NO.316 知的障害者と刑事事件。
寒いですね。今年最後の寒波かな?毎年このころには、ドカッと雪が降ったりしますが。大学入試のときを思い出します。
さて、今日も他人のふんどしで済みませんが・・・。
NJP news for the peopl in japanというサイトがあります。
そこに杉浦 ひとみの瞳というブログが紹介されています。女性弁護士です。知的障害者の犯罪に関わっての記事です。ほんとにそうだなって、勇気つけられます。先日、知的障害者と冤罪について(過去ログNO.313)書いたばかりなので、関連して紹介します。
以上、コピーです。知的障がいある方が犯罪を犯したとき ~ 事件は事件のみにあらず
「息子が警察に逮捕された」電話相談が来ました。
親御さんの心配は、通常親が考える『刑務所へ行くのか、執行猶予になるのか』ということ以前の息子の警察での生活です。
手錠をかけられ怯えきって震えていないだろうか。
「お前がやっただろ」と言われ、警官の目をのぞき込むようにしながら「はい」と答えていないだろうか。
自分がいじめられないですむ術を子どものころから覚えてしまった息子があわれにも警察の言うなりになっていないか。
他の留置者にいじめられていないか。
障害のある人の事件相談は、法的な処理だけでは解決しません。
刑事事件の加害者になったときには、まずは本人の不安をとりのぞくことが必要で、そのためには頻繁に足を運ぶことが必要になります。会っているときは少しほっとしても、その後、理屈で安心感を持ち続けるのはむずかしい場合が多いからです。
次に警察に障害のある人のことを理解させることです。
最近は理解のある警察官も多く「ここにいるより早く帰ったほうがいい」と早期に釈放されるケースもあります。「訳がわからないから捕まえておこう」というやり方は少なくなっています。
しかし親から直ちに彼の特性を聞き出して、警察に伝えることは必要です。
また、これを機会に障害のある人のことを被害者にも理解してもらうことを心がけます。転んでもただ起きない、という発想です。
ある痴漢事件の被害者が女子中学生でした。
学校は保護者に「不審者出没」の連絡網を回します。
そこで、事件終了後その中学校に面談を申し入れました。「彼は危険性のない素直な青年です。純粋に女生徒に近づきたかっただけです。そして、女性とつきあう機会に恵まれないのです」と伝えました。学校は事情を知り少し安堵してくれたようでした。
また、被害者の親御さんにも彼のことを伝えました。「障害のある人とは知らなかった。その人の親御さんは大変なんだろう。」と逆に親の立場で理解して下さいました。被害が重大でなければ、理解してくれる被害者もわりと多いです。みな人の親だからでしょう。
こうして社会の不安と障害ある人への偏見を払拭し、むしろ理解してもらう機会に転化することです。
そして、最後に彼の問題です。
作業所などを探し、彼の居場所を見つけ、支援者を確保することは大切です。親御さんの支えの場ともなります。それでも、同じ彼に何度か警察に呼ばれることもあります。異性に関心のある彼の自然な思いをどうしたらいいか。まだ対処の糸口が見つけられないでいます。
知的障害者と言えども犯罪は犯罪ですが、こうした配慮ある取り組みを重ねることで、理解を得たり、犯罪から守る事ができていくのでないでしょうか?中には罪を認識できずに、迷惑な行為をくりかえす人もいます。その時々の対処が大事だと、身にしみて思います。
「 転んでもただ起きない、という発想です。」そう、色々な問題行動にも前向きに取り組みたいものです。
ところで、大阪弁護会の方たちが「知的障害者刑事弁護マニュアル」と言うものを作ったそうです。2年がかりで7人の弁護士が20回以上の会議を経て。2006年4月に完成させたそうですが。
「最近、知的障害がある人が被疑者・被告人になる事件が目立ってきています。それは知的な障害を持つ人の犯罪が増加したと言う事ではなく、今まで障害に対する合理的配慮がされず、あるいは障害があることさえ気づかれずに刑事手続きの中に埋没していたものが、表面化して来たに過ぎないと考えられます。
我々弁護士としては、多数の知的障害者が、障害特性に配慮した弁護を受ける事ができないまま、実質的には重刑を受け、刑務所に収容されている実態を看過することはできません。」と述べています。
色々な分野からの取り組みが、進んでいるようです。頑張らねば。
そうね、皆がいろいろなところで少しづつ頑張ってるって事!
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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済
2008.03.05 | | Comments(1) | Trackback(0) | ・障害者と「犯罪」
