NO.2247 湯浅誠さんの「内閣府参与辞任のご報告」について一言・・・。
今朝さくらが一輪咲きました。
早咲きの河津桜、色が濃いです。
湯浅誠さんが、内閣府参与を辞任されました。
長文の「内閣府参与辞任のご報告」が書かれています。
さっと読みですが感想を一言。
ご存知のように、湯浅さんと言えば「反貧困」の象徴のような人、政権交代で内閣府の参与に登用された方です。
地道な運動の分野から政府の一角に参加し、参与というビミョーな立場も手伝って、ましてや民主党政権の逆走・爆走のただなかにあったわけですから、さぞご苦労したことでしょう。先ずはごくろうさまでした。
共感することもありますが、決定的な問題もあると思います。
手抜きですが、フェイスブックより転載しておきます。
★湯浅誠さんの弁について。
「● 政府との関係、社会運動の立ち位置について
・・・容易に転換しそうにないこの風潮をどうすれば変えることができるのか、私にはまだよくわかりません。ただ少なくとも、このような局面で社会運動が採るべき方向性は、バッシング競争で負けないためにより気の利いたワンフレーズを探すことではなく、許容量を広く取って理解と共感を広げていくために、相手に反応して自分を変化させ続けていくこと、政治的・社会的な調整と交渉に主体的にコミットすること、そして自分という存在の社会性により磨きをかけていくことではないかと思います。それが、私の考える「社会運動の立ち位置」です。
・・・」
なるほど、示唆に富んでいますが、
「許容量を広く取」ることが、
「税目以前に国の財政規模を確保し、所得再分配機能を強めていく発想からは「消費税を受け入れるから、あんたたち(富裕層や企業)ももうちょっと保険料など負担してくれ」という持っていき方があってもいいのではないか。そちらのほうが迫力があって、状況を変える力も生まれるのではないか。」
・・・ということではいただけませんね。
以下の、井上 伸さんの批判は、命中してますので、紹介させていただきます。
▼湯浅誠さんの「内閣府参与辞任のご報告」から一節を引用
http://yuasamakoto.blogspot.com/2012/03/blog-post_07.html
何よりも優先されるべきは、世界一の高齢社会に見合った財源規模の確保と所得再分配機能の強化であり、消費税をめぐる賛否よりも争点化すべき。企業は法人税がイヤ、富裕層は所得税・資産課税がイヤ、庶民は消費税がイヤで、結局必要な税と財政の規模が確保できないのでは、現実には、社会保障から排除され、脱落していく貧困層がさらに拡大し、孤独死・孤立死も増加していく。税目以前に国の財政規模を確保し、所得再分配機能を強めていく発想からは「消費税を受け入れるから、あんたたち(富裕層や企業)ももうちょっと保険料など負担してくれ」という持っていき方があってもいいのではないか。そちらのほうが迫力があって、状況を変える力も生まれるのではないか。今のままでは「政府はどうなってもかまわないから、税を支払いたくない」という声が強く、その力関係の変わる兆しがなく、結果として政策的経費縮小の打撃を傘の外の人たちがもっとも強く受け続ける状態が続いてしまうことを、私は懸念しています。(※ここまでが引用)
消費税と財政の歴史を事実誤認しています。「企業は法人税がイヤ、富裕層は所得税・資産課税がイヤ」で、庶民にだけ「消費税を押しつけてきた」のです。大企業法人税の穴埋めに消費税が使われ、富裕層は証券優遇税制などで世界で最も優遇されているのです。だから、所得再分配機能が世界で最も低下し、貧困層拡大、孤独死・孤立死・自殺が増大したのです。富裕層と大企業はさらに自分たちの負担だけを軽減して、庶民にだけ消費税増税を押しつけ一層所得再分配機能を世界最小にし、なおかつ社会保障も改悪しようとしているのですから、反貧困なら真っ先に消費税増税に反対すべきです。
社会運動家として政府に内部から関与し、政策策定や実施に向けた関与・調整などのご苦労は凡人には知る由もないかもしれませんが、運動(障害者作業所運動)の現場に身を置くものとしては、批判せざるを得ません。
「許容量を広く取」ることが、「相手に反応して自分を変化させ」、運動側に政府の消費税増税を受け入れろというのであれば、井上さんのおっしゃる通り、論外です。
参与としてのご苦労もあったのでしょうが、これではミイラ取りがミイラに・・・です。「手の問題」に陥り、本質を見誤り、原則を逸脱するようでは、運動は死ぬでしょう。
乗り越えなけらばならない教訓とすべきでしょうか。
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2012.03.08 | | Comments(4) | Trackback(3) | ・社会評論Ⅲ
