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NO.1932 市場任せのTPPは亡国、売国の政策だ。必見の国会論戦(動画)。

 二大政党制による政治の劣化は顕著ですね。低調と言うべきか、レベルの低い国会「論戦」の中にあって、この質問は必見です。勉強になります。(ちょっと長いですが・・・)
 
      20秋 007
     
 「TPPは、農業だけにとどまりません。金融、保険、公共事業の入札、医師、看護師、あるいは介護士などの労働市場の開放まで含まれています。賃金も、アジア諸国の低賃金との競争にさらされて、大幅に引き下げられる危険があります。」

     TPPは国土と社会壊す  共産党市田忠義書記局長
     

2010年11月21日(日)「しんぶん赤旗」より、要約。

市場任せのTPPやめ農業・環境・雇用守るルールを
参院予算委 市田書記局長の質問


市田氏 TPPは雇用も里山も破壊

TPPの北海道への影響
 ◇影響額合計 2兆1254億円減少

  うち農業産出額       5563億円減少
  うち生産条件不利補正交付金 617億円減少
  うち関連産業        5215億円減少
  うち地域経済        9859億円減少

 ◇雇用           17万3000人減少
 ◇農家戸数         3万3000戸減少

「北海道では農業生産は半減し、農家は7割減る 衝撃的な数字だ。では、日本全体の農水産物等への影響はどうなっていますか。」

 TPPの日本経済への影響
(農林水産省試算、即時関税撤廃の場合)

   ◇農業生産      4.5兆円減
   ◇食料自給率  40%→13%へ低下
   ◇農業の多面的機能 3.7兆円喪失
   ◇国内総生産     8.4兆円減
   ◇雇用        350万人減

市田 …TPPに参加することになれば、例外なく関税撤廃が求められて、アメリカ、オーストラリアからの農産物の大量輸入で、日本の農業は壊滅し、国内生産は崩壊する。自給率13%ということになれば、国民の胃袋のほとんどが外国にゆだねられる。関連産業も廃業に追い込まれるし、地方の雇用も失われる。里山荒廃どころか、日本の農山村地帯は見る影もなくなるでしょう。…

市田 壊滅的打撃を受けるという試算があった北海道農業の規模は、いったいどういうレベルか。

・酪農経営の1戸あたりの飼養頭数・・・EUは1戸あたり10頭、米国は138頭、北海道は64頭。
・肉用牛の経営の1戸あたりの飼養頭数・・・米国は84頭、北海道は178頭。
・1戸あたりの経営の耕地面積…EUは13・9ヘクタール、米国は186・9ヘクタール、北海道は20・5ヘクタール。

 市田 北海道農業はすでにEUレベルを超えて、肉用牛ではアメリカをも超えている。貿易の完全自由化・市場開放と、農業を「両立」させる対策を取るんだと菅総理はいわれた、(しかし)それは不可能なんです。世界的に見ても大規模化している北海道でさえ、壊滅的な打撃を受ける。

 総理は、「第三の開国」ということをいわれます。総理のいい方を聞いていると、日本の貿易は、農林水産物を中心に、まるで“鎖国”状態にあるかのように聞こえます。

農産物の関税率は世界で2番目に低い

主要国の農産物の平均関税率

 農産物の平均関税率は、インドが124・3%、韓国が62・2%、メキシコが42・9%、EUが19・5%、米国は5・5%、日本が11・7%。

 市田 日本は11・7%、アメリカに次いで世界で2番目に低い。日本は“鎖国”どころか十分すぎるほど国が開かれている。

この関税率の低さは、今日の日本農業の疲弊、困難の主要な原因。
TPPへの参加は、それに追い打ちをかけて、いわば崖(がけ)っぷちに立っている人を――それを救うのが政治の責任なのに――崖っぷちに立っている人を、崖から突き落とすようなものなんです。

 国民はこうした現状を前にして、食料自給率についてどう考えているのか。

内閣府が実施した世論調査

「今後のわが国の食料自給率を高めるべきだ」「高めるべき」「どちらかというと高めるべき」…90・7%。
外国産のほうが安い食料について「輸入する方がよい」と考えている国民の割合は、5・4%。。

 市田 安ければ外国産の方がいいと考えている人はわずか5・4%なんです。…要するに、圧倒的な国民が望んでいることは、これ以上輸入に頼ることではなくて、「安全で安心な食料は日本の大地から」ということなんです。


TPPは米豪と輸出大企業の利益が目的

 市田 もう一つお聞きします。TPPに現在参加している国はどこですか。

TPPに現在参加している国

シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国、交渉中はその4カ国プラス、アメリカ、豪州、ペルー、ベトナム、マレーシアの合計9カ国。

この9カ国のうち、わが国がすでにFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)を結んでいる国は、シンガポール、チリ、ブルネイ、ベトナム、マレーシア。ペルーは最終調整段階。

参加・交渉中は9カ国。事実上の日米FTA

 市田 「バスに乗り遅れるな」とか「世界のすう勢だ」と(言うが、交渉に参加している国を合わせても9カ国。。結局、2国間のFTAが進まないアメリカ、オーストラリアという農林水産物輸出大国に門戸を開いてやろうと、これが狙いなんです。

 日本にとってのTPP参加は事実上、日米FTAの締結と同じ意味を持つ。アメリカにとっては、アジアでの経済基盤を確保するためのもの。これは私がいっているだけじゃないんです。アメリカ政府の高官が、アメリカの議会で公然と語っていることであります。

 また、日本でTPPへの参加をもっとも強く求めているのは、日本経団連、なかでも自動車、電機などの輸出大企業。

・TPPの参加で実質GDPで0・48から0・65(%)押し上げる(試算)。
ちなみにFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)全体が出来上がるという前提でいけば、1・36%で6・7兆円。

 市田 結局、日本全体で見ると、GDPはほとんど増えないんですよ。はっきりしていることは、これまでも巨大な利益を上げてきた一部の輸出大企業の利益のために、農業も漁業も林業も、それにつながる地域社会もメチャクチャにする。私は、これらを守るルールをこそ、いま政治は考えるべきだと思うんです。

洪水防止・水質浄化・生態系保全…多面的機能がある

農林水産業の多面的機能の貨幣評価
◇農業 8兆円 洪水防止、河川流況安定、土壌浸食・土砂崩壊防止、保養など
◇森林 70兆円 表面侵食防止、表層崩壊防止、洪水緩和、水資源貯留、水質浄化、二酸化炭素吸収、レクリエーションなど
◇漁業 11兆円 物質循環の補完、環境保全、生態系保全、保養など
   (日本学術会議、三菱総合研 究所の資料から)

 市田 いまいわれたとおりで、農林水産業というのは、本当に単なる数字だけでは測れない、これだけの多面的機能をもっている。農業だけでおよそ8兆円、そして林業だけでおよそ70兆円、漁業でいまいわれたように11兆円です。

 農業でいうと、この8兆円のうち、関税撤廃で3・7兆円が損なわれる。半減です。

 11月10日「TPP交渉への参加に反対し、日本の食を守る緊急全国集会」
「今、たしかに『歴史の分水嶺(れい)』に立っている。地球環境を破壊し、目先の経済的利益を追求し、格差を拡大し、世界中から食料を買いあさってきたこれまでの国の生き方を反省しなければならない」


「食料主権」は世界の流れ 世界に逆行する潮流に追随するな

 市田 いま世界では、食料を市場任せにすることによる害悪が明らかになって、各国の「食料主権」を保障するルールの確立、これを求める流れが大変広がってきています。

 菅「食料主権」の考え方も、私はまさにそのとおりだと思っております。つまりは、地産地消、できるだけ自分たちの国、自分たちの地域でつくられたもので自分たちが生きていくことができる、そういう社会が望ましいと思っています。

後継者が育たないのは市場任せにしたから

 市田 どうして、後継者が育たないかといったら、農業だけで食べていけないからなんですよ(「そうだ」の声)。輸入自由化をやって、価格も流通も市場任せにしてきたから、農業所得が減って、後継ぎが減っているんです。なにか平均年齢が65歳とかそんなところに理由があるんじゃないんです。

 2004年4月16日に、第60回国連人権委員会で、「各国政府に対し食料に対する権利を尊重し、保護し、履行するよう勧告する」(「食料に対する権利に関する特別報告書」)が出され、この報告書に関する決議が、日本を含む圧倒的多数の国の賛成で、採択をされた。

 反対した国はアメリカ、棄権した国はオーストラリアだけ。

 結局、自国の農産物輸出拡大のためなら、こういう世界の流れに真っ向から反対して恥じない、ほかの国がどうなってもいい、こういうアメリカなどが進めている潮流に追随していっていいのか!

労働者も低賃金競争にさらされる

 TPPは、農業だけにとどまりません。金融、保険、公共事業の入札、医師、看護師、あるいは介護士などの労働市場の開放まで含まれています。賃金も、アジア諸国の低賃金との競争にさらされて、大幅に引き下げられる危険があります。

 市場原理万能で、なんでもかんでも市場任せにしていくというやり方は、農業をみても、環境をみても、いまの日本の雇用をみても、破たんはすでに明らかであります。

 わが党は、世界経済が結びついて、貿易が拡大することそれ自体が悪いといっているわけではありません。そういうなかでも、たとえば「食料主権」のように、農業、食料、あるいは環境、労働などは、市場だけに任せていてはなりたたなくなるじゃないか。そこをはっきりさせて、それらを守るルールをつくることこそが、21世紀のまともな経済発展の方向だということを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)


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2010.11.24 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・食と農業問題

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