NO.503 障害のある人への差別と「合理的な配慮」。
今日は、本業に直接関わる話を。
さる5月3日、「障害者権利条約」が発効した。
過去ログNO.422 21世紀初の人権条約・・・障害者の権利条約が発効。
日本政府は、国内法は抵触しないとして批准する構えだが、現場から見れば?!?!である。
先日の法人内研修で、生まれて以来53年間殆どの制度施策から排除されてきて、作業所にたどり着いた仲間のケースが報告されていた。
報告者は「社会的刺激の不当な貧困・言語の貧困・集団への拒否・極端な老化・不健康・・・家庭破綻」などの指標に基づき、彼がいかに「全人的破壊」状態にあるかを述べた。
療育手帳も年金手帳も取得しているのに、その申請時に担当窓口は何らかの措置を取ろうとしたのだろうか。日本の福祉は「申請主義」にもとづいている。本人から何らかの相談や要求がない限り、窓口は手帳を発行して、「はい、終わり」。
この申請主義が消極的権利侵害を犯し、差別をもたらしていると言う。
権利条約は、第2条で次のように「障害に基づく差別」と「合理的配慮」を定義づけている。
「障害に基づく差別」とは、障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを含むあらゆる形態の差別を含む。
「合理的配慮」とは、障害のある人が他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適切な変更及び調整であって、特定の場合に必要とされるものであり、かつ、不釣合いな又は過重な負担を課さないものをいう。
そうした上で、締約国に次のことを求めている。
第5条 平等及び非差別〔無差別〕
1 締約国は、すべての者が、法律の前及び下において平等であり、いかなる差別もなしに法律による平等な保護及び利益を受ける権利を有することを認める。
2 締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、障害のある人に対していかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な法的保護を保障する。
3 締約国は、平等を促進し及び差別を撤廃するため、合理的配慮が行われることを確保するためのすべての適切な措置をとる。
4 障害のある人の事実上の平等を促進し又は達成するために必要な特定の措置は、この条約に定める差別と解してはならない。
政府の、国内法は条約に抵触しないという安易な見方は、かなりの問題を含む。
こういう甘い政府の認識は、「合理的配慮を行う」ということを、実質的には「努力義務」に摩り替えてしまう危険性が高い。
報告者は、『障害のある人もない人も共に暮しやすい千葉県づくり条例』(2007.12.21制定)を紹介された。
第2条(定義)
① この条例において「障害」とは、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条に規定する身体障害、知的障害若しくは精神障害、発達障害者支援法(平成16年法律第167号)第2条第1項に規定する発達障害又は高次脳機能障害があることにより、継続的に日常生活又は社会生活において相当な制限を受ける状態をいう。
② この条例において「差別」とは、次の各号に掲げる行為(以下「不利益取扱い」という。)をすること及び障害のある人が障害のない人と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むために必要な合理的な配慮に基づく措置(以下「合理的な配慮に基づく措置」という。)を行わないことをいう。
千葉県条例は、明確に「合理的な配慮に基づく措置」とした上で、25項目の差別禁止事項を具体的に述べている。
さらに第26条では、障害者が差別されたとして訴訟を起こした場合、「訴訟援助」もするという画期的な内容も含んでいる。
国もこのレベルまでは行かないと、条約に抵触しないとはいえないだろう。
・・・・あ~~~。法律って何でこんなにめんどくさい言い方すると?
要するに、
障害のある人たちが、普通に努力して頑張っても、同じ年頃の人たち
と同じように生きていけないとしたら、それは国が知らん振りしてほったらかしにしているということや。
その知らんふりも、差別してるって事になるとぞ。
やろ?
国はのんきに、横着こいて、「大丈夫」なんて言ってられないとぞ!
いずれにしても批准は障害のある人々にとって大きな力になるであろうし、具体的な検証を通じて国内法の見直しを迫っていかなければならない。
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2008.06.25 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・障害者権利条約
