NO.422 21世紀初の人権条約・・・障害者の権利条約が発効。
「これは、すべての人のための完全にインクルーシブな社会の創造に向けて、すべての人の普遍的な人権の実現を追求している私たちにとって、歴史的瞬間です。」
国連のパン・ギムン事務総長は、言った。
国連総会で採択されてからわずか1年半で発効にこぎつけた異例の速さに驚きながら・・・
ヒメウツギ
白い小さな花は初夏を告げる。
ルイーズ・アルブール国連人権高等弁務官はつぎのように語る。
「この画期的な条約の重要性は、いくら強調してもしすぎるということはありません。この条約は、世界中の何百万もの人々に影響を与える、国際人権法の重大な欠陥を補うものです。」
「世界中の障害者が、差別的な扱いと悪質な人権侵害に日々直面してきました。・・・ついに今、障害者がこれまで世間から課せられてきた制約を取り払うことを可能にする確固たる国際法の枠組みを、私たちは手に入れたのです。」
障害者権利条約は21世紀では初の人権条約であり、2006年12月13日に第61回国連総会において採択された。そして先月3日に発効要件の20カ国が批准し、去る5月3日に発効した。
5月3日、憲法君とも縁が深い日となった。
同年齢の市民と同等の権利が保障されるとうたった「障害者の権利宣言」から30年余。
6億50000万人ともいわれる、世界の障害を持つ人たちの願いが、「世界中の約束」として結ばれた、記念すべき日を迎えた。
この条約は、各国政府に加え、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」と、障害を持つ人たちとその権利擁護の取り組みを進めてきたNGOなどの手によって起草されたと言う特徴も持っている。
権利条約は、社会全体として障害のある人々にたいする差別をなくし、真の平等をめざすことを謳っている。
また、これまでに人権に関する国際条約がさだめた基本的権利を、障害のある人々が享受するために、政府がとるべき措置を広い範囲にわたって規定している。
権利条約を批准した国は、条約に違反する国内の法律を改めなければならない。
日本政府の署名は、昨年年9月28日。
日本では、国際条約は憲法に次ぐ優位な力をもっている。
日本が批准すれば、国内の障害者に関する法律はこの権利条約に違反してはならないのである。
そして、世界的にも優れた30条にも及ぶ人権規定をもつ憲法君とタッグを組んだら、それこそ障害を持つ人たちの明るい未来を照らすことになるだろう。
条約の批准に向け、障害者差別禁止法の制定や、障害者自立支援法をはじめとする関係法を見直すことを政府にたいして強く求めてい行くことが必要だ。
条約は前文と本文50条、付属文書より構成されている。
各国に、障害者の権利保全に向けて立法措置をとることを義務付け、教育・就職・結婚など社会生活のあらゆる分野で差別をなくするよう求めている。
以下に参考サイトを紹介する。
ボチボチ勉強して、力にせないかんばい!
あ、いえ、自分に言い聞かせているところ。
障害保健福祉研究情報システム
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)
ホットなところでは国連ニュースから、パン・ギムン事務総長やルイーズ・アルブール国連人権高等弁務官の歓迎の言葉などを翻訳し紹介。
障害者権利条約を考える
全国障害者問題研究会のサイト
条約採択までの経過や資料豊富。
障害者権利条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
障害のある人の権利に関する条約 仮訳
日本障害者フォーラム 川島聡・長瀬修 仮訳 (2008年4月19日付)
”続きを読む”に、仮訳より、「前文」と第1条「目的」をコピーしておく。
栗、現在批准国は24カ国たい。聞きよったろうが?調べたよ。
ちなみに署名は100カ国を超えているそうだ。
現在の批准国(国連サイト) 2008.4.15 現在
バングラデシュ、クロアチア、キューバ、エクアドル、エジプト、エルサルバドル ガボン、ギニア、ホンジュラス、ハンガリー、インド、ジャマイカ
ヨルダン、マリ、メキシコ、ナミビア、ニカラグア、パナマ、ペルー、フィリピン、サンマリノ、南アフリカ、スペイン、チュニジア

鉢植え6年目。
植え替えて3年目だから、そろそろ根詰まりがして
今年は花が少ない。
おつきあいありがとうさんです。

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障害のある人の権利に関する条約
前文
この条約の締約国は、
(a) 世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものとして、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び価値並びに平等のかつ奪い得ない権利を認める国際連合憲章において宣明された原則を想起し、
(b) 国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての者はいかなる区別もなしに同宣言及び同規約に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明し及び合意したことを認め、
(c) すべての人権及び基本的自由の普遍性、不可分性、相互依存性及び相互関連性、並びに障害のある人に対してすべての人権及び基本的自由の差別のない完全な享有を保障する必要性を再確認し、
(d) 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約、子どもの権利に関する条約並びにすべての移住労働者及びその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約を想起し、
(e) 障害〔ディスアビリティ〕が形成途上にある〔徐々に発展している〕概念であること、また、障害が機能障害〔インペアメント〕のある人と態度上及び環境上の障壁との相互作用であって、機能障害のある人が他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものから生ずることを認め、
(f) 障害者に関する世界行動計画及び障害のある人の機会均等化に関する基準規則に規定する原則及び政策指針が、障害のある人の機会を一層均等化するための国内的、地域的及び国際的な政策、立案、計画及び行動の促進、形成及び評価に影響を及ぼすに当たり重要であることを認め、
(g) 持続可能な開発の関連戦略の不可分の一部として障害問題の主流化が重要であることを強調し、
(h) また、いかなる者に対しても障害に基づく差別は人間の固有の尊厳を侵害するものであることを認め、
(i) 更に、障害のある人の多様性を認め、
(j) 障害のあるすべての人(一層多くの支援を必要とする障害のある人を含む。)の人権を促進し及び保護する必要性を認め、
(k) これらの種々の文書及び約束にもかかわらず、障害のある人が、世界のすべての地域において、社会の平等な構成員としての参加を妨げる障壁及び人権侵害に依然として直面していることを憂慮し、
(l) あらゆる国特に開発途上国における障害のある人の生活状況を改善するために国際協力が重要であることを認め、
(m) 地域社会の全般的な福利及び多様性への障害のある人の貴重な既存の及び潜在的な貢献を認め、また、障害のある人による人権及び基本的自由の完全な享有並びに完全な参加を促進することにより、障害のある人の帰属意識が高められること並びに社会の人間的、社会的及び経済的開発並びに貧困の根絶に大きな前進がもたらされることを認め、
(n) 障害のある人にとって、その個人の自律及び自立(自ら選択する自由を含む。)が重要であることを認め、
(o) 障害のある人が、政策及び計画(障害のある人に直接関連のある政策及び計画を含む。)に係る意思決定過程に積極的に関与する機会を有すべきであることを考慮し、
(p) 人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的、先住的若しくは社会的出身、財産、出生、年齢又は他の地位に基づく複合的又は加重的な形態の差別を受けている障害のある人の置かれた困難な状況を憂慮し、
(q) 障害のある女性及び少女が、家庭の内外で暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取を受ける一層大きな危険にしばしばさらされていることを認め、
(r) 障害のある子どもが、他の子どもとの平等を基礎として、すべての人権及び基本的自由を完全に享有すべきであることを認め、また、このため、子どもの権利に関する条約の締約国が負う義務を想起し、
(s) 障害のある人による人権及び基本的自由の完全な享有を促進するためのあらゆる努力にジェンダーの視点を組み込む必要があることを強調し、
(t) 障害のある人の大多数が貧困の状況下で生活している事実を強調し、また、これに関しては、障害のある人に及ぼす貧困の悪影響に取り組むことが決定的に重要であることを認め、
(u) 国際連合憲章に規定する目的及び原則の完全な尊重並びに適用のある人権文書の遵守に基づく平和及び安全の状況が、障害のある人、特に武力紛争下及び外国の占領下の障害のある人の完全な保護に不可欠であることに留意し、
(v) 障害のある人がすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするに当たり、物理的、社会的及び経済的環境、保健〔健康〕及び教育並びに情報通信についてのアクセシビリティが重要であることを認め、
(w) 個人が、他人に対し及びその属する地域社会に対して義務を負うこと、並びに国際人権章典において認められる権利の促進及び尊重のために努力する責任を有することを認識し、
(x) 家族が、社会の自然かつ基礎的な単位であり、かつ、社会及び国による保護を受ける権利を有することを確信し、また、障害のある人及びその家族の構成員が、障害のある人の権利の完全かつ平等な享有に家族が貢献することを可能とするために必要な保護及び援助を受けるべきであることを確信し、
(y) 障害のある人の権利及び尊厳を促進し及び保護するための包括的かつ総合的な国際条約が、開発途上国及び先進国の双方において、障害のある人の社会的に著しく不利な立場を是正することに重要な貢献を行うこと、並びに市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的分野への障害のある人の平等な機会を伴う参加を促進することを確信して、
次のとおり協定した。
第1条 目的
この条約は、障害のあるすべての人によるすべての人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し及び確保すること、並びに障害のある人の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする。
障害〔ディスアビリティ〕のある人には、長期の身体的、精神的、知的又は感覚的な機能障害〔インペアメント〕のある人を含む。これらの機能障害は、種々の障壁と相互に作用することにより、機能障害のある人が他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げることがある。
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2008.05.07 | | Comments(3) | Trackback(3) | ・障害者権利条約
