NO.2233 市民の責任、国民の責任。「自分自身の歴史、そして自分が関っている社会の現在・未来については、すべての人にそれぞれの責任がある。」(小出裕章)橋下市長の思想調査にどう立ち向かうか。
市民、国民の責任という視点から、三度、ニーメラー牧師の告白を思い起こそう。
★なぜナチスを阻止できなかったのか(マルチン・ニーメラー牧師の告白)
ナチスが共産主義者を攻撃したとき、自分はすこし不安であったが、とにかく自分は共産主義者でなかった。だからなにも行動にでなかった。
次にナチスは社会主義者を攻撃した。自分はさらに不安を感じたが、社会主義者でなかったから何も行動にでなかった。
それからナチスは学校、新聞、ユダヤ人等をどんどん攻撃し、自分はそのたびにいつも不安をましたが、それでもなお行動にでることはなかった。
それからナチスは教会を攻撃した。
自分は牧師であった。
だからたって行動にでたが、そのときはすでにおそかった。
佐賀大学の豊島 耕一先生が、橋本市長の思想調査に関する私のフェイスブック投稿に、「 ニュールンベルグ原則の第四を一般化して考えれば,「違法な命令には従う必要はない」ではなく,「違法な命令には従ってはならない」となります.アンケートに答えること自体が不当ということです」と指摘されています。
ニュールンベルグ原則
第四原則
政府または上司の命令にしたがって行為した者は、道徳的選択が現実に可能であったとき、国際法上の責任を免れない。
なるほど、死刑をもって弾圧したあの治安維持法下の暗黒政治の中においては、政府の命令にそむき戦争に反対するのは「道徳的選択」の余地は皆無に等しかっただろう。
しかし、思想信条の自由が保障されている今日、大阪市職員が橋下市長の憲法違反の業務命令を拒否することは「道徳的選択が現実に可能で」であり、その命令にに従うというのは「責任を免れない」。
したがって、「違法な命令には従ってはならない」ということだろう。
市民の責任、主権者の責任の問題。
小出裕章さんは 著書「原発と憲法9条」のまえがきで以下のように書いている。

現代民主主義は、その権利主体たる市民・国民の高い責任と自覚によってこそ確かなものになるということだ。自分自身の歴史、そして自分が関っている社会の現在・未来については、すべての人にそれぞれの責任がある。福島第一原子力発電所のじこについては、原子力ムラの人たちに重い責任がある。私も、原子力の旗は振らなかったが、原子力の場にいる人間として、普通の人とは違う責任がある。普通の日本人はただ日本の国と電力会社の宣伝に騙されてきたという言い訳が出来ない訳ではない。しかし、騙されたから仕方がないというのであれば、また騙されることになる。一人一人が自分の責任の重さを考え、それを引き受けるようになってくれれば、原子力など容易に廃棄できると私は確信する。
消費税の問題にしろ、原発や核の問題にしろ、障害者問題にしろ・・・、あらゆる社会問題を前に、私は知的障害者とともに向き合わながら、思う。
「彼らが愚衆に道連れにされるなんて、とてもじゃないが耐えられない!」と。
最後に、今日の「しんぶん赤旗」から。
違憲・違法な「思想調査」直ちに中止せよ
志位委員長が会見
無法行為の矛先は市職員だけでなく、全市民・国民にむけられている
日本共産党の志位和夫委員長は16日、国会内で記者会見し、橋下徹大阪市長による職員への思想調査について、「無法行為の矛先は市職員だけでなく、全市民・国民にむけられている――違憲・違法な『思想調査』をただちに中止せよ」との談話を発表しました。 (関連記事)
---------------------------------------------------------------
一、橋下徹大阪市長が、全職員を対象に、「労使関係に関する職員のアンケート調査について」という名目で、政治活動への参加の有無、投票行動にかかわる問題、組合活動への参加の有無、組合活動についての考え方などについて、憲法違反の「思想調査」をおこなっていることにたいして、労働組合、民主団体、法律家など、広範な人々からきびしい批判の声があがっている。
一、この「思想調査」は、すでに多くの人々から指摘されているように、第一に、憲法第19条に保障された思想・良心の自由、第21条に保障された政治活動の自由を乱暴に蹂躙(じゅうりん)するものである。さらに、第二に、憲法28条に明記された労働組合の正当な活動を侵害する不当労働行為である。
しかも、この「思想調査」は、「処分」で威嚇しての「市長の業務命令」という形をとり、異常な権力的強制をもってすすめられている。
憲法順守義務を負う自治体の長が、幾重にも憲法を蹂躙して、職員の思想・良心の自由、政治活動の自由を土足で蹂躙し、その人格をまるごと支配しようというのは、文字通りのファッショ的な恐怖政治、独裁政治以外の何ものでもない。
一、くわえて強調したいのは、違憲・違法な「思想調査」の矛先が、市職員にとどまらず、すべての市民・国民にむけられていることである。
たとえば、「あなたは、この2年間、特定の政治家を応援する活動(求めに応じて、知り合いの住所等を知らせたり、街頭演説を聞いたりする活動も含む。)に参加したことがありますか」という設問に対しては、職員本人の参加の有無とともに、「誘った人」の氏名まで回答することを求めている。「誘った人」は、大阪市職員に限定されておらず、一般の市民、国民までが対象とされている。
また、「あなたは、この2年間、職場の関係者から、特定の政治家に投票するよう要請されたことはありますか」という設問に対しても、職員本人が要請されたかどうかの有無とともに、「要請した人」の氏名まで回答することを求めている。ここでも「要請した人」は、大阪市職員に限定されておらず、一般の市民、国民までが対象とされている。「職場の関係者」とあるが、「関係者」となれば、それは無限定に、どこまでも対象が広がることになることは明瞭である。
つまり、一般の市民、国民が、大阪市役所の職員に、「街頭演説に行きませんか」「だれだれを投票してくれませんか」と声をかけたら、それらの市民、国民の氏名を報告せよということになる。こうして、この「アンケート」は、市職員にたいする違憲・違法な「思想調査」にとどまらず、一般の市民・国民に対する違憲・違法な「思想調査」をおこなうものとなっている。これは市役所を、市民の福祉のための機関から、住民監視のための秘密警察的機関へと変えてしまう、きわめて重大な問題である。
自らの権力を振りかざし、こうした行為を平然とおこなう人物に、日本国憲法のもとで政治にたずさわる資格はない。
民主主義守る一点で共同を
一、日本国憲法で保障された基本的人権は、日本のあらゆる場所において、あらゆる国民に対して保障されなければならない。憲法が通用しない場所を、日本のどこであれつくることは、決して許すわけにはいかない。ことは、大阪市にとどまらず、日本の民主主義全体にかかわる重大な問題である。
わが党は、大阪市長が、違憲・違法な「思想調査」をただちに中止し、すでに回収したデータを即時廃棄することを強く求める。憲法で保障された人権と民主主義を守るという一点での、市民、府民、国民の広い共同を呼びかける。
橋下氏と「維新の会」は、国政進出を狙って、あれこれの「政策」なるものをならべているが、その本質は、この勢力が大阪で現にすすめている独裁政治・ファッショ政治を国政に押し広げようというものに他ならない。わが党は、この危険な野望を断固として打ち砕くために、民主主義を守るすべての人々と共同して奮闘する決意である。
ポチポチッと応援よろしく。
↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.2564 「もう!ふうたんぬるかけん、早う決めりー!!」 …では橋下や野田の思うツボ! (2012/04/26)
- NO.2255 橋下市長は職員と市民に謝罪すべきだ! (2012/04/07)
- NO.2241 小中学校で留年を検討?大阪教育基本条例の理念=「自己責任」と「競争原理」の先取りじゃないか。 (2012/02/23)
- NO.2237 大阪市「職員アンケート問題」に関する情報まとめ。 (2012/02/19)
- NO.2234 開封凍結?!直ちに破棄せよ!!&大阪市のアンケート調査の中止を求める日弁連会長声明日 (2012/02/17)
- NO.2233 市民の責任、国民の責任。「自分自身の歴史、そして自分が関っている社会の現在・未来については、すべての人にそれぞれの責任がある。」(小出裕章)橋下市長の思想調査にどう立ち向かうか。 (2012/02/17)
- NO.2232 情けないのは・・・!だんまりを決め込むマス・メディア!! (2012/02/17)
- NO.2230 橋下市長の緒戦のねらい目は「親衛隊」作り?/賢い国民になろう!/法曹界からの批判声明 (2012/02/16)
- NO.2207 ハシズムの本性 強権政治と庶民いじめ (2012/02/14)
テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済
2012.02.17 | | Comments(5) | Trackback(0) | ・橋下政治と民主主義
