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NO.24 夏休みなんか、好きじゃなかった。

 夏休みがいやだったという話は、まだ聞いたことがない。
夏休みは、楽しいものと 世間の相場では決まっている。

 今は、気ままに自分の時間が持てて、それなりに楽しくもあるが・・・。

 こどもの頃の夏休み。
 種子島は、日本で一番早く米が収穫される地方だ。たぶん、台風銀座とよばれた南西諸島では、台風シーズン前に、収穫を終える必要があったからだと思う。

 機械化が進んでいなかった当時の農家では、こどもといえど、一人前の労働力だった。夏休みに入る頃、何の因果か、ちょうど稲刈りが始まる。こどもも、小学生になれば、それぞれに鎌を持って稲を刈ったり、その束を運んだり・・・手はいくらでも必要とされ、役に立った。

 ラジオ体操が終わってから、夏の長い日が落ちるまで、家族とともに田んぼに出る。さぼるなんて、できやしない。広く見通され、ボケッと突っ立っていようものなら、「こら、馬をつなぐぞ!」の声が飛ぶ。

 盆までに、脱穀まですませ、新米をご先祖様に供え、家族で食べる。

 盆に少し休み、こんどは、サトウキビ畑とサツマイモ畑の草取り。両親が両脇の、こどもたちがその間の畝を、それぞれ一畝ずつ配置について、草をとり進む。遅れそうになると、親が手を出して、横一列を保った。
 サトウキビ畑のときは、うっそうとして親の目が届かない時があり、そんな時は、こどもらしくズルをする。草はとらずに、親より少し遅れて歩くのだ。

 そして、夏休みが終わりに近づくと、溜まりにたまった宿題でゆううつになる。

 そんな夏休み。こづかいが貰える訳でもなし、時々、チリンチリンと自転車で回ってくる、アイスキャンディだけが楽しみな・・・。草取りのとき、畑の完熟トマトがうまかった、ぐらいな・・・。

 夏休みが来るのがいやだった、と言うほどでもない。それが当たり前の暮らしだったから。でも、楽しみに思ったことはないし、好きじゃなかった。

 

 

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2007.08.17 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・自画像・自分史断片

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軟弱オヤジの「硬派道場」へ、ようこそ。障害者作業所所長やってます。福祉や政治、日々の思いを気ままに…。
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