NO.192 出会いとは不思議なもので・・・陶友の歩みと出会い (その21)
無認可時代(13)
不思議でした。
なぜ佐藤さんが設計の仕事を引き受けて下さったのか。
私の認識は、設計をお願いしに行ったわけではなかったので・・・。
佐藤さんはその3年ほど前に、たまたま日曜日、新聞を読んでいたそうです。
そこにひかり共同作業所がリヤカー引きながら、廃品回収の仕事をしている記事があり、目に止まったのだそうです。
感じたことがあれば、即行動の人です。
ひかりを訪ねたそうです。
そして何か手伝えることはないかと申し出たそうです。それ以来の、ひかりとの関係です。
脂が乗った人気建築家が、
金もない名もないちいさな障害者作業所の設計に関心を持ったのは?
後で聞いたことがあります。
「感じた」のだそうです。私の話しに。
多分、金もないのに「本物が欲しい」と語る私の世間知らずなところにでしょうか。
いや、多分、仲間たちのために、いい作業所を作りたいと言う思いを、純粋に受け止めてくださったのだと思います。
「建築家として、ぜひこの仕事をしてみたいと思った。」とはっきり言って下さったのです。
その為に、予定に入っていた大事なお客さんとの仕事を延期してくださいました。
その話を聞いて、目の前の景色が変わりました。
それまで必死になって、あたかも自分がやってるかのようにお願いしていた事が、そんな事じゃないという事に気がついたのです。
肩の力が抜けて、気が楽になりました。
「そうか、俺たちがやろうとしていることは、お願いして頼むようなことじゃないんだ。」
それは、「世の中にこんなステキな取り組みがあるぞ!どうですか?参加しませんか?きっと人生楽しくなりますよ。参加するかしないかは、あなたの自由ですよ。良かったら、『この指とまれ!』」だ。
表現は、多少不謹慎ですが、そんな感覚でした。
あの一流建築家が、自分からやりたいと言ってくださったんだ。
これはそういう事だ、と。
それから鬼瓦(友さんの顔つきのこと)は、少しずつ穏やかになって行ったのだと思います。
そのころから、面白いように募金が集まりだしたのです。
思うに、勝手に責任を感じて「俺が頑張るんだ!」と張り切り、浮いていたのだと思います。
うっとうしい話です。
私の悪いところです。
この作業所作り運動は、社会的必然であり、自分がやってるなんていうのは思い上がった考え方です。
たまたまその必然・必要に気がつき、その役割を担うに至っただけのことなのです。
佐藤さんに気付かされました。
まだまだ、若すぎて謙虚さが足りません。
あの時の経験が、私と陶友建設にとって大きな転機となりました。
・・・少しは成長できたと思います。


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ところが、佐藤さんとの出会いは、そんなに単純な道ではなかったのです。
実は、私は、嫌われてしまった時期がありまして・・・、次回は、その辺の裏話でも・・・。
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2007.12.08 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・陶友の歩みと出会いⅠ
