NO.2202 調子にのってはいけないな・・・見極めるのは難しい。
陶友通信紹介の続きです。
ある仲間に関して、最初はとてもいい話なんですが、…結果、失敗談なんです・・・。
陶友通信No.131から、以下二つの記事を。
・栃木県から「福岡のよかとこ」狙い撃ち!
・仲間の旅行in柳川
PDFファイルはこちら→http://www.toyu-genki.com/images/tsushin/no131.pdf
栃木県から「福岡のよかとこ」狙い撃ち!
あれから4年、明日への希望が!
四年前、私たち父子は栃木県にいました。そんな時、親戚の者が「福岡によかとこあるけん見にこんね」と連れてこられたのが工房陶友でした。陶友は明るい雰囲気で、仲間は仕事を楽しんでいるように見えました。私は一目ぼれしてしまいました。
そして、すぐに引越しのことを考えました。陶友を狙い撃ちです。栃木からしっかり狙ったんですが、少し離れて福浜に住むことになりました。陶友へは二人でゆっくり歩いて十分くらいの所です。私はこれで一安心しました。
しかしです。肝心の娘が意気消沈しています。思えば、娘は変化に弱いのです。昨日はこうだったのが今日は変わっていたとか、初めての事や予想がつかない事などに不安と恐怖を感じて怯えてしまうのです。引っ越しをしたことで生活環境も変わります。それに、頼りにしている親父がバスを乗り間違えたり降り間違えたりするものですから、毎日の生活にストレスを抱えていたと思います。そんな時に新しい作業所など考えたくもなかったのでしょう。
それでも娘は、自分のために引っ越してきたんだからと陶友に何度も足を向けます。ですが、近くにある橋を渡れませんでした。やっと渡っても陶友の店の中をチラッと見て、後ずさりして散歩で終わる日々が二カ月続きました。娘は肩に父親の期待と親戚の者たちの応援をいっぱいに背負っていました。
するとある日、その重みの勢いで前につんのめる様に陶友に入っていきました。そして明るく大きな声で迎えられ、娘は頭の中が真っ白だったと思いますが好感は持てたと思います。
おいしい給食を頂き、帰るときに娘が「お先に失礼します」と言ったら、陶友の全員から「また明日ねぇえー」と大きな声を掛けられました。すると、おもわず娘が「はーい」と言ってしまったので、嘘がつけない娘は次の日から通うことになりました。
でも、ストレスはすぐには消えません。手足は冷たくなり、顔はこわばり、必死の思いで通っていました。そんな娘の不安と恐怖を陶友はしっかり受け止め、細かいところに気配り目配り手配りをして下さいました。
それから四年が経ち、こうして元気に二人してここにいます。娘も自主性が出てきました。不安や恐怖心がうすらぎ、明日への希望が持てるようになり、好い方向へ変わりつつあります。
私も娘に負けないように変わってきました。忘れ上手になったのです。昨日か一昨日でしたか、今年の父の日に娘から買ってもらった陶友のマグカップが突然消えてなくなったのです。いつものことです…。二人で探し回りながら娘の口癖がでます。
「もうお父さんはぁーっ、見てやれん」と大声で言うので、私も負けずに言い返します。
「見てやれんなら目をつむっときなさい(閉じてなさい)」と。そして、二人で大笑いしています。
心の病と云う何とも得体のしれない不可解なハンディーを持った娘を、ここまで育ててくれた陶友にお礼申し上げます。所長さん始めスタッフの方、そして深い絆の仲間のみなさん本当に有難うございました。それから、私たち親子にとって一番大切な工房陶友を応援して下さっている皆さん有難うございました。
このお父さんの言葉に、我々は大いに励まされたものでした。
そして、新たな挑戦をしました。
とても生き生きとして、うれしそうなTさんの姿でした。仲間の旅行in柳川
12月4日~5日に柳川旅行に行ってきました。
柳川と言えば定番のどんこ船での川下り、温泉にメインイベントの「大宴会」…、それぞれに役割をこなしながら仲間たちは大いに羽を伸ばし、食べて歌い、沢山の笑顔が見られました。
中でも、今回一番嬉しかった事は、心に障害を抱えているTさんが参加できた事です。
陶友内では、大きな声で笑うTさん。しかし、本当に些細な事や、環境の変化に大きな不安を感じる日々を送っています。楽しみにしているクラブ活動も、直前で不安になりキャンセルしている状況でした。そんなTさんは、行きたい気持ちを抱えながらも、一度も旅行に参加できずにいました。そこで今回、一番安心できるお父さんにボランティアとして参加していただくこととにし、それなら…とようやく参加できたのです。
旅行中のTさんとお父さんは、みるからに楽しそうで、そんなお父さんが、「仲間がいるから余計に楽しいんでしょうね。娘は、今まで生きてきた中で一番楽しいんじゃないでしょうか。私はあの子のこんな姿を見たことがありません。本当にありがとうございます。」と言われていました。
娘を思いながらの感謝の気持ちを聞き、一生の中でこんなに感謝される事が何度あるのだろうか、喜んでもらえて心から嬉しい、と改めて支援という言葉だけでくくれない人として喜びを共有し『共に生きる』という事を感じる旅となりました。
(かく)
しかし、私たちの見方は甘く、一面的でした。
楽しかったのには違いがありませんが、その陰で彼女はとても疲れていたのでした。
年明けて長欠が続いています。
本人は気になってほぼ毎朝、「すみません。おやすみします」と電話を入れてきます。お父さんの話では、疲れがたまっていると・・・。
その後、お父さんは正月の親戚との交流の時も、いつも通りの娘さんへの気遣いを忘れたというのです。
しばらくゆっくりしてもらいますが、それほどに気を使い参加して疲れたのでしょう・・・。
一面的の自分たちの都合で見ていたことに反省です。
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2012.01.27 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・陶友通信
