NO.289 世界の軍事費を、貧困問題の解決のために使おう。
今日も世界の軍事費についてです。
少し詳しく調べてみました。
世界の軍事費に関する興味深い資料があります。
http://www.asahi-net.or.jp/~ww8t-oosk/gunjihi.ht
この資料は少し古いが、スウェーデンのストックホルム平和研究所の年鑑によると、
2006年の世界の軍事費は、1兆1810億ドル(約129兆円)だそうだ。
それらのお金があったら、世界は今何が出来るか?
以下引用。( 円 )は、1ドル110円(安め?参考数字ですから・・・)で、概算してみた。
●途上国(重債務貧困国)の債務をなくす 4010億ドル(約44兆円)
アフガニスタン、カンボジアなど「低所得国」61カ国の対外債務 4010億ドル
ベトナム、エチオピア、ソマリアなど「特に借金の返済が困難な国(重債務貧困国)」の40ヶ国の対外債務 約2200億ドル(約24兆円)
巨大な債務がなくなれば、医療や保健、福祉などの国内での整備も可能になる。
●世界中の兵器を廃棄する 1720億ドル(約19兆円)
・核兵器の廃棄 600億ドル(約7兆円)
・化学兵器の廃棄 500億ドル(約6兆円)
・化学兵器に汚染された地域の環境浄化 500億ドル(約6兆円)
・通常兵器、小型兵器の廃棄 120億ドル(約13兆円)
(米モントレー国際研究所資料)
アメリカの軍事費のおよそ半分で全ての兵器を廃棄できる。
●世界のすべての埋まっている地雷の撤去 330億ドル(約4兆円)
現在世界中にある地雷は1億1000万個。地雷1つを除去するために300ドル(3万3千円)以上
かかる。世界中の全ての地雷を除去するためには、最低330億ドルあれば、可能。アフガニス タンの国内の地雷は1000万個、30億ドル(約3300万円)で除去できる。
●すべての地雷被害者に義足などを贈る 約3億ドル
地雷による被害者は25万人(死者を含めると50万人)。さらに毎年2万5千人の犠
牲者が出ている。2億5千万ドルでこの人たちに義足を贈ることができる。
●アフガニスタンの復興 250億ドル(約3兆円) (UNEPなど)
アフガニスタンの難民は、国内外合わせて、750万人。この人々も含め、全ての
アフガニスタンの人々が安心して生活できるようになるためには、250億ドルが
必要といわれている。
日本の軍事費の約半分、アメリカの10分の1でこのことは可能になる。
●世界の飢餓に苦しむ人(約8億人)の1年分の食糧援助 980億ドル(約11兆円)
(国連世界食糧計画)
●世界中の約2000万人の難民支援用テントや毛布を援助 1億ドル(約110億円)
(国連ユニセフ他)
●世界中の人々に基礎的な教育を受けさせることができる。 60億ドル(約7千億円)
(ワールドウォッチ研究所)
●世界中の子供達をビタミン不足による失明から救う 2千万ドル(約22億円)
(国連WHO)
●世界中の人々に安全な飲み水と下水設備を提供できる 90億ドル(約1兆円)
(ワールドウォッチ研究所)
●世界中の女性の出産に関わる保健衛生費として 120億ドル(約1兆3千万円)
(ワールドウォッチ研究所)
●世界中の砂漠化の防止 87億ドル(約1兆円)
(国連砂漠化防止条約)
これだけでも100兆円に満たないぐらいですね。
後30兆円、どんな事に使えるだろうか。
世界の軍事費は、ここ10年間に30%以上の伸びで、アメリカは全体の48%を占める。
世界人口1人当たり2万円だそうだ。
想像してみよう。
世界がいがみ合い、争いのためにこれだけの富が使われている。
もしこれが、戦争やテロの背景にある世界の貧困問題を解決するために使われれば、どんなにか世界は平和で暮しやすくなることだろう。
「国連ミレニアムプロジェクト」の報告書によると、更に480億ドル(5兆円)が貧困対策に必要だという事です。
これは、考えてみると世界の軍事費のわずかに4%に満たない。
飢えや病気に苦しむ人々の、食料や医療に使われたら・・・。
子ども達の教育に使われたら・・・。
日本は、世界最初の被爆国であり、他の大国のように武器輸出もしていないし、戦後60年間、憲法9条のおかげで、戦争で人を殺さなかったという実績をもつ国です。
大国の中では、軍縮について発言・行動するに当たって、ある種の信頼があると思う。
軍事力でテロを押さえこもうとするアメリカの戦略は、既に破綻し泥沼だ。
アメリカの力の政策にいつまでもくっついて行くのではなく、自主的な平和外交に切り替え、世界に先駆けて、「軍事費を削り、貧困問題の解決を」という取り組みを進めるべきだと思う。
(日本国憲法 前文より)日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
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2008.02.14 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・軍事費削れ
