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NO.2600 お笑い芸人バッシングに乗じて生活保護の切り下げや扶養義務の徹底化、法の改悪に言及する小宮山大臣は厚生労働大臣の資格なし!罷免せよ!。

 再び生活保護の問題についてです。

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 人気お笑い芸人、河本準一氏をカッコウのネタで叩き、生活保護切捨ての下地作りをやっていることについては、「NO.2587 河本よ、なぜ頭を下げた?「俺は悪くない!生活保護は権利だ!」と言ってみな。」で、その問題点を大まかに指摘しました。

・扶養義務は受給のための用件にあらず。
民法は直系血族、兄弟姉妹の扶養義務を定めていますが、それは未成年者が対象であり、双方が成年の場合は無理のない範囲でという程度のものとみなされています。それを拡張解釈して芸能人の例のように成年を対象とするのは間違いなのです。
そもそもこの民法の義務規定そのものが前近代的ものであると言わなければなりません。

 障害者のある仲間たちは、いつまでもこの扶養のもとにおかれ、自立が阻害されたり、あるいは自立支援法により家族の収入をもとに費用負担が迫られるという不合理な実態もあります。

・不正受給は0.3%、1000件に3件。
これはもちろん問題だが、保護が必要な貧困層の2割しか需給できてない、保護率の異常な低さが日本の生活保護の実態なのです。
 日本では、受給者・世帯が200万を超えたと大騒ぎしていますが、例えばフランスでは日本の半分の人口・世帯数で、約329万世帯が受給しているのです。
 このように諸外国では、スウェーデンを始め、少なくとも日本の3倍以上です。
また、捕捉率(収入ベースで、貧困水準未満の世帯中の保護利用世帯)も、イギリスを始め、少なくとも日本の3倍以上と言われています。

・小宮山大臣は罷免もの! 
 しかるに、検証なしの芸人バッシングをメディアが垂れ流し、小宮山大臣は、国民の生活保障に責任をもつ厚生労働大臣として、マスコミに対して冷静な対応を呼びかけるどころか、これに乗じて生活保護の切り下げや扶養義務の徹底化、法の改悪に言及する始末です。

厚生労働大臣の資格なし!罷免せよ!と言いたい。

・消費増税なしに社会保障の充実への道を。
 現在審議中の「税と社会保障の一体改革」は、消費増税と社会保障切捨ての一体改悪であり、断じて容認できるものではありません。更なる貧困の拡大再生産という悪夢の循環は必至でしょう。

 消費増税なしに社会保障の充実、セーフティネットの充実で生存権を守る道こそ、目指さなければなりません。
 大企業の内部留保266兆円のうち99兆円はすぐに現金化可能なことは政府も認めており、その6.8%の切り崩しで月1万円賃上げ、時給100円アップが可能と言われています。。

・生存権保障は政府の責任
 いま求められているのは、政府の失策によって作り出された過去最高の貧困の拡大に対して、雇用を建て直し、雇用保険を始めとする社会保険の充実、第2のセーフティネットなど生活保護に至る前の社会保障制度を拡充して、生活保護制度への負担を軽減することです 。
 また、それらの社会保障制度からこぼれる市民を、生活保護制度の適正・迅速な活用によって漏れなく救済することです。


 この問題で、生活保護問題対策全国会議と全国生活保護裁判連絡会が連名で、非常に明解な緊急声明を出しています。生活保護問題対策全国会議のブログより、以下転載して紹介します。

★生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明

生活保護問題対策全国会議 代表幹事 弁護士 尾藤廣喜
全国生活保護裁判連絡会  代表委員  小 川 政 亮


 人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していることを女性週刊誌が報じたことを契機に生活保護に対する異常なバッシングが続いている。
 
 今回の一連の報道は、あまりに感情的で、実態を十分に踏まえることなく、浮足立った便乗報道合戦になっている。「不正受給が横行している」、「働くより生活保護をもらった方が楽で得」「不良外国人が日本の制度を壊す」、果ては視聴者から自分の知っている生活保護受給者の行状についての「通報」を募る番組まである。一連の報道の特徴は、なぜ扶養が生活保護制度上保護の要件とされていないのかという点についての正確な理解を欠いたまま、極めてレアケースである高額所得の息子としての道義的問題をすりかえ、あたかも制度全般や制度利用者全般に問題があるかのごとき報道がなされている点にある。

 つまり、
①本来、生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていないこと、
②成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎないこと、
③しかも、その場合の扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い合意をもととするものであること、
④もし、扶養の程度、内容が、扶養義務の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせ」ることを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められていることなどの扶養の在り方に関する正しい議論がなされないまま、一方的に「不正受給」が行なわれているかのごとき追及と報道がなされているのである。

 また、そこでは、
①雇用の崩壊と高齢化の進展が深刻であるのに雇用保険や年金等の他の社会保障制度が極めて脆弱であるという社会の構造からして、生活保護利用者が増えるという今日の事態はて当然のことであること、
②生活保護制度利用者が増えたといっても利用率は1.6%に過ぎず、先進諸国(ドイツ9.7%、イギリス9.3%、フランス5.7%)に比べてむしろ異常に低いこと,
③「不正受給」は、金額ベースで0.4%弱で推移しているのに対して、捕捉率(生活保護利用資格のある人のうち現に利用している人の割合)は2~3割に過ぎず,むしろ必要な人に行きわたっていないこと(漏給)が大きな問題であることなど,生活保護制度利用者増加の原因となる事実が置き去りにされている。

 さらに、今回の一連の報道は、厳しい雇用情勢の中での就労努力や病気の治療など、個々が抱えた課題に真摯に向き合っている人、あるいは、苦しい中で、さまざまな事情から親族の援助を受けられず、「孤立」を余儀なくされている高齢の利用者など多くの生活保護利用者の心と名誉を深く傷つけている。

 ところで、今回のタレントバッシングの中心となった世耕弘成議員と片山さつき議員は、自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」の座長とメンバーである。

 そして、同党が2012年4月9日に発表した生活保護制度に関する政策は、
①生活保護給付水準の10%引き下げ、②自治体による医療機関の指定、重複処方の厳格なチェック、ジェネリック薬の使用義務の法制化などによる医療費の抑制、③食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、
教育扶助等の現物給付化、④稼働層を対象とした生活保護期間「有期制」の導入などが並び、憲法25条に基づき、住民の生存権を保障する最後のセイフティーネットとしての生活保護制度を確立するという視点を全く欠いた、財政抑制のみが先行した施策となっている。

 かつて、小泉政権下においては、毎年2200億円社会保障費を削減するなどの徹底した給付抑制策を推進し、その行きつく先が、「保護行政の優等生」「厚生労働省の直轄地」と言われた北九州市における3年連続の餓死事件の発生であった。今回の自民党の生活保護制度に関する政策には、こうした施策が日本の貧困を拡大させたとして強い批判を招き、政権交代に結びついたことに対する反省のかけらも見られない。

 さらに問題なのは、社会保障・税一体改革特別委員会において、自民党の生活保護に関する政策について、現政権の野田首相が「4か3.5くらいは同じ」と述べ、小宮山厚生労働大臣が「自民党の提起も踏まえて、どう引き下げていくのか議論したい」と述べていることである。
 そこには、「国民の生活が第一」という政権交代時のスローガンをどう実現していくか、また、「コンクリートから人へ」の視点に基づき、貧困の深刻化の中で、この国の最低生活水準をどう底上げしていくのかという姿勢が全く見られない。

 そもそも、生活保護基準については、2011年2月から社会保障審議会の生活保護基準部会において、学識経験者らによる専門的な検討が進められているのであり、小宮山大臣の発言は、同部会に対して外部から露骨な政治的圧力をかけるものであって部会委員らの真摯な努力を冒涜するものと言わなければならない。

そのうえ、小宮山大臣は、「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務」を課すと事実上扶養を生活保護利用の要件とする法改正を検討する考えまで示している。しかし、今回のタレントの例外的な事例を契機に、制度の本来的在り方を検討することなく、法改正を行うということ自体が乱暴極まりない。

 また、生活困窮者の中には、DV被害者や虐待経験者も少なくなく、「無縁社会」とも言われる現代社会において、家族との関係が希薄化・悪化・断絶している人がほとんどである。
 かつて、札幌市白石区で25年前に発生した母親餓死事件は、まさに、保護申請に際して、この扶養をできない証明を求められたことが原因となって発生した事件であった。

かかる点を直視することなく、法改正を行えば、ただでさえ利用しにくい生活保護制度がほとんど利用できなくなり、「餓死」「孤立死」などの深刻な事態を招くことが明らかである。小宮山大臣は、国民の生活保障に責任をもつ厚生労働大臣として、マスコミに対して冷静な対応を呼びかけるべき立場にありながら、混乱に翻弄されて軽率にも理不尽な法改正にまで言及しており、その職責に反していると言わざるを得ない。

 今年に入ってから全国で「餓死」「凍死」「孤立死」が相次いでいるが,目下の経済状況下で、雇用や他の社会保障制度の現状を改めることなく、放置したままで生活保護制度のみを切り縮めれば、餓死者・自殺者が続発し、犯罪も増え社会不安を招くことが目に見えている。
 
 今求められているのは、生活保護制度が置かれている客観的な状況を把握し、制度利用者の実態に目を向け、その声に耳を傾けながら、冷静にあるべき方向性を議論することである。

 当会は,報道関係各位に対しては、正確な情報に基づく冷静な報道を心掛けていただくようお願いするとともに、民主党政権に対しては、今一度政権交代時の「国民の生活が第一」の原点に戻った政権運営を期待し、自民党に対しては、今回の生活保護制度に関する政策の根本的見直しを求め、本緊急声明を発表する次第である。




 なお、生活保護問題の本質を理解するにはは、以下の見解が非常に役立つと思います。
★利用者数の増加ではなく貧困の拡大が問題である~「生活保護利用者過去最多」に当たっての見解~

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2012.05.28 | | Comments(0) | Trackback(3) | ・福祉・社会保障全般Ⅱ

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