NO.2083 震災復興財源は大企業などの内部留保を4.7%取り崩すだけで15兆円
震災復興財源に消費税増税が取りざたされたり、国家公務員給与のカットが提案されたり・・・、未曽有の災害、”国家的危機”を利用して思考停止状態が作られようとしている。
そんな中、労働運動総合研究所(労働総研)が「震災復興財源は大企業などの内部留保でを4.7%取り崩すだけで15兆円生まれる」という調査結果を明らかにしている。
内部留保はもともとみんなのもの
大変だ、大変だ、なんとかしなきゃという国民の心情を利用しながら、巧みに「みんなで助け合おう」と言われ、思考停止してしまうと、庶民だけが懐をむしり取られ、大企業はもうけをせしめたままだ。
考えてもみよう。大企業の内部留保というのは、もともと労働者国民が生み出した富を、派遣や下請けいじめなどで独り占めしたものに過ぎない。それこそもともとみんなのものだから、みんなの力をそこに蓄えていたと考えるべきだ。
もっと、わかりやすく”良心的に”言ってやれば「みんなの力で復興を。みんなの分を預かっている内部留保から出そうじゃないか」である。
人のものをせしめといて、出せと言ったら「俺んのや、いやや」なんてセコイ!
労働総研試算
労働総研は、民間シンクタンクが発表した被害推計から、復興財源を15兆円と想定。
「資本金1億円以上、3万3355社の企業がもつ内部留保317兆円のうち4・7%を活用して、無利子の復興国債を引き受ければ、15兆円を確保できる」と指摘。
中堅・大企業の内部留保は1999年度の189・7兆円から、2009年度の317・6兆円へと、127・9兆円も積み増しされてるという。
・・・こういう話をすると、すぐに「内部留保は現金じゃない!あほk!」という突込みを散々入れられてきたが(笑)。ちなみに大企業の内部留保は317.6兆円、うち換金性資産は99兆円(現金・預金、有価証券、公社債、自己株式等)にも上るという。
労働総研によると、現金や現金化可能な有価証券など換金性資産だけでも、07年度の83兆円から09年度の99兆円へと、2年間で16兆円増やしているそうで。復興国債を引き受けるための15兆円は、この2年間の積み増し分を活用するだけでお釣りがくるということのようだ。
つまり、大企業が復興国債を引き受けても経営には何ら響かない。大企業は、長年にわたって研究開発費税額控除やIT投資税額控除など税制優遇策を受けてきており、国難というべき今こそ社会的役割を果たすべきだ。
孫正義気を吐く!
反原発発言で株を上げている孫氏が次のように話している。
「 @masason: 経団連の重鎮の皆様へ、 目先のコスト計算で国を失わない様に。 子供達の未来への責任は重大です。」
これは原発推進への批判で、復興費についての発言ではないが、「心ある企業人よ 出でよ!」と言いたい。
内部留保活用で経済財政は活性化
労働総研は、内部留保の活用で復興をすすめた場合、国内生産誘発額が26・5兆円、付加価値誘発額が13・2兆円となり、日本の経済成長率を2・6%押し上げると試算。企業にとっても経済波及効果を享受でき、損はないとしている。
金は天下のまわりもの!もうけを抱き込み、目先の利益にこだわるよりも、金を回ししっかり社会貢献することで企業ものびるということじゃないだろうか。
なお、消費税増税で財源をまかなうという意見に対しては、ただでさえ苦しい国民の家計に過重な負担を強いて消費を落ち込ませ、復興を停滞させる愚策だと指摘している。ごもっとも!
復興政策の柱としては、
▽すべての被災者・失業者の生活と住居の保障▽国や自治体など公的責任による雇用創出▽住民と自治体参加による復興計画の策定と住民本位の行政体制の再確立▽農漁業や地場産業・中小企業復興、「安心の街づくり」などへの公的支援―を提案している。
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雇用と就業の確保を基軸にした、住民本位の復興
――東日本大震災の被災者に勇気と展望を(概要)
2011年4月22日
労働運動総合研究所
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東日本大震災からの復興にかかわって、労働総研は「雇用と就業就労を基軸にした住民本位の復興」政策の実施を求め、別添の提言を発表する。とりわけ強調したいのは以下の点である。
1.復興財源には大企業の内部留保を活用
復興に必要となる多額の費用の財源には、企業内に蓄積されている内部留保(ため込み利益)を活用すべきである。資本金1億円以上の企業3万3355社の内部留保額は、2009年度までの10年間で189.7兆円から317.6兆円へと127.9兆円も積み増している。仮に復興事業費を15兆円と想定するなら、内部留保総額の4.7%にすぎない。しかも内部留保のうち換金性資産は99兆円にも上る(現金・預金、有価証券、公社債、自己株式等)。つまり、財源調達要請に迅速に対応できるということである。
2.内部留保を活用した復興で景気回復をはかる
大企業が引き受ける国債は無利子で引き受けることとする。それでも企業は復興事業の経済波及効果を享受でき損はない。労働総研の試算によれば、社会インフラ設備の復旧に8兆円、被災者生活資金等に5兆円、地場産業等の復旧・復興資金に2兆円投入すると、その経済波及効果は、国内生産誘発額で26.5兆円、付加価値誘発額(≒国内総生産)で13.2兆円となる。日本の経済成長率を2.6%以上押し上げる効果が生まれる。ほかにも復興事業を呼び水とした民間設備投資が加わるため、さらなる生産拡大、付加価値額の増加が見込まれる。
なお、消費税増税で財源をまかなうとの意見もあるが、ただでさえ苦しい国民・労働者家計に過重な負担を強いることは、消費の落ち込みを招き不況を長期化させ、復興を停滞させる愚策である。
3.復興政策では「構造改革路線」の誤りを正し、雇用・就業確保を軸とした住民本位のものとする
復興政策の柱として、以下の4本の視点を据えることを提案する。
(1) すべての被災者・失業者の生活と住居の保障
(2) 国や自治体など公的責任による雇用創出
(3) 住民と自治体参加による復興計画の策定と住民本位の行政体制の再確立
(4) 農漁業や地場産業・中小企業復興、「安心の街づくり」等への公的支援
詳細は本論に譲るが、いくつか提案を列挙するならば、
・被災者が主導する「住民復興会議」を設置し、“上から目線”でないボトムアップ型復興の牽引役とする。
・広域行政化=市町村統廃合により、必要な施策が住民に届かない問題が浮き彫りとなった。住民本位の自治体機能を拡充させる。公務員も増員する。
・雇用保険の適用を受けない農漁業者、自営業者等のため、全額国庫負担の「失業手当」を新設し、就労の実現まで給付する。
・公的就労事業をはじめ、被災者に潤沢な雇用機会を提供し、賃金収入と消費の経済サイクルを復活させる。
・復興事業は地元事業者への発注を基本とする。
・国や自治体は公契約の発注にあたり、現場労働者への賃金水準の保障と健康を守る措置を徹底する。
……等を実施すべきである。
最後に、復興にあたって、道州制などの広域行政化推進、消費税増税実施、TPP導入など、この危機的状況を利用して、大企業優先の政策導入を強行しようとする動きがある点に、国民の注意を喚起したい。これらは労働者・庶民の暮らしに痛みを与え、多国籍大企業のみが肥え太り、国民経済を危機に招くものであり、復興政策において採用してはならない路線である。
以上
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2011.05.27 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・震災救援・復興
