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NO.2018 “負担あって介護なし” 介護保険法のいっそうの改悪 (追記あり)

 「いまは大震災被災地の介護体制再建に全力を尽くすべきだ。被災地の介護サービスが確保されるまで法案を凍結し、その後で十分な審議を行うべき時」・・・そんな声も無視し、ろくな審議もおこなわずに介護保険法が改悪された。 

     たんぼ4089

 全国の介護関係者が被災地支援に力を注ぐ中、法案の内容も周知しないままの強行成立。とても許せない。

改正介護保険法が成立NHK 6月15日 14時27分

介護が必要な高齢者の生活を支えるため、24時間対応できる訪問介護サービスを介護保険で利用できることなどを盛り込んだ改正介護保険法が、15日開かれた参議院本会議で、与党や自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。

介護保険法の改正案と関連法案は、15日の参議院本会議で採決が行われ、与党や自民党、公明党などの賛成多数で可決し、成立しました。今回の法改正によって、在宅で生活している高齢者が24時間対応できる訪問介護サービスを介護保険で利用できるようになります。また、改正法には、これまで原則、医師と看護師にしか認められていなかった、たんの吸引などの医療行為を介護職員にも認めることなども盛り込まれています。一方、厚生労働省は介護保険制度の存続には財源の確保を図る必要があるとして、今回の法改正にあたって所得が高い高齢者などを対象に自己負担の引き上げを検討しましたが、民主党内や高齢者団体から反対が相次ぎ、自己負担の引き上げは見送りました。

 こんな報道じゃまるでいいことみたいに聞こえる。

“負担あって介護なし” いっそうの改悪
 最大の問題は、あらたに創設される「介護予防・日常生活支援総合事業」。
これは、「要支援」と認定された高齢者への保険給付を、人員・サービス内容・利用料などすべて市町村任せのサービスに置き換えるもの。サービスの質は担保されず、利用者の意思が尊重される保障もないだろう。

 介護保険での訪問・通所サービスなどの事業には全国一律の基準があるが、「総合事業」にはそうした基準がない。市町村が事業費の上限を超えないよう安上がりな方法を選べば、劣悪なサービスしか受けられなくなるし、逆に利用料は、介護保険が定める「1割負担」より高くなることもありうる。

 40歳以上の国民が保険料をはらっても、「要支援」と認定しながら全国一律の給付対象からはずすのは、介護が必要な人たちの権利を奪うものであり、「保険金詐欺」に等しいではないか。

 これは、介護保険からの給付費削減と国の負担削減が狙いであり、今でさえ“負担あって介護なし”状態のいっそうの改悪だ。

 24時間対応できる訪問介護サービスの創設といえば聞こえがいいが、介護労働者不足の中で実施できる保証はどこにもない。たとえ実施しても、事業者への報酬がサービス量に関係なく一定となる「包括払い」では、利用回数が制限されることは目に見えている。

 医療行為の解禁については、関係者からの「職能を超える労働強化となり、離職を増やしかねない」という不安が根強い。法案に明示された「たんの吸引」以外は省令でも拡大できるものであり、看護職員不足を介護職員で補い、介護職員の負担をさらに重くするものといわざるを得ない。

 何より、介護職員が行える医療行為の範囲を法改定なしに省令で拡大する仕組みは、命にかかわる重大問題であり、医療体制の充実をさぼり責任を転嫁するものだ。

 また、7年後までの介護療養病床廃止も、医療の必要な高齢者から医療・介護・生活の場を奪うものといわねばならない。

 ・・・ったく、まともな審議も尽くさないわまともな報道もなしでは、高齢者・国民は蚊帳の外、暗闇の中。どうしろというのだ。

 追記:以下、まともな報道をご参考に。
2011年6月16日(木)「しんぶん赤旗」

介護保険法改定案が成立
日本共産党は反対
参院本会議

---------------------------------------------------------------
 参院本会議で15日、介護保険法改定案が賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、社民党は反対しました。

 日本共産党は、「要支援」と認定された高齢者へのサービスを、市町村の判断で安上がりなサービスに置き換えることを可能にすることや、医療専門職が行うべき医療的ケアを介護職員に押しつけるなどの問題点があることから反対しました。

わずかの審議時間で強行
改定介護保険法 問題点こんなに

 衆院で10時間弱。参院で8時間弱。

 民主、自民、公明、みんなの各党はわずかの審議で改定介護保険法を成立させました。

 医療・介護関係団体の運動や日本共産党国会議員団の追及で改定法の問題点が明らかになりましたが、その危険性は介護を必要とする多くの当事者に知られていません。

サービスの質低下する恐れ
 一つは、「要支援」と認定された高齢者への介護のあり方です。

 新設の「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)を導入した市町村は、要支援者へのサービスを従来通りの保険給付とするか、市町村任せの総合事業とするかを決められるようになります。

 保険給付のサービスと異なり、総合事業にはサービスの質を担保する法令上の基準がありません。費用を減らすため、生活援助やデイサービスをボランティアに任せるなどの事態が起きかねません。

 サービスのとりあげが広がる恐れもあります。これまで独自の「ローカルルール」をつくって生活援助や散歩介助をとりあげてきた市町村に対し、国民の運動を受けて、国は法令上の基準を根拠に是正を求めてきました。総合事業では肝心の基準がなくなるため、ローカルルールによるサービスとりあげが横行しかねません。

医療行為を押し付ける
 二つ目は、医療専門職が担うべき医療行為を介護職員に押し付けることです。

 国が看護師不足を放置し、医療が必要な患者を無理に退院させてきたため、施設の介護職員がたんの吸引などを肩代わりせざるをえない現状です。改定法はこの現状を逆手にとり、たんの吸引を法律で追認することを突破口に、介護職員が担う医療行為を厚労省令で拡大していく仕組みです。

 安全性を確保できるのか。事故の責任は誰が負うのか。賃金上の評価もなく研修と業務の負担が重くなれば、離職者がさらに増えないか。現場は多くの不安を抱えています。

介護病床廃止方針を継続
 三つ目は介護療養病床について廃止の方針を継続することです。

 改定法には付帯決議がつきました。▽総合事業の実施にあたっては利用者本人の意思を最大限に尊重する▽医療行為の実施に向けて知識・技術の十分な習得、安全管理体制の整備、定期的な検証を行う▽介護療養病床の廃止について実態調査を行い、必要な見直しを検討する―などです。

 共産党議員団や関係団体が批判した問題点を一定認めざるをえなかったのです。

 改定法の施行は2012年4月。14日に国会内で開かれた抗議集会では、要支援者切り捨ての総合事業を市町村に導入させないなどのたたかいを広げ、改悪部分を運用段階で「骨抜きにしよう」(全日本民主医療機関連合会の山田智副会長)との決意が語られました。今後の世論と運動が重要です。 (杉本恒如)


■参照:主張 軽度者への給付削減 “負担あり介護なし”の加速だ(2011年5月16日(月)「しんぶん赤旗」)


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2011.06.16 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅱ

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