NO.1979 JDF(日本障害フォーラム)が基本法改正で統一要求書!
2月24日、JDF(日本障害フォーラム)が 「障害者基本法改正案」に対して統一要求書を出しました。
JDFは、第二次「アジア太平洋障害者の十年」及びわが国の障害者施策を推進するとともに、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者団体を中心として設立された団体で、以下の活動を進めています。
(1)国連・障害者の権利条約の推進
(2)第二次「アジア太平洋障害者の十年」の推進及び「アジア太平洋障害フォーラム(APDF)」に関すること
(3)「障害者基本計画」をはじめとするわが国の障害者施策の推進
(4)障害者の差別禁止と権利に係る国内法制度の実現
参照:(日本障害フォーラム(JDF) 設立趣意書)
日本の障害者関係団体が広く参加しており、障害者基本法の抜本改正についてのJDF統一要求書は、日本の障害者の総意といっても過言ではないと思います。
以下メールニュース(部分)と統一要求を転載しておきます。
◆1◆ JDFが基本法改正で統一要求書!
2月24日、日本障害フォーラム(JDF)小川榮一代表は、「障害者基本法の抜本改正についてのJDF統一要求書をまとめました。
28日に予定されていた推進会議が3月7日に延期される中で、障害者団体がひとかたまりとなっての意見表明はきわめて重要です。この時期、地元議員含めたロビー活動が大切です。
「統一要求書」は、
障害者基本法は、「障害者の権利に関する条約」(以下、障害者権利条約)、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(以下、第一次意見)」(閣議決定中心)、「障害者制度改革の推進のための第二次意見」(以下、第二次意見)を最大限尊重し、これらの内容を下回らないことを強く求める。
障害者権利条約は、障害者を保護・施策の客体から権利の主体へ捉え直すこと及び差別のない社会づくりを求めており、障害者基本法は、障害者の権利の保障という観点から抜本的に改正されることが求められている
本年2月14日,内閣府より「障害者基本法の改正について(案)」が障がい者制度改革推進会議に提出された。しかしながら、その内容は、障害者権利条約や第一次意見、第二次意見の内容を十分に反映したものとなっていない。
...とのべ、具体的な意見を述べています。(下記に転載)
◆2◆ JD(日本障害者協議会)3.17緊急フォーラムを開催へ
JDは、今回の「基本法改正案」めぐって、「推進本部(本部長:菅直人内閣総理大臣)に提出された「第二次意見」の 内容から大きくレベルダウンしているだけでなく、「第一次意見」をもとに昨年6月29日に閣議決定された内容のレベルすらも遵守しているとは言えない内容」として、「3月15日(火)には、今国会への提出議案が確定する閣議決定がなされます。
ほとんど時間の無い状態ですが、推進会議、総合福祉部会のメンバーはじめ多くの運動団体が最期まで、あるべき「障害者基本法」となることを目指して運動を展開する事となります」「その15日を過ぎ、国会に改正法案が上程される前の時点で、JDとして現下の情勢について主要な会議構成メンバーの方々から直近の状況の報告を受け、情勢についての共通認識を持つため」『JD緊急フォーラム2』を開催するとしています。
日時 3月17日(木)18~21時
会場 戸山サンライズ 2階大会議室 定員70名(申し込み順)
1.基調報告1 障がい者制度改革推進会議議長代理・藤井克徳(JD常務理事)
2.基調報告2 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会
部会長・佐藤久夫(JD政策副委員長)
3.基調報告3 障がい者制度改革推進会議差別禁止部会構成員
太田修平(JDF政策委員会障害者の差別禁止等権利法制に
関する小委員会委員長・JD企画委員長)
4.フロアとのディスカッション
90分程度の時間をとります。質問・意見などどんどんお出し下さい
2011年2月24日
障害者基本法の抜本改正についてのJDF統一要求書
日本障害フォーラム(JDF)
代表 小川 榮一
日本障害フォーラムは、今国会で改正される予定となっている障害者基本法は、「障害者の権利に関する条約」(以下、障害者権利条約)、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(以下、第一次意見)」(閣議決定中心)、「障害者制度改革の推進のための第二次意見」(以下、第二次意見)を最大限尊重し、これらの内容を下回らないことを強く求める。障害者権利条約は、障害者を保護・施策の客体から権利の主体へ捉え直すこと及び差別のない社会づくりを求めており、障害者基本法は、障害者の権利の保障という観点から抜本的に改正されることが求められている。
本年2月14日、内閣府より「障害者基本法の改正について(案)」(以下、「改正案」)が障がい者制度改革推進会議に提出された。しかしながら、その内容は、障害者権利条約や第一次意見、第二次意見の内容を十分に反映したものとなっていない。
特に、以下、重要項目についてJDFとしての要求を提示する。
記
1.前文(新設)
今回の障害者基本法の改正は、障害者権利条約の批准とそれ以降の差別禁止を含む関連法制度の整備、施策のモニタリング等を担保するための抜本改正であるため、前文を設け、そこで改正の経過並びに趣旨を明示すること。
2.目的
今回の障害者基本法の改正は、「障害者の権利を保障する」ための施策を実施するものであることを規定し、障害者の権利の主体性を明確にすべきである。障害者権利条約は、障害者を「保護・施策の客体から権利の主体へ」とパラダイム転換をするための条約であり、それに基づいた目的規定をすること。
3.障害者の定義
障害者を障害の社会モデルとしてとらえることを明確にするため、「改正案」の「~身体障害、知的障害、精神障害、その他の心身の機能の障害(以下、「障害」と総称する)がある者であって、障害及び社会的障壁により(以下略)」を、「~身体障害、知的障害、精神障害その他の機能の障害(以下、「障害」と総称する)がある者であって、障害及び社会的障壁との相互作用により(以下略)」という書きぶりにすること。
また、「継続的」という文言に「周期的または断続的」という文言を追加すること。
理由は、「継続的に」という文言による継続要件により、今まで難病や精神障害など、心身の状態において一定ではなく、周期的または断続的に機能等の低下が起きる障害者が様々な制度から排除されてきた歴史があるためである。
4.地域社会における共生等
障害者が、障害のない人と平等に、どこで誰と生活するかを選択する権利を規定すること。「改正案」における「可能な限り」という文言は、障害のない人と平等にという意味で「障害者でないものと等しく」と変えること。
5.情報アクセスと言語・コミュニケーションの保障
コミュニケーションに困難を抱える障害者が障害のない人と等しく人権が保障されるように、様々な情報にアクセスし、また自ら必要とする言語を使用し、更に多様なコミュニケーション手段を利用することができるよう必要な施策を講ずることを規定すること。
手話等の非音声言語が言語であることを確認し、必要な言語の使用及びコミュニケーション手段の利用が保障されることを規定すること。
「改正案」における「可能な限り」という文言は、「障害者でないものと等しく」とすること。
6.差別の禁止と合理的配慮の定義(改正・新設)
障害者権利条約の「障害に基づく差別」の定義(同第2条)に基づく差別の定義(差別の三類型の定義)、並びに、合理的配慮の定義を行うこと。
障害者権利条約の規定に基づいて、「合理的配慮を行わないこと」(障害者権利条約上の「合理的配慮の否定」)が差別であることを明記すること(新設)。
7.地域生活を支える医療、人的支援(パーソナル・アシスタンスを含む)
国および地方公共団体は、障害者が地域で生活する権利を保障する施策として、医療、介護のほか、人的支援(パーソナル・アシスタンスを含む)の旨を明記すべきである。
医療、介護におけるインフォームド・コンセント(自由な意思に基づく同意・選択)、契約等における適正手続きを保障する旨の規定を行うこと。
8.障害のある女性(新設)
障害のある女性についての施策推進等の規定を行うこと。その際に、障害のある女性が複合的な困難を経験していることに十分に留意した規定にすること。
理由は、生殖や子育て、DVおよび性暴力についての障害のある女性に対する支援など、障害のない女性に比べて支援体制は脆弱である。2010年12月に閣議決定された「第三次男女共同参画基本計画」にも、「障害のある女性は、障害に加えて、女性であることで更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意する必要がある」とされており、早急に障害のある女性に対する独自の施策を推進する必要があるためである。
9.精神障害者(新設)
障害者権利条約や第二次意見にもとづいて、精神病床を適正な規模とすることや家族に特別な保護の責任を負わせないことを含む精神障害者等の地域移行の政策を規定し、また、精神医療における人権の保障について,障害のない人と平等な保障を担保する規定を入れること(精神障害者を一般社会から排除しないこと)。
理由は、減らない社会的入院、措置入院や医療保護入院等の非自発的医療について精神医療審査会が実質的に機能していないなど、患者の人権が十分に保護されてないことや、保護者制度の存在等により、精神障害当事者の自立(自律を含む)を妨げ、その家族に大きな負担を与えているためである。
10.教育
原則を共に学び育つインクルーシブ教育とし、本人や保護者が選択する場合は特別支援学校等での教育を受けることとすること(障害者が一般教育から排除されないこと)。
すべての障害者のニーズに応じた合理的配慮や支援の充実を明記すること。
言語としての手話での教育など、ろう者、難聴者又は盲ろう者にとって最も適切な言語やコミュニケーションを利用できる環境での教育の保障を明記すること。
11.労働(職業相談等、雇用促進等)
雇用政策において、障害者が必要とする合理的配慮及び必要な支援を確保するための施策を講ずることとすること。
労働政策と福祉政策を一体的に展開し、働くことを希望するすべての障害者が労働者として障害のない人と平等な扱いを受ける旨の規定を行うこと。これを踏まえた条文構成とすること(「改正案」第18条、第19条の一体化)。
12.推進体制
「改正案」では「障害者基本計画の実施状況を監視し」とあるところ、「障害者基本計画並びに障害者政策の実施状況を監視し」とすること。
新たにできる合議制の機関(「改正案」における障害者政策委員会)においては、構成メンバーの過半数を障害者とすること。
新たにできる合議制の機関は市町村も必置とすること。
以上
日本身体障害者団体連合会
日本盲人会連合
全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会
DPI日本会議
全日本手をつなぐ育成会
全国脊髄損傷者連合会
全国精神保健福祉会連合会
全国社会福祉協議会
日本障害者リハビリテーション協会
全国「精神病」者集団
全国盲ろう者協会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
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2011.02.25 | | Comments(2) | Trackback(5) | ・障害者基本法改定問題
