NO.463 ハローワーク・・・仕事が見つかるといいんだが。
関東や東海も入梅とか。
福岡地方も一日雨です。
昨日の帰り、うちの近くで蛍が飛び始めていましたよ。
数は少ないですが。あ、あっち、あ、こっちにも・・・というぐらい。
今日は午後から職安に(今はハローワーク!)行ってきました。
結構繁盛してますね。
働き盛りのような年代の人たちで・・・。ちょっと、私には異様な光景でした。
ニワナナカマド
白い小さな花が集まっています。
求職のために来たのは初めて。
パソコンがずらり。
みんな真剣に調べています。
少年も受付を済ませパソコンの前に座り、調べはじめた。
ワンタッチで画面が変わる。
へ~~と思いながら、私は後ろから覗いていた。
少年は高校を1年で中退し、数ヶ月派遣で働いたあとはブラブラしてきた。
その後は、父親に「ぶらぶらしないで働け」と言われ、バイトも何回かしてはみたが、長続きしなかった。
バイトをしていると嘘をついていたために、遂に給料日(嘘の)を証明するために、父親のキャッシュカードをこっそり持ち出し、口座から18万円を引き出し、6万円を家計に入れることにした。
すぐにばれるような嘘を次にどう塗り固めるか。
今度は、妹たちに罪を擦り付けて一時しのぎをしようとしたようだ。
「あんたあたちがやったことにして怒られてくれ、そしたら1万円やる」と。
悩んでどうしようもなくなった妹たちの話を聞いて、状況がわかった。
早速家に行き、皆そろってもらい話を聞いた。
親子5人、父子家庭。
父親は真面目で、一生懸命日雇いに行って、生活費を稼いでくる。ところが子どもたちのことをよく知らないし、育てるすべを知らない。だから、自分でやれとはほっとけない。
「もう、なんばしよっとかあ。あの金は下の弟の高校の為にとってたんじゃ。お前は真面目に働いてると思っとったとに。もう出て行ってくれ!」落胆して、こう叱るのが精一杯。
わずかな蓄えが一瞬のうちに、ボートと何がしかのために消えてしまったのだ。
少年ははこらえながら、「ごめんなさい。もう一度・・・」
「もうよか!出て行ってくれ!」・・・
少年は涙をこらえ、それが落ちてこないように天井を見上げていた。
それまで、「正直に話そう」とだけ行って聞いていた私が、口を挟むことになった。
「そうや。正直に話さないかん。もう二度とお金を取ったり嘘ついたらいかんぞ。そして、困ったときは正直
に相談せなね。これからなんでも相談に乗るから・・・」
事実ははっきりしたので、今からどうするか。
落胆して、呆然とする父親には、「お父さん、やってしまってなくなったものは、もう仕方がないから、これからどうするか考えましょう。弟さんのお金は、要るときが来たら相談してください。何とかなるから」
「それから、通帳とカードの管理はしっかりして。暗証番号は変えるように・・・」この間もお願いしていたのだが・・・。
「○くん、この前家出したときはどうしとったん?友達の所って言ってたけど、そんな友達おらんやろ?」
つい1月ほど前に、数週間ほど家出をしていた。
「そこらへん・・・」と言うと、涙がこぼれた。
「そうか、寂しかったな。もう泣かんでよか。これから相談に乗っちゃるけん」と。私が言うとぼろぼろ泣き出した。まだ寒かったろうに、夜は近所の公園やどこかで過ごし、昼間家に入り少し休んだという。
その後2箇所ほどバイトもしたがすぐに止めてしまったと言う。
「真面目にがんばろうと思ったけど・・・」
・・・軟弱だ、頑張らんか!と言うのは簡単だが、本人はまだ一人で頑張る力がついていない。不安の中で、誰も頼ったり相談する人もいなかったのだ。それでも、父親には「ちゃんと働いている」と言いたかったんだろう。
そういう経過の中、今日一緒にハローワークに来たのだった。
一応紹介をもらい、明日面接にこぎつけた。
「明日は、一人で行って頑張ってみて。私が付き添いでは、先ず駄目だから・・・」
「ありがとうございました。がんばります」
遅刻しないように、あらかじめ面接先に会社の前まで行って場所も確認した。想定問答も練習した。
「でも、思ったように正直に元気にやれ」
職安では、年少者には丁寧に指導があったが、そんな上手は出来ないだろう。そのままでいい・・・。今よりちょっと元気に、ちょっと明るく頑張れば・・・。
採用面接は、明日3時半。
「もし駄目でも又一緒に頑張ればいいから、必ず電話を」と、ケイタイの番号を確認しあった。
私は多分採用は無理だろうと思う。
18歳と言っても、まだ幼い。まだ一人では泳げない。普通の18歳には育ってないし、育ててもらっていない。
いまどきの雇用問題以前の問題だろう。
ついて行って、事情も話し、それでも見守って育ててくれる先じゃなければ、無理だろう。
そんなところがあるか今のご時勢に・・・、そう思いながらも、腹をくくって探し回り、頼みまわるしかないだろう。
アパートまで送り、車から降ろす時、
「上手くいかんでも、逃げるなよ。今度は一人じゃないから。私が応援するからな。又挑戦すればいい。まだ若いんだから・・・困ったことがあったらなんでも相談しいよ。」と握手の手を出すと、「はい、ありがとうございます。今までは一人で、誰にも相談できないで・・・。今日はありがとうございました」と、両手で私の手を握ってくれた。
素直ないい奴なんだ、ほんとは。・・・と思う。思うしかないのだ。
まだ力がないし、見守って支えてやれば必ず育つに決まってる、いつか自分で泳げるように・・・そう思い、信じるしかないなと思った。
それまでは・・・、ほっとけん。・・・乗りかかった船だ。
ランキングー!

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2008.06.02 | | Comments(10) | Trackback(0) | ・雇用と労働問題Ⅰ
