NO.1996 大震災を目の当たりにし、障害者基本法の抜本改正を改めて求める。
日を追うごとに地震と津波の被害の甚大さがあぶりだされていき、胸が痛みます。
被災者の方に心からお見舞い申し上げます。
皆さん大変ですが、災害弱者と呼ばれる人達がいます。
お年寄りや子どももそうですが、ここでは障害のある人たちについて述べたいと思います。
障害当時者や関係者の意見が殆ど反映されないままの「障害者基本法改正案」が、菅総理が本部長を務める障がい者制度改革推進本部で了承されたことは、ここで書きました。
残念ながら、今回の大震災は、改めてこの「改正」案が、ズブズブで障害者の人権を保障するに足りないものだということ、「健康で文化的」はおろかギリギリの生存の権利さえも保障できないものだということを立証しています。
推進会議の承認を経て、近く閣議決定、今国会に上程と報道されていますが、(震災の影響で政治日程は大きく変わるでしょうが・・・)「大脇道場!」は改めて見直しすることを要求するものです。
関係者は災害時にも関って、以下のような要望を強く求めていました。
■障害者制度改革推進のための第二次意見
法律や制度をより良いものにするための第二次意見 わかりやすい版より。
11)情報アクセスと言語・コミュニケーション保障(情報を得ることと、ことば、コミュニケーション〔気持ちを伝えること〕の方法が用意されること)
障害のある人が、情報を知りt理解するためには、手話や、点字、指点字、触手話、要約筆記、わかりやすいことばなど、様々な方法が必要です。こうした支援や方法が利用できるように、法律や制度をつくります。
特に、地震や津波、台風、洪水などの災害が起きたときには、障害のある人に情報が伝わるように、法律や制度をつくります。
■障害者基本法の抜本改正についてのJDF統一要求書より。
5.情報アクセスと言語・コミュニケーションの保障
コミュニケーションに困難を抱える障害者が障害のない人と等しく人権が保障されるように、様々な情報にアクセスし、また自ら必要とする言語を使用し、更に多様なコミュニケーション手段を利用することができるよう必要な施策を講ずることを規定すること。
手話等の非音声言語が言語であることを確認し、必要な言語の使用及びコミュニケーション手段の利用が保障されることを規定すること。
「改正案」における「可能な限り」という文言は、「障害者でないものと等しく」とすること。
6.差別の禁止と合理的配慮の定義(改正・新設)
障害者権利条約の「障害に基づく差別」の定義(同第2条)に基づく差別の定義(差別の三類型の定義)、並びに、合理的配慮の定義を行うこと。
障害者権利条約の規定に基づいて、「合理的配慮を行わないこと」(障害者権利条約上の「合理的配慮の否定」)が差別であることを明記すること(新設)。
7.地域生活を支える医療、人的支援(パーソナル・アシスタンスを含む)
国および地方公共団体は、障害者が地域で生活する権利を保障する施策として、医療、介護のほか、人的支援(パーソナル・アシスタンスを含む)の旨を明記すべきである。
医療、介護におけるインフォームド・コンセント(自由な意思に基づく同意・選択)、契約等における適正手続きを保障する旨の規定を行うこと。
■全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の声明より。
1 障害者間の種別・程度による制度間格差をなくすと共に、各障害の独自の障害特性やニーズにも配慮することによって、すべての障害者に障害のない人と平等の権利を保障すること。
2 障害者がすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするため、様々な情報へのアクセス、自らが必要とする言語の使用、及び多様なコミュニケーション手段の使用が保障される権利を有することを確認し、それを実現するために必要な措置を講ずること。
報道に関しては、総理や官房長官の記者会見は当初、手話通訳さえつかず、再三の要望で実施された経緯もあります。
■東北地方太平洋沖地震報道への字幕付与に関する緊急要望より。
今回の東北地方太平洋沖地震に関する精力的な報道に感謝申し上げます。
しかしながら、今回の地震に関する報道でも、原子力発電所の爆発・処理・避難等、非常に大切な災害事象について、首相、官房長官、関係大臣の記者会見に、一部のテレビ局を除き字幕が付与されていません。また、ニュースなどでも字幕付与のものが少なく、私たち中途失聴・難聴者は非常に不安を持って画面を見つめています。
災害時におけるテレビ報道への字幕付与は、私ども中途失聴・難聴者にとって生命に係る問題として再三に亘って要望させて頂いています。昨年のチリ大地震の津波報道、官房長官の会見に字幕放送もなかったことから、障害者制度改革推進会議にて取り上げ、障害者基本法改正案に災害時の情報保障に記述される方向になっております。
本日午後の枝野官房長官の記者会見には手話通訳が付いておりますが、手話を読み取ることができない多くの中途失聴・難聴者は記者会見を理解できずおります。人員、機材など様々な制約の中で報道を続けておられることは良く理解しておりますが、なにとぞ緊急度の高い記者会見、ニュースに字幕を付与頂くよう急ぎ要望いたします。
また、NHKは災害基本対策法の指定公共機関でもあり、字幕放送の実施に対し、特別の責任があるものと考えております。
私のツイッターのタイムラインには、障害当事者や関係者のつぶやきがたくさん流れます。
障害のある方たちへの情報提供や、障害のある方たちへの特別の配慮を求める声です。
そのほんの一部を直近のツイートから紹介します。(順不同)
●norosy 地域労組おおさか青年部
【助けてあげて】目が見えない人、耳が聞こえない人、そんな方も被害に遭っています。耳が聞こえない人は読唇術が出来る人が居ますので、大きく口をあけてゆっくり喋ってあげるだけで読み取る事が出来ます。障害者だからってだけで放置とかしないであげてください。 【お願いします】
●HirokkoRokko ひろみ
自閉症は見た目ではわかりません。温かい目で 【拡散お願いします】親類の自閉症の子が昨日の地震から些細な事でパニックを繰り返しています。被災地近辺の方、大変だと思いますが自閉症児への理解をどうかお願いします。保護者の方を支援してあげてください。助け合ってください。お願いします。
● saying_more せちろう
人工呼吸器ユーザーの場合、たいてい外部バッテリーなど、停電時の対策はしてあるはず。夜間就寝時のみ利用する自分は用意してないが、それでもアンビューくらいはもっているので、最悪の場合、人力で3時間、呼吸管理をするなどして頑張ろう。一番いけないのは、気付かれないまま放置されることだ。
● haiou4b1 上海*海鴎
【精神障害者・知的障害者の場合】 パニックに陥っているときは、「大丈夫」「安心しなさい」とか、「助けに来たよ」と声をかけ、安心・落ち着かせてください。 わかりやすく簡単なことばを使ってください http://bit.ly/g3JMki
●haiou4b1 上海*海鴎
【 肢体不自由者の場合】 階段を使っていくことができません。 援助者が複数必要。(略) 呼吸器や内臓に疾患がある人や膀胱や直腸に障害のある人などもいます。 そうした人が困っていたら、緊急連絡先に連絡して、その後の対応に協力してください。 http://bit.ly/g3JMki
● haiou4b1 上海*海鴎
【聴覚・言語障害者の場合】 ラジオの情報など教えてください。 避難所で食事の配給などの音声情報が入りません。 その内容を伝えて下さい ・筆談(ひつだん、紙に書いて伝える) ・読話(どくわ) http://bit.ly/g3JMki
●haiou4b1 上海*海鴎
【視覚障害者の誘導方法】 肩や腕を貸す形で、半歩前を歩いてください。 視覚障害者を押したりひっぱたりしないでください。 誘導しているとき、周りの状況を伝えて下さい。 方向を示す時は、時計の針の位置で伝えて下さい http://bit.ly/g3JMki
● haiou4b1 上海*海鴎
災害時のお願い。【障がいを持っている仲間達より】 http://t.co/vG2Bpky 「(略)障がいを持っている仲間達は、みなさんからご協力が必要な場合があります。 身近に障がいを持っている仲間がいた時は、ご協力頂けると、助かります」
● bujikore ぶじこれきにん
@oowakitomosan .@bujikore原発震災、東日本大震災考えさせられることが多すぎる。私たち障がい者が災害弱者できちんとした支援が受けられるか心配だ。特に自閉症は変化に弱いので大変なストレスになるだろうな。テレビ番組の変更等は彼らにはきついストレスになる。
私たちは障害者に特別な恩恵を求めているわけではありません。
特別な権利を求めているわけでもありません。
人間として当たり前に生きるためのニーズを満たすために特別の困難があるというのが障害です。同時代の市民にどうしたら近づけるのか…。これが国際障害者年以来のテーマなのです。
同年代の一般市民と平等に同等に、近づく…、このことを社会で考えて欲しいという方向をめざしているのです。国連・障害者権利条約は50条の条文の中に「他者(市民)との平等を競い…」という表現が34ヶ所もあります。
権利条約は「合理的な配慮」を欠くことも障害者に対する差別にあたると規定しています。
目の前に進行している大災害が引き起こした現実に向き合い教訓を汲みとり、上記のことを明確にすえた障害者基本法の改正を改めて求めるものです。
★今日のつぶやき→http://twilog.org/oowakitomosan
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
福祉目的なんて嘘っぱち!財政再建目的なんて嘘っぱち!
消費税は、昔も今もこれからも「法人税減税目的税」

ポチポチッと応援よろしく。
↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.2091 「私たち抜きに、私たちのことを決めないで!」 日本障害フォーラム(JDF)が「障害者基本法改正への要望」を提出 (2011/05/31)
- NO.2034 基本合意と障害者総合福祉法の実現をめざす4.21全国フォーラム アピール (2011/04/22)
- NO.2030 障害者基本法改正 「私たち抜き」で決めさせてはいけない! (2011/04/20)
- NO.2029 障害者の権利薄める 内閣府の障害者基本法改定案 (2011/04/19)
- NO.1996 大震災を目の当たりにし、障害者基本法の抜本改正を改めて求める。 (2011/03/14)
- NO.1989 速報! 冗談じゃないよ!こんなズブズブの障害者基本法「改正」案を了承なんて! (2011/03/11)
- NO.1982 権利保障に関わる財源を優先的に確保するのが政府の責任だろうもん! (2011/03/01)
- NO.1979 JDF(日本障害フォーラム)が基本法改正で統一要求書! (2011/02/25)
- NO.1978 障害者だから特別の権利を求めているわけではない。同年代の一般市民と平等に同等に、近づく…、このことを社会で考えて欲しい… (2011/02/24)
2011.03.14 | | Comments(1) | Trackback(1) | ・障害者基本法改定問題
