NO.268 「派兵恒久法」は、自民、民主の合作。
15日に臨時国会が終わったかと思えば、18日には通常国会が開幕。
福田首相は施政方針演説で、首相として始めて「派兵恒久法」に言及した。
「平和協力国家日本の実現」を掲げ、その目玉として、「迅速かつ効果的に国際平和協力活動(=自衛隊の海外派兵)を実施していくため、いわゆる『一般法』(恒久法)の検討を進める」と。
ここまで踏み込めたのは、最大野党民主の後押しがあったればこそ。
今後の安保外交問題を見るためにも、先の国会を振り返っておく必要がある。
先の国会で最大の焦点となった「イラク特措法」。与党の数の暴挙で衆院再可決で成立した事は周知の事だ。
一方この国会で、民主党の対案が自民、民主、公明、国民新の賛成で継続審議となった。
参院では反対した自公が、政治の基本となる安全保障問題で、衆院では違う態度をとった事はまさかの事だ。
「民主対案」を改めてみておく。
それは、海上自衛隊をインド洋に再派兵する政府提出の新テロ特措法に対する「対案」として、民主党が参院で提出したもの。
「国際的なテロリズムの防止及び根絶」を口実に、自衛隊の常時、迅速な海外派兵を可能にする恒久法=本格的海外派兵法の早期整備を求めている。
その恒久法の中身に、「憲法の下での自衛権の発動に関する基本原則」を盛り込んでいる。
民主党は、自衛権については、個別的自衛権と集団的自衛権の区別なく容認する考えを持っており、この「基本原則」は、「テロ根絶」を口実にした集団的自衛権の行使=海外での武力行使に道を開く危険を持っている。
今回、与党がまさかの対応をしたのは、民主党とともに恒久法を推進する立場から、制定につなげる協議のきっかけ、火種を残しておきたかったからであり、実際そういう運びになってきた。
同対案は、「復興支援活動」を口実にしたアフガニスタン本土への自衛隊派兵が前提。国連の決議などがあれば海上阻止活動そのものへの参加も検討するとしている。さらに、武器使用基準も、自衛官が自分などを守るためだけに限定していた従来の海外派兵法よりも緩め、「活動の実施に対する抵抗を抑止するため」にも可能としている。要するに自由に使えるのだ。
自公案より一歩も二歩も進んでいるのだ。「違憲」「アメリカ寄り」において。
自民の関係者があけすけに、証言している。
高村正彦外相も「自民党がそういうものを先に出した場合、民主党が本当に賛成してくれたかわからないものを民主党が出してくれたことは有意義」と言っていた。
自民の小坂議員は「民主党の対案には今後の重要な検討課題として議論すべき内容も含まれている。民主党をはじめ、野党と緊密に協議し、自衛隊の海外派遣にかかわる恒久法の制定につなげていくべきだ」と主張。
福田康夫首相も、九日の党首討論で「これから国会でおおいに議論させていただきたい」と述べていたが、筋書きは、こんなにうまく運んでいる。
野党として、表面上は自公政権に対抗しているように見えても本質はこんなものだ。
安全保障外交問題では、事実上の大連立である。
そういえば、あの大連立騒ぎの議題の一つが「恒久法」にあったことを忘れてはいけないな。
まあ、この恒久法の研究を指示したのが小沢代表。
小沢代表と言えば、もともと自民時代でも有名なアメリカの子分。
民主党にもまともな「護憲派」もいたろうものを・・・。
「豪腕」にねじ伏せられているのか・・・。
今日はお堅い政治記事。
でもこうやって、軍事費を増やし、福祉予算を削っていくのだから、考えないといかんと思います。
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2008.01.20 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・米軍・自衛隊・安保Ⅰ
