NO.239 スマップの社会学。
昨日の記事でスマップの「世界に一つだけの花」について触れた。
そこで思い出したが、これもどこかの大学でスマップそのものについて話したことがある。
彼らが急激に売れだした頃だからもう15年ぐらい前だろうか。
(学生が取っつきやすいネタから入ろうとするぐらいに、私もオッサンになりかけていた頃だ。)
要するに「個性の尊重」の問題である。
障害と「個人の尊厳」について話した、記憶がある。
それまでのグループは、いつもグループとしてだけで活動していた。
勿論そのメンバー一人一人に個性があり、それがあるからこそグループとしての表現はあり得たのだが。
ところがスマップは、メンバー個人個人がソロでドラマやバラエティーなど色々な活動をして、個性を前面に打ち出した来た。そういう強い個性の集まりとしてのグループ色が強かったと思う。
違いは、前者が「集団のための個」、後者は「個が主体の集団」と言えるのではないだろうか?
当時、バブル崩壊後の社会では、資本の新たな活動展開が推し進められ、グローバル経済の名の下に、多国籍企業化に拍車がかかり、国内産業の空洞化がすすんだ。国内においては、国際競争力をつけるためのコスト削減政策がとられた。その元での労働市場の再編(労働者派遣法などでの不安定雇用労働の広がり)が進められた。結果、今日のワーキングプアなど、いわゆるプレカリアート問題へ繋がる貧困を生み出してきている。
若者達を中心に、ローコストの労働力商品としての画一的な価値が押しつけられ始めたた時代であった。
それに違和感を持つ、自覚的批判には至らなくとも、「なにか違う」と感じ始めた世代と時代が求めたのが、つまりスマップなのではないか。そこに若者達は、(いや、おばさん達にも人気があるんだよね)自分を重ね、投影していく。
スマップという存在は、そう言う時代の意識とともに生まれ、育ってきていると思う。
(彼らをプロデュースした人は、目があるなあ。)
ファンも、みんな2枚目のキムタクが好きという訳ではない。それぞれに中井君であったり悟郎ちゃんであったりで、このグループははファン自身の個性をも受け入れてくれるのである。
グループの人気・支持は、この相互作用の関係にあると言ってもいいだろう。
そこには、「個の尊重」への強い願いが横たわっているのではないだろうか。その後のジャニーズ路線も基本は、この国民の意識的土壌にうまく乗っているのではないだろうか。
(べつにジャニーズが好きなわけでもないが・・・分析として)
さて、本題に入らなければならないが。
こうした流れの中で「障害は個性だ」という言い方が、広がっている。
多くは善意による物で、かみつく気はないが、私たち現場で関わる者にとっては整理しておくべき大事な問題である。
障害者も個性ある個である。しかし、障害は障害以外の何者でもなく、個性ではない。
次はここら辺について書いてみたい。
とは言え、気持ちだけが先走りして、書き切れるかな?
・・・これから、おっかあの実家に新年の顔見せに行きます。しばらくコメント返しが出来ませんが、帰ったときの楽しみに、沢山コメント下さい。
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2008.01.02 | | Comments(4) | Trackback(1) | ・社会評論Ⅰ
