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NO.2197 「毎日」の「原子力マネー」告発はGJだ。しかし、巨額の広告料で買収され、自らも「安全神話」に浸かり原発推進に加担したことへの反省が必要だ。

 この冬最大の寒波が列島をすっぽりつつみ込んだようです。
被災地では寒さが一段と身に染むことでしょう。
みなさん、お気を付け下さい。

     DSCF0526.jpg

 さて、原発に対してここ数日の「毎日新聞」が気をはいています。

 22日付の大特集です。

     毎日
 記事のリードは以下のものです。

 日本の原子力開発は、政・官・業・学が密接に連携して進められてきた。源泉となっているのは、世界的にも突出した巨額の原子力関係予算だ。長年にわたって、原発立地対策や核燃料サイクルをはじめとする研究開発に潤沢な資金を提供し、電力会社や原子力関連企業、大学の活動を支えてきた。一方、「政」には電力会社や労働組合側からの献金が流れ込む。「原発推進体制」を構成する4者の間の「原子力マネー」の流れをまとめた。

 確かに、原子力マネーの流れを調べて図表も駆使しながらまとめた「力作」です。

背景に脱原発世論
 大手新聞「毎日」がここまで書くようになったのは、福島の事故以来の原発政策への国民の批判や、原発はなくそうという世論の高まりが背景にあるからでしょう。

「毎日」と言えども、加担は免罪できない!
 この記事は、大手紙が事実を調査によって暴露した記事として評価できるものです。
しかし、果たして「政官業学」の4者だけなのか?と、問いたい。

 もともと、「毎日」は「読売」や「朝日」とは違い原発には慎重な立場でした。しかし、広告料という「原子力マネー」に手を染め、「毎日」も他の大手紙と同じく「安全神話」にどっぷりとつかりながら、これまでの原発政策の推進に無批判に加担してきたのは、その程度に差はあれ、紛れもない事実です。

 「原子力マネー」は、「政・官・業・学」に加え「マスコミ」にも流れ、「原発利権共同体」のペンタゴンを構成してきたのです。担当記者たちの奮闘を評価し期待も込めつつも、一言注文を付けておきます。
 自らへの問いと自己批判なくして、世論におもねてみても、健全なジャーナリズム・メディアとしては説得力に欠けるのではないでしょうか。


 私が縷々書くよりは、以下をどうぞ。
共産党志位委員長の講演からの転載ですが、「原発マネー」が大手新聞をどうやって総なめにしていったか、当時の電気事業連合会・広報部長の回顧録をもとに、実に生々しい事実が語られています。


「原発利益共同体」――“原子力村のペンタゴン”
 みなさん。なぜ日本のような世界有数の地震・津波国が、原発列島とされていったか。その根底には、日本の政治の二つの歪(ゆが)みが横たわっています。

 第一は、日本経団連も深く関与しての「原発利益共同体」ともよばれている利権集団の存在であります。

 原発は、1基つくるのに5千億円もかかるといわれるビッグビジネスです。これでもうけている勢力は誰か。まず、電力会社、原発メーカー、大手ゼネコン、鉄鋼・セメントメーカー、大銀行など、財界の中枢を構成する大企業です。この勢力が、原発推進の政党・政治家に政治献金を配り、代弁者にしたてあげる。特権官僚と癒着し、官僚を操り、官僚は電力会社に天下りして巨額の報酬を得る。一部「有名大学」の研究などに巨額の寄付をばらまき、御用学者をつくりあげる。原発事故が起こった後も、彼らは恥知らずにもテレビに登場し、「ただちに健康に影響はないと考えられます」とか、「原子炉格納容器の健全性は確保されていると考えられます」とか、無責任な発言をくりかえしました。そして、電力会社は、巨大メディアを巨額の広告費で買収し、「共同体」の仲間に引き入れました。

 ・・・(中略)・・・

「原発マネー」で総なめにされた大手新聞に猛省を求める
 私が、深刻だと考えるのは、巨大メディアが、この利権集団の一員に加わっているという事実であります。

 ここにもってきたのは、電力10社で構成する電気事業連合会で広報部長を務めた鈴木建氏の回顧録『電力産業の新しい挑戦――激動の10年を乗り越えて』(日本工業新聞社、1983年)と題する本であります。1970年代、電力業界が、巨額の広告料で、大手新聞を次々に買収していった経過が、当事者の口から赤裸々に語られています。

 それは朝日新聞から始まりました。1974年8月から、電力業界の10段のPR広告が、毎月欠かさず「朝日」に掲載されるようになります。

 そうしますと、「早速読売新聞が飛んできた」(笑い)と鈴木氏は書いています。「読売」の広報担当者はこう求めました。「原子力は私どもの社長の故正力松太郎さんが導入したものである。それをライバル紙の朝日にPR広告をやられたのでは、私どもの面目が立たない」(笑い)。こうして、「読売」にもPR広告が載るようになりました。

 「朝日」、「読売」とつづきますと、鈴木氏によると「毎日新聞も馳(は)せ参ずる」(笑い)。「毎日」からも広告の要請がくるようになりました。しかし、「毎日」は当時、原発に反対するキャンペーン記事を掲載していました。鈴木氏はこう啖呵(たんか)をきります。「御社ではいま、原子力発電の反対キャンペーンを張っている。それは御社の自由である。……反対が天下のためになると思うのなら、反対に徹すればいい…。広告なんてケチなことは、どうでもいいではないですか」(どよめきの声)。こう言われて、「毎日」は、原発の記事を「慎重に扱う」と約束し、「毎日」にもPR広告が載るようになりました。

 こうして「原発マネー」は大手新聞を総なめにしていったのです。

 私が、先日、外国特派員協会でこの話をしましたら、特派員のみなさんは強い関心をもったようで(笑い)、「一問一答」で最初に出された質問は、「『朝日』が電力業界の買収の最初のターゲット(標的)になったと聞きました。私たちは『朝日』はリベラルと認識していたのですが」というものでした。私は、「大型広告が『朝日』から始まったのは、(電力業界側が)『朝日』がそのような新聞だと一般に見られていたことを考慮してのことだと思います」と答えました。

 「朝日」には、当時、どんなPR広告が掲載されていたのか。今日は証拠物件(笑い)をもってまいりました。これは、1975年8月27日付の朝日新聞に掲載されたPR広告です。10段の大きい広告です。大見出しは「原子炉が爆発しないのはなぜか」(どよめきの声)。何と書いてあるか。「原子炉は原爆とはまったく違った性格のものです」、「原子炉の安全設計は、“取り越し苦労”ともいえるほど、念入りに行われています」、「たとえすべての制御装置が働かなくなったとしても、大事故を起こすことはありません」(どよめきの声)。こういうものを出していたんですね。

 「朝日」は、PR広告が掲載されると、自分自身でも原発推進のキャンペーンをはるようになります。1976年の7月から9月にかけて「核燃料――探査から廃棄物処理まで」と題する48回の連載記事が掲載され、この一冊の本(『核燃料 探査から廃棄物処理まで』、朝日新聞科学部・大熊由紀子著、1977年、朝日新聞社)にまとめられました。読んでみますと、目を覆うばかりの「原発安全神話」が満載されております。

 原発事故が起こった後、これらの大手新聞のなかには、原発の危険を多少とも伝える報道を始めているところもあります。それ自体は結構なことです。しかし、自分たちがやってきたことへの猛省が必要ではないでしょうか(「そうだ」の声、大きな拍手)。東京の2万人集会、静岡の5千人集会を、1行も報道しないという姿勢はあらためたらどうでしょうか(「そうだ」の声、大きな拍手)。それは、事実に誠実で、公正な報道機関なら当たり前のことだと私は考えるものであります。(「そうだ」の声、拍手)


 毎日の記事はそれはそれとして評価出来るものです。
その要旨を転載しておきます。(詳細はリンク先でどうぞ)

この国と原発:第4部・抜け出せない構図/政官業学結ぶ原子力マネー(その1) 毎日新聞 1/22

 ◆12年度予算案
 ◇事故前と変わらず

原発予算

この国と原発:第4部・抜け出せない構図/政官業学結ぶ原子力マネー(その2止) 毎日新聞 1/22

 ◆電力業界の政治献金
 ◇経営陣は自民、労組は民主へ

政治献金

 ◆外郭39団体
 ◇補助金3600億円、天下り60人

天下りと補助金


 ◆関連研究へ巨額資金
 ◇大学の「依存」鮮明に

大学の原子力関連研究は、国や原子力関連企業から受け取る巨額の研究資金に強く依存している。毎日新聞の集計では、11国立大学の関連研究に対し、06~10年度の5年間に、少なくとも104億8764万円の資金が提供された。

 ほとんどを占める受託研究で目立つのは、文部科学省からの資金提供が高額であることだ。高速増殖原型炉「もんじゅ」開発をはじめ、「軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発」(2億1781万円、東京大、09年度)▽「原子力システム高効率化に向けた高耐食性スーパーODS鋼の開発」(2億1244万円、京都大、同)--など億単位が目立ち、期間が数年にわたるケースもある。


この国と原発:第4部・抜け出せない構図/(その1) 重鎮学者が会社設立 毎日新聞 1/22

 ◇資金調達、直弟子に寄付

 06~10年度、東京大で原子力を専攻する研究者が受け取った奨学寄付金を集計すると、意外な結果が出た。最も多額の寄付をしたのは、「IIU」という無名の株式会社で計600万円。三菱重工業(計567万円)やIHI(計400万円)などを上回る額だ。寄付額6位にも、NPO法人「日本保全学会」(計327万円)という耳慣れない組織が顔を出している。

 背景を探ると、学者自身が企業や学会を作り研究資金を調達している構図が浮かんだ。

この国と原発:第4部・抜け出せない構図/(その2止) 資金支出、自ら審査 毎日新聞 1/22

 ◇学会分科会参加、事業者から年1500万円
 ◇処分場、故郷誘致図る イベント主催「安全と説明を」
 ◇大学内の異論、「ムラ」が圧力 東電社員「留学して。費用は出す」


電力需給:政府今夏試算 「6%余裕」 伏せる 毎日新聞 1/23

 今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。現在、原発は54基中49基が停止し、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎える。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。



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2012.01.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・マスコミ・テレビ・新聞Ⅱ

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