NO.2163 「前門の虎 後門の狼」?・・・二つのファシズム
野田首相は、TPP交渉参加への表明を昨日に予定していたが、世論に押され先送りした。
民主党PKの「慎重な判断を」に応えたものとされ、「いろいろな意見を受け止めたい。一日考えさせて」といい「まだ方向性は決めたわけではない」とも言っている。
この間、農業、医療、消費者、食品など国民各層から「地域経済や社会、国の形を変える」「大震災からの復興の足かせになる」など、厳しい批判、反対の世論と運動が急激に広がっている。被災地の農業青年らは寒風の中、国会前に座り込んでいる。
野田首相の表明先送りは、こうした世論に押されたことは間違いないだろう。国民の声を受けてTPP参加を断念することを改めて求めるものだ。
しかし、今日の、国会でのTPP集中審議を観る限り、「首相の参加方針に変わりはない」ようだ。もし、このまま「総理の政治判断」でTPPへと暴走するならば、それは国民無視・国会無視のファシズムと言わねばならない。
さて、ファシズムと言えばもっと露骨な「ハシズム」がある。
「いま政治に必要なのは独裁だ」と言い放つ橋下元大阪府知事と大阪維新の会である。
選挙という民主的な手続きを経てトップになったのだから「トップの言う事は民意」だという論法で、トップに権限を集中し、言うことを聞かない職員は切り捨てる「職員基本条例案」。教育を政治的に支配し、子どもたちを「世界標準で競争力の高い人材」「互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材」へと競争に駆り立て篩い分ける「教育基本条例案」。
今度は、大阪市長選に立候補し「ハシズム」の大阪制圧を足掛かりに全国進出を狙っている。
「前門の虎と後門の狼」?と言うべきか。
二つのファシズムを止めるのは国民の声しかない。
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憲法会議の「声明」を紹介転載しておきます。
■参考:【声明】 橋下氏と「大阪維新の会」による独裁政治、教育の政治的支配をねらい、子どもたちを競争にかりたてる「教育基本条例案」、ものいわぬ職員づくりねらう「職員基本条例案」に、全国の力を結集して反対しましょう
2011年11月9日 憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)
【声明】 橋下氏と「大阪維新の会」による独裁政治、教育の政治的支配をねらい、子どもたちを競争にかりたてる「教育基本条例案」、ものいわぬ職員づくりねらう「職員基本条例案」に、全国の力を結集して反対しましょう
2011年11月9日 憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)
1.橋下徹前大阪府知事が率いる「大阪維新の会」は、大阪府議会などに「教育基本条例案」と「職員基本条例案」を提出し、府知事選挙・大阪市長選挙後にもその採択強行をねらっています。また橋下氏は、この2つの条例案とともに「大阪都」構想を掲げ、大阪の府・市政をファッショ的に牛耳ろうとしています。
憲法会議は、憲法がかかげる学問と教育の自由、地方自治、自治体労働者の働く権利を根本から蹂躙するものとして、橋下派の動きに強く反対するものです。
2.「教育基本条例案」は、前文で、選挙で選ばれた知事の考えを「民意」として、教育を政治が支配することを掲げています。「基本理念」では、「愛国心および郷土を愛する心」「世界標準で競争力の高い人材」「互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材」を育てるとし、「個人の尊厳を重んじる教育」を敵視します。学力テスト結果で学校別に競わせ、府立高校の学区の撤廃、3年連続定員割れの府立学校の廃校など、学校と子どもたちの序列化と競争を煽ります。また、保護者の権利について、「保護者は、教育委員会、学校、校長、副校長、教員及び職員に対し、社会通念上不当な態様で要求等をしてはならない」などと攻撃します。
これらの推進のために、知事による教育目標の設定、校長・副校長の公募、教職員に対する5段階の人事評価を押しつけようとしています。それは相対評価によって5%は最低のD評価とし、D評価が続けば免職にすることまで規定しています。これらのねらいは、上意下達の制度化と、職務命令・処分・免職の脅しで、知事いいなりの学校と教職員を作ることです。
「教育基本条例案」は、子どもの発達と教育に権力者が思いのままに介入し、学問・教育の自由という憲法と教育の条理を踏みにじるものであり、地方教育行政法、地方公務員法だけでなく、「改正」教育基本法にも反するものです。教育の目的は「人格の完成」であり、特定の目的に資するための「人材育成」ではありません。教育は、日本国憲法や子どもの権利条約にもとづき、教職員と子どもたちの人間的なふれあいを通じて営まれなければなりません。「国家のための教育」とされた戦前の教育への逆戻りを許してはなりません。
3.「職員基本条例案」は、地方自治体の幹部公募制を取り入れて、時の首長の意のままになる幹部採用を可能にし、さらに職員の一定数を相対評価で必ず最下位評価にし、2年連続で最下位評価となった職員を免職できるようにしています。これらは、財界と民間大企業主導の新自由主義的な利益最優先の政策をすすめるために、ものいわぬ職員づくりをねらい、憲法15条「公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」を踏みにじるものです。
4.橋下氏と「大阪維新の会」はこれまでも、過半数を得た府議会で「君が代強制条例」や大幅な議員定数削減を強行するなど、公約でもなかった案件を「府民感覚」と称し、ゴリ押しを重ねてきました。まさに「民意」をかざしたファッショ的独裁的政治です。
こうした橋下氏と「大阪維新の会」が、もし「成果を上げる」ようなことになれば、民主党による悪政に苦しむ国民の中にひろがっている「閉塞感」に依拠して、現在の政治状況を反動的に打開しようとする衝動を刺激する危険も考えられ、日本の民主主義の根本にかかわる重大な問題ともなります。
それだけに橋下氏による「独裁=〝ハシズム〟」、「教育基本条例案」、「職員基本条例案」などの強行を危惧する広範な世論がおきつつあり、批判もひろがっています。
憲法会議は、橋下氏らの暴挙が大阪府のみならず、全国にも広がることを阻止するために、大阪府民と全国の国民が、民主主義擁護の立場で、共同して、反対するためにたちあがることを呼びかけます。
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2011.11.11 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・社会評論Ⅲ
