NO477. 秋葉原通り魔?無差別連続殺傷事件の背景は?
この事件については多くのブログでも書かれているようだ。
犠牲者やご家族の気持ちを思うとやりきれないものがある。
「ご冥福」などあろうものだろうか。この犯罪を心から憎むものである。
2チャンネルで犯行予告らしきものもあったらしい。書き込みは千件を超えている。
信憑性もかなり高いようだが・・・。
テレビのワイドショーもこの事件で持ちっきりだ。
塀からカタバミが・・・。
事件の流れをセンセーショナルに扱ったり、犯人の性格や行動、生い立ちや家族のことまで色々と詮索している。元同級生が「切れやすいタイプだった」とか「両親が不仲で別居中だ」とか・・・。
総じて、個人の異常な行動という見方が主であるように見受ける。犯罪と犯行を、そして犯人を憎むことは自然な感情であり、尤もなことだ。
しかし、「自分の挫折を人のせいや社会のせいにした、幼稚で身勝手な犯行」と断じ、犯人個人を糾弾することだけで、何かの解決につながるだろうか?
最近この種の犯罪が増えている。
個人の資質に、その原因の本質を見ることではもはや、足りないのではと思う。
共感できる記事を書いている人がいるので紹介する。
「ふじふじのフィルター」さんの「秋葉原通り魔事件で思うこと。」
以上部分引用。産経の記事によると、その生活は、平日は遅くまで働いていたようだし、休日には車があったが疲れ果てて寝ているだけだったのか、同じ階に住む男性は顔も見たことがないとのこと。余裕のない生活を送っていたのではないかと思われます。
派遣で働いていたということで、人としての尊厳のない働き方をさせられていたのではないかと思ったりするわけですが。
通り魔事件もだんだんと凶暴になってきましたね。バラバラ殺人事件や女子高校生が殺されたりする事件が多くて、事件の見分けがつかなくなるほどです。
人をモノとして使い捨てる社会が、希望のない、生きている楽しみや喜びのない社会にし、人の精神を壊し、特に若者を自暴自棄にし、犯罪へ走らせているのじゃないでしょうか。この通り魔事件を聞いて、犯人をにくむ気にもなれず、とても悲しい気持ちになりました。
人を人らしく扱う社会にしなければ、生きている感動にあふれた社会にしなければ、こうした自暴自棄の事件は、これからますます起きてきますね。人って、余裕がなくなったり、栄養が足りなったり、睡眠が足りなかったりすると、腹が立ったり、イライラするじゃないですか?人ってそういうものだと思います。そういう人の精神や体の健康が保てない社会では、自暴自棄の犯罪が増えるというのは当たり前のことだと思います。
TBいただいた「カナダde日本語」さんは、「秋葉原通り魔は、自公政権がもたらした格差社会が生んだ犯罪」としながら、日本の最低賃金の安さを告発し、資料も紹介している。
以上部分引用。加藤容疑者のように将来に安定を見出せずに、不安な毎日を送りながら働いている若者は多いことだろう。この事件は他人事ではなく、明日は我が身なのだ。誰もがこういった犯行を犯す可能性を秘めており、社会状況が悪化すると共に、こういった事件はますます増加していくであろう。
加藤容疑者が死刑になっても、社会状況が変わらなければ、同じようなことが繰り返されるだけだ。それでは何も解決しない。今回の事件は自公政権がここまで国民の生活に格差を広げなければ起こりえなかった事件だと思う。
それでは格差社会をなくすために、私達は何を求めたらいいのだろうか。まずは、正規社員と非正規社員の差を縮めることが大切だと思う。具体的には、他の先進国と比べて低い日本の最低賃金を上げたり、非正規社員(パートタイマーも含む)が受け取る社会保障や年金手当てを改善させることなどだ。
さらに、関連して、
足跡つつけてくれた「キーカーカー」さんの「フリーター漂流 と 秋葉原事件」
こちらは、「秋葉原で暴れた人の原因の根っこのようなモノが見えたような気がした。」としながら、「フリーター漂流~モノつくりの現場で」という動画を紹介している。
それは、派遣よりもひどい「請負会社」でのフリーターの働き方と人間模様を描いている。
「必要な時に、必要な人材を」・・・トヨタのカンバン方式の労働者版。もはや人間は生産ラインの部品扱いなのである。
一兆円産業といわれる1万社の請負会社が、日本中の製造業現場に100万人のフリーターを「供給」しているという。ある社長は、「メーカー代わりに、配転や人員整理など生産ラインの安全弁の役割を果たす。一人でも必要な”弾”を送り込みたい」と語る。
こうしてメーカーは、労働コストダウンにより利益を上げるのである。
労働者派遣法が改悪された1999年には、すべての規制が緩和され製造業にも解禁された。労働者は安い部品のように「必要な時、必要な数だけ」供給され、必要でなくなったら、切られ飛ばされる。
明日も見えないその日暮し。
ある結婚している青年は、病気で休み19日間働き、残業は8時間。給料明細は147.951円。保険料、寮費等引かれた手取りは67.000円。やっていけないと辞めたその1月後に、今度は奥さんと一緒に、直接工場とアルバイト契約で働きに来ていた。彼の場合は「出来る」のでそういう道も例外的にはあるのだろう・・・。残業で稼いで、将来の出産や子育てのために貯金するという。
物や部品のように扱われ、人間的な労働の喜びや達成感からも阻害され、明日をも見えない青年たちの日々に対し、「お前の努力が足りないからだ」「辛抱が足りないからだ」「自己責任だ」で済まされる問題だろうか。
そして犯罪に対しても「切れやすい奴だ!」「育ちが悪い!」「死刑にせよ!」と、総がかりで叩くことでk解決と再発防止の方法は見えてくるのだろうか。
もはや、「ルールなき資本主義」は、アコギなまでの労働力搾取を超えて、労働者・青年の部品化=人格破壊の域に達しているのである。
人間らしく働き、青年が希望が持てる社会を。
人間らしく働くルールの確立を。
ワイドショーが憂さ晴らしの正義感を披露するような問題ではなく、政治がその責任で解決に当たるべき課題である。
(紹介した記事は、是非直接訪問してお読みください。)

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テーマ:秋葉原無差別殺傷事件 - ジャンル:ニュース
2008.06.09 | | Comments(10) | Trackback(5) | ・社会評論Ⅰ
