NO,2057 道具の「文化」 人間の歴史的・文化的発達を媒介する道具。
陶器のマドラーです。
フミさんがせっせと作り、ジュンクンが絵付けをする。100円なり。お手軽でもあり、チョコチョコ売れてます。
お客さんから、「ちょっと当たっただけで折れた」というクレームがあった。
きっと何かの不都合があったのだろうが・・・。
そこで標題のテーマで陶器について考えてみた。
多少乱暴だが、
結論的にいえば、「陶器は割れるもの」なのです。
割れるものだから大事に使う。
使う人の心を引き出すのが道具なんです。
お茶の世界の楽焼などは、800度そこそこで焼くからほんとにやわい。
それを、丁寧に心をこめて手にしてお茶をいただく。
亭主が客をもてなし思いやる心、客が感謝し・・・、そういう関係を道具が取り持つのです。
わざわざ、陶器のマドラーを特注している喫茶店だってある。
プラスチックや金属のスプーンでカシャカシャとやるよりも、
丁寧にゆっくり優しく使う時に、コーヒータイムの和らいだ時が流れる・・・、
そういうものじゃないだろうか。
道具には、こういう目的でこう使うという法則が組み込まれている。
道具とは人間の生活様式や文化が凝縮されているものなのです。
それを使うことによって、使う人の行動や心持が引き出され、身についていく。
そうやって、人間は生活様式や文化を精神世界に至るまで道具にこめて、それを使うことによって伝承して来たのです。
陶友のお茶碗を給食に取り入れた保育園の方が、
「陶器の器を使うようになってから、子どもたちお行儀よく大事に食べるようになったんですよ。」
といってくれたのもそういうことだ。
「使う人の心を引き出すのが道具なんです。」と書いたけど、勿論身体的能力も、です。
子どもの発達と道具の使用行為を見れば明らかでしょう。
例えばお箸。
最初からお箸を上手に使える人なんかいません。
お箸、たった2本の小さな棒が持つ物理学・力学の法則がその中に刷り込まれている。
それを「挟む」という目的を持って、将に使うことによって、その法則を我が物にしていく過程なのです。勿論、物理学の知論によってではなく、繰り返しの経験によって手・指の巧妙な働きを獲得していくのです。
箸を使う文化の無い外人さんの大人が、最初は四苦八苦するのを見ても一目瞭然でしょ。
ノミでもカンナでも、刺身包丁でもそう。こういう道具があるからこそ、大工の職人技も板さんの腕も伝承されてきたんだ。
つまり、
道具は人間の能力や精神が「対象化」されたものだということ。それを使うことによって、人間は能力や精神を「内化」(自分のものにする)するということ。そういうプロセスを経て人類は歴史的・文化的に発達・進化して来たのです。
★「歴史的・文化的発達論」:人間以外の動物達の発達は遺伝学的・生物学的法則に支配されている(もちろん個体の学習能力は否定しないが)。しかし、人間発達の特徴は、生物学的・動物学的運命、遺伝学的宿命から自由になり、歴史的・文化的に発達するということにある。その発達の源泉としての社会、その一つの形としての道具としてとらえてみる。
そうすることで、自分達の仕事とがもっと深くとらえられる?
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2011.05.13 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・作品たち
