NO.2567 逃げ足早い?!大阪維新市議団が「家庭教育支援条例案」の市議会提出を断念し、白紙撤回!ネットの批判力が大きいか?
逃げ足が速いというか・・・。
「発達障害は脳機能障害で、親の教育とは関係がない。条例案は根本から違っている」
7日、橋下徹大阪市長率いる維新市議団が市民の強い批判を前に、カルト的な特異な子育て思想を押しつける「家庭教育支援条例案」の白紙撤回を決めた。
家庭教育条例案を白紙撤回 維新市議団、批判受け2012.5.7 17:39 [産経west政治]
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120507/waf12050717430014-n1.htm
橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会大阪市議団は7日、総会を開き、議会提出する意向だった家庭教育支援条例案を白紙撤回し、内容を抜本的に見直す方針を決めた。発達障害がある子の親らでつくる市民団体などが強く反発、条例案提出の中止を要望していた。
市議団の美延映夫幹事長は総会後、記者団に「全くの白紙に戻して考える。専門家の話を聞いてから、提出するかどうかも含めて決める」と述べ、提出取りやめの可能性も示唆。「(市民団体から)いただいた意見を大事にしなければならない。その一点に尽きる」と強調した。
一方、学習障害(LD)がある子の親で作る「全国LD親の会」の内藤孝子理事長は市役所で記者会見し「発達障害は脳機能障害で、親の教育とは関係がない。条例案は根本から違っている」と批判した。
条例案は、児童虐待の背景に「親心の喪失と親の保護能力の衰退という根本問題がある」(前文)として、「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」と非科学的な主張を押しつけたものでした。
参考:■№.2566 吐き気がするなあ 大阪維新「家庭教育支援」条例案
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-2422.html
メディアは当初、押し付けには批判的だが、このカルト的な発達・教育観についての批判が見られなかった。
多くの市民関係者が声を上げる中で、批判の焦点が「発達障害は脳機能障害で、親の教育とは関係がない。条例案は根本から違っている」という点に移って行ったように思える。
大阪維新の会:家庭教育支援条例案に批判続々
毎日新聞 2012年05月07日 11時37分(最終更新 05月07日 13時02分)
http://mainichi.jp/select/news/20120507k0000e010106000c.html
橋下徹・大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の市議団が議員提案を予定している「家庭教育支援条例案」に批判の声が広がっている。条例案は、児童虐待や子どもの非行などを「発達障害」と関連付け、親の愛情不足が原因とする内容だが、医師や保護者らが「根拠がない」「偏見を助長する」と猛反発。発達障害の子どもを持つ保護者らの13団体は7日午後、議会を訪れて提案中止を要望。市議団も5月議会での提案見送りを決めた。
条例案は今月1日、維新市議団が公表。児童虐待が相次ぐ現状を踏まえ、家庭教育の支援や親に保護者としての自覚を促す目的で作られた。「親になるための学びの支援」「発達障害、虐待等の予防・防止」など全5章、23条から成る。
しかし、発達障害について「乳幼児期の愛着形成の不足」が要因と指摘し、「伝統的子育て」によって障害が予防できるなどと言及した条文に批判が続出。高田哲・神戸大大学院教授(小児神経学)は「伝統的な子育てで予防できるとか、親の育て方が原因であるかのような表現は医学的根拠がないばかりか、子どもや家族が誤ったイメージで見られかねない」と危惧する。
長男(16)が広汎(こうはん)性発達障害という母親(45)=東大阪市=は「私のせいで子どもが発達障害になったと言われているようで傷ついた。最近は法整備が進み、障害への理解も広がってきたと思っていたのに、怒りを通り越して言葉にならない」と憤る。「大阪自閉症協会」「大阪LD親の会 おたふく会」など大阪府内を中心に活動する13団体は7日、「学術的根拠のない論理に基づいている」として条例案撤回のほか、当事者団体や専門家を含めた勉強会の開催を求めた。
インターネットの「ツイッター」でも1日以降、「うちの子は失敗作ですか」「ニセ科学だ」などと抗議が噴出。橋下市長は7日、記者団に「発達障害の子どもを抱えているお母さんに愛情欠如と宣言するに等しい」と苦言を呈し、市議団に条例案見直しを求めたことを明かした。【林由紀子】
【ことば】発達障害
自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの総称。遺伝などの要因が複雑に絡んで起きる脳機能障害と考えられ、幼児期前後に表れることが多い。文部科学省の調査(02年)では「学習面か行動面で著しい困難を示す」児童・生徒は約6%に上る。自立支援などを目的にした発達障害者支援法が05年に施行された。
◆家庭教育支援条例案の概要◆
▽「親の学び」の手引を配布。母子手帳に学習記録を記載
▽保育・幼稚園で年1回以上「親の学び」カリキュラムを導入
▽保育・幼稚園で保護者の一日保育士(幼稚園教諭)体験を義務化
▽保護者対象の家庭用道徳副読本を作成し、配布
▽中学生〜大学生に乳幼児の生活に触れる体験学習を義務化
▽乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害やそれに似た症状を誘発する大きな要因と指摘され、それが虐待や非行、引きこもりなどに深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる
▽発達障害課や、部局が連携した発達支援プロジェクトを設置
▽わが国の伝統的子育てによって(発達障害は)予防、防止できる。子育ての知恵を学習する機会を親やこれから親になる人に提供
★あらためて、維新市議団の「家庭教育条例案」とはなんだったのか?!

しんぶん赤旗 2012年5月6日(日)が的確な批判をしている。
阪市 維新が「家庭教育条例案」 特異な子育て思想押しつけ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-06/2012050601_03_1.html
「大阪維新の会」大阪市議団が市議会に提出するために検討している「家庭教育支援条例案」(原案)の全容が明らかになりました。条例案は、「伝統的子育てによって発達障害は予防できる」などと科学的根拠もなしに、特異な子育て思想をおしつけるものとなっています。
条例案は前文で「児童虐待の背景」にある根本的問題として「親心の喪失」を強調。改悪教育基本法の「家庭教育の独立規定(第10条)」を根拠に明記し、第1条(目的)では、「保育、家庭教育の観点から、発達障害、虐待等の予防・防止に向けた施策を定める」などとしています。
具体的には、「発達障害、虐待等の予防・防止」(第4章)で、「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因である」などと主張。「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」などとしています。
また、「家庭教育支援」と称して、特定の思想に基づく「親の学び」をおしつけていることが特徴で、保護者対象の「家庭用道徳副読本」を高校生以下の子どものいる全家庭に配布するほか、「一日保育士体験、一日幼稚園教諭体験」を義務化。市長直轄の「家庭教育推進本部」を設置し、「家庭教育推進計画」を策定することなどを盛り込んでいます。
「支援体制の整備」(第5章)では「親になるための学びを支援、指導する『親学アドバイザー』など、民間有資格者等の育成を支援」と記しています。
「維新」市議団は、この「親学」について、「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長も務めたことがある高橋史朗「日本教育再生機構」理事・明星大教授らが提唱してきたものだと認めています。
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解説
政治介入家庭教育にまで 背景に侵略戦争美化勢力
「大阪維新の会」大阪市議団による家庭教育支援条例案は、教育への政治の介入を、家庭教育にまで広げるものです。
しかも、発達障害を「伝統的子育てで予防できる」などと非科学的な主張を掲げ、発達障害などの問題を「親の責任」とする点でも重大な内容となっています。
条例案の内容が一部報道(1日)されて以来、ネット上では「義務や強制で親がマトモになる…雑すぎやしませんか」「『発達障害』を親の責任としている」「それが親を追い詰めてんだよ」などといった批判が噴出しています。
条例案の背景には、高橋史朗「日本教育再生機構」理事の考え方があります。同氏は、侵略戦争を美化する教育右傾化の中心的推進者の一人で、「自分以外の何かに責任を転嫁せず、まずは親自身が自覚することが基本」「増やすべきは保育所ではなく『親学』を学ぶ場」などとする特異な子育て論を展開してきました。
ネット上での批判を受けて、「維新」代表の橋下徹大阪市長も「発達障がいの主因を親の愛情欠如と据えるのは科学的ではない」(3日のツイート)と認め、「僕の考えを市議団長に伝えた」ことを明らかにしました。
その一方で橋下氏は、市議団の市政方針について「僕には決定権はありません」などと責任逃れをはかっています。(藤原直)
維新の底が見えるような醜態ではあったが、橋下市長はじめ維新には反省は微塵もない!
維新市議団のHPには以下の短文が載ってるだけだ。
巷に出回っている家庭教育支援条例案について
2012年05月06日
http://ishinnokai-osakashikai.jp/activities/seimu/1119.html
家庭教育支援条例案について、ご報告させていただきます。本条例案は、維新案ではありません。ある県で提出された条例案を議員団総会にて所属議員に「たたき台のたたき台」として、配布したものであり、今後の議論の材料として提出されたものです。会派内での議論はこれから進めていきます。
また、5月議会では提出いたしません。更に議論を尽くします。
主題から外れるが、メディアの論調を見ると、ネットからの発信による世論作りが大きな役割を果たしているようにも思える。
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2012.05.08 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・橋下政治と民主主義
