を生む「産業」とする見方自身が問題だ。「医は算術なり」の国家版だ。
医療ツーリズムはタイやシンガポールなど東南アジアで盛んなようだ。世界では40カ国以上で実施され、患者は年間600万~700万人に上るともいわれている。確かに大きな「算術」だ。
これらの医療ツーリズムが盛んな国は公的保険制度が貧弱で、自国の貧乏患者よりも外国の金持ち患者を儲けの対象としているところに特徴があると言える。
日本は公的保険制度はあるものの、国民医療は崩壊状態だ。
医師不足や病院不足の日本に外国人患者が押し寄せれば、供給体制が追いつかず、日本人の患者はさらに切り捨てられるのは火を見るよりも明らかだ。
こうしてざっと見ただけでも、医療ツーリズムの推進が日本の医療を好くしたり日本経済の発展につながるなどとは絵空事である。
政府がなすべきは、先進国最低の医師不足解消し、医師や看護師の労働条件を改善、保険制度の実質的な充実(国民健康保険料の引き下げなど)など、誰でも安心して病院に行けるようにすることではないだろうか。
今日から10月。
タバコは買ってない。あと10箱買いだめがある。(みみっちい 笑)
これ以上は担税力が無いから、もう納税は辞めるつもり。・・・つもり。

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2010.10.01 | | Comments(4) | Trackback(11) | ・安心の医療を
