NO.2126 仲間たちの笑顔を取り戻そう 陶友通信NO.129をアップしました。
日中の猛暑にもかかわらず、朝夕はしのぎやすくなりました。
我が家の早咲き彼岸花が咲きました。
さて、陶友通信 NO.129(2011年8月号)(PDFファイル)を、アップしました。
一面トップにでしゃばりました。お見苦しくてすみません。
自閉症のトノがあんまりにもいい表情なので、見て欲しくて。私は引き立て役ということで・・・。仲間たちとの集団行動にもだいぶ慣れ、楽しめるようになってきたようで、何よりです。
・仲間たちの笑顔をとりもどそう (被災障害者支援ボランティア報告)
・ちょっと一息入れながら 色んな顔を見せる仲間たち・・・厨房発
・人は家を作るが 又、家は人をつくる
・仲間の会話に考えさせられた 生活保護
・働く仲間
・作業班の近況
など。
ちょっと、盛りだくさんですが、いくつかの記事を紹介します。
被災障害者支援ボランティア報告
仲間たちの笑顔を取り戻そう
七月初頭の一週間、被災地の障害者支援ボランティアに行ってきました。場所は福島県南相馬市内の障害者施設。震災から四ヶ月経った今でも、施設運営はきびしい状況にあります。
当初、南相馬は思っていたより震災の爪痕が見えませんでした。マスクや長袖で放射線を気にしている人も思いのほか少ないことにギャップを感じました。
しかし、海岸から二~三キロ内に入っていくと「被災地」を実感。全壊した家、二階だけが残っている家、ガラクタのようにペシャンコな車、田畑に横たわる漁船、津波で施設が壊れ運転停止中の火力発電所、そして、海岸から二キロ離れているにも関わらず多くの犠牲者が出た特別養護老人ホーム…。
その圧倒的な光景に言葉が出ませんでした。こうした大震災を体験した障害者たちのことを考えると、改めて自分に出来ることをしっかりやらなければと感じました。
支援初日、利用者たちは明るく、一見すると職員が足りないと感じる場面もさほどありませんでした。しかし、施設長さんに話を伺うと現状が分かりました。実際にはギリギリの職員配置で、日が経つにつれ職員の手が足りない部分が見えてきました。支援チームで話し合い、職員が利用者と関わる時間をつくるために、掃除から物資の運搬など、職員の手が回らないことや力仕事も代わりに行なうように努めました。
また、震災の恐怖から笑顔の消えた利用者が多くいました。徐々に笑顔が戻ってきているが、ふとした瞬間に震災を思い出しパニックになるとのことでした。施設長さんは作業(さをり織りなど)をすることも大事だけれども、笑顔を取り戻すことが今一番必要だと仰っていました。ボランティアが積極的に関わることで、笑顔を見せてくれる利用者もおり、これも大切な支援だと感じました。
被災障害者はまだまだ困難な状況にいますが、日々を精一杯過ごしています。被災地での支援は終わりましたが、これからどういった形で支援を続けていくかが本当に大切なことだと感じています。(じきょう)
正直と言うか、率直というか・・・はたまた…!
仲間の会話から
生活保護について考える
~ある日の販売会のふとした会話の中から・・・
(小西)「生活保護もらったら、年金はもらえんと?」
私は2週間前に生活保護の学習会に出ていたこともあり受け売りで「年金はもらえるけれど、生活保護の金額から年金額が引かれた分が支給されるんですよ。」と教えました。
(小西)「そんなら少なくなるねー。生活できんとやない?」
すると、それまで黙っていた有馬さんが
(有馬)「お金(貯金)があったらダメっちゃん。・・・年金もねー、お金ためとったら減らされるとよ。みんな元々お金ないけど、そこから貯めとうんよ。ツッ君とこも伊佐治さんのとこもよ。みんなないところから貯めるっちゃん。なのにダメって言われる・・・お父さんとかお母さんがおらんくなったら困るっちゃん。」
不安・・・?と聞くと、
「・・・ん・・・不安。でもね、不安もわからん仲間もおるとよ・・・」
ひかり法人内でも生活保護を受けながら生活をしている仲間がいます。学習会でもたくさんの疑問や問題点がわかりましたが、仲間の話を聞くことで、より身近な大きな問題として感じられました。
・政府は、生活保護は自立するための「一時的な援助」という。しかし、働こうと思っても健常者と同じようには働けない彼らは、どうすればいいのですか。
・自分の将来のために貯金をたくさん蓄えていくこともできない。その日暮らしの生活保護でいいのでしょうか。
・何とかやりくりして、我が子のために貯金をしている家庭もたくさんあります。それなのに「貯金できるくらい余裕がある。」という解釈で年金額を減らしたり・・・
生活保護にしても、自立支援法にしても、社会の迷惑にならないことが大前提!!
支援を必要としている“その人”を見ない社会の在り方に怒りを感じています。(たなか)
ちょっと一息入れながら
色んな顔を見せる仲間たち・・・厨房発
四月から食品班の支援員から、調理を担当することになりました岡本です。的場さんや後藤さんなど歴代の調理員さんのようにできるか不安はありましたが、自分自身に勢いをつけて調理に臨むことにしました。
最初は調理だけで精一杯でしたが(まあ今もそうなのですが)、、今まで見えなかった仲間の姿も少しずつ見えるようになりました。
例えば、…「ねえ聞いて聞いて」といわんばかりに日々の出来事を報告に来る仲間。「今日は何?」と興味津々メニューを確認に来る仲間。「今日は一人なの?大変ね」と心配してくれる仲間。ボランティアさんにお茶を出してくれる仲間(「出さんと岡本さんに怒られるもんね」と言いながら・・・)。ボランティアさんに必ず挨拶してしかっり自分をアピールする仲間。リヤカー前に「行ってきます。全部売ってくるね!」と気合を入れていく仲間。
確かにここは仕事中、仲間がちょっと一息入れに来る場所だなとしみじみ感じています。ボランティアさん達も「ここくらいでしか『好きです!』なんていってもらえないものね」「好きですなんて何年ぶりに言われたかしら!」「可愛いなんておじいちゃん以外にはここでしかいわれたことないです」と、笑いながらもちょっといい気持ちに。
以前からのボランティアさんが諸事情でで少なくなり、私のつてで何人か新しいボランティアさんに入ってもらっていますが、皆さん「楽しかった」「また声かけてね」と笑顔で帰っていかれます。勿論仲間のいい面だけでなくいざこざが起こることもありますが、そういう面もひっくるめた仲間の姿を理解してもらえたら。また、自立支援法でどれだけ障害者や障害者をとりまく環境が悪くなったかを少しでも知って貰えたらとの思いもあり、「月に一回ボランティアしない?」と声を掛けています。
今年も暑い日々が続きます。食欲が落ちる仲間もいます。なるだけ残すことが無い様、一人ひとりの体調に合わせて量を調節しています。6月の研修では食中毒、咀嚼や嚥下、免疫力の話を聞き、これからの調理にいかしていければ、と思います。これからも仲間のちょっとした立ち寄り場所になれるよう、また、微力ながら仲間の健康面の支援になれるよう勉強していきたいと思います。
その他、作業班の近況など。
食品班は相変わらず、どんなに暑くても「お客さんが待ってくれている!」と笑顔でリヤカー販売に出かけています。そんな姿に感動し、「元気をもらっています。仲間の為に使ってください。」と寄付金を持って笑顔でお店に来られた方もいらっしゃって、夏の打ち上げで行ったバーベキューに使わせて頂きました。他には、手作りのスポーツドリンクを凍らして持って行くなど猛暑対策を強化しています。これが素材から想像できる味そのままなのですが、仲間には何故かとても好評。作り方は『水2リットルに、砂糖 大さじ6・りんご酢 中さじ4・塩小さじ2の分量で溶かすだけ』です。今日も明日も働ける喜びを感じながら頑張っていますので、応援よろしくお願いします。(かく)
コラム 鬼瓦
鬼瓦。和の家の棟の端、雨仕舞いに取り付けられた装飾瓦で、厄除けの意味があるそうだ。古くはシリアのパルミラの入り口に、ギリシャ神話の怪物メドーサを飾り付けていたものが、シルクロードを越え中国を経て、奈良時代に普及したとか。●7月末、障害者基本法が全会一致で改正。現行法よりマシとは言え、当事者からすれば、権利保障を「可能な限り」としたり、「合理的配慮」をしないのは明確な差別だ(障害者権利条約)とちきちんと規定できなかったり…、不十分さを残すものです。●次は障害者自立支援法の廃止と総合福祉法の制定、権利条約の水準にふさわしい内容作りへ。将に運動にかかってきています。障害者分野は半歩前進でしょうか?●しかし、生活保護を3~5年で打ち切り、医療費の負担も導入しようとしたり、「子ども・子育て新システム」導入で保育の完全市場化も…。民主党政権で社会保障・福祉は後退の一途です。将に弱者には”厄“そのもの。●現代の家から消え去る鬼瓦。今こそ、陶友は仲間たちにとって鬼瓦にならなければと…強く思います。ということでこのコラムはこれから「鬼瓦」に決めました。
編集後記
私がいないと作業所の雰囲気が変わるという。「どうせ俺なんて怖いだけの存在よ」と、いじけたり、「怖いやつも必要なのだ」と開き直ったり。そこで「優しいぞ!」というアリバイ写真が一面トップです(笑)。●大震災から半年になろうとしていますが今だ復興には程遠い。被災障害者への全国的支援活動は続いています。心を寄せながら、ともに頑張りたいと思います。●次号は陶友祭のご案内を早めにと思っています。残暑が続きます。皆さんご自愛ください。
ポチポチッと応援よろしく。
↓ ↓
●東北関東大震災 作業所・施設の情報のページ">●東北関東大震災 作業所・施設の情報のページ
作業所・施設の復旧・復興にご支援ください
きょうされん「東日本大震災きょうされん被災対策本部」
被災地の作業所・施設・事業所、障害のある人びとやその家族への支援金を呼びかけます。
皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いします。
■郵便振替
口座名義 きょうされん自然災害支援基金
口座番号 00100-7-86225
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
福祉目的なんて嘘っぱち!財政再建目的なんて嘘っぱち!
消費税は、昔も今もこれからも「法人税減税目的税」

- 関連記事
-
- NO.2704 「陶友通信 NO.134」を発行しました。 特集「働く」について考える。 (2012/09/15)
- NO.2202 調子にのってはいけないな・・・見極めるのは難しい。 (2012/01/27)
- NO.2201 陶友通信No.131がアップされました。 ・・・力をかしてください!あなたの一筆で仲間たちの明るい未来を! (2012/01/27)
- NO.2150 陶友通信 NO.130がアップされました。 (2011/10/13)
- NO.2126 仲間たちの笑顔を取り戻そう 陶友通信NO.129をアップしました。 (2011/08/31)
- NO.2034 陶友通信No.128(11年6月号)をアップしました。 (2011/07/11)
- NO.2040 陶友通信No.127をアップしました。被災障害者支援と新法の制定を。 (2011/04/28)
- NO.1958 「陶友通信」No.126をアップしました。陶友祭のご案内ですが・・・遅すぎ(苦笑) (2010/12/17)
- NO.1862 陶友通信NO.125をアップしました。 (2010/10/22)
2011.08.31 | | Comments(1) | Trackback(5) | ・陶友通信
