NO.511 【諫早湾干拓問題】開門調査の実施を求める賛同署名(オンライン署名)のお願い。
先日の諫早湾干拓事業に関する佐賀地裁判決は、画期的なものとして歓迎されている。
友人からオンライン署名の依頼が届いた。
大学時代、寮で起居を共にした珍友は、卒業以来貧乏暮らしをしながら(嫁さんに食わせてもらい?誰かに似てるわ、笑)、ドブさらいを自称し微生物学や生態学を生かし諫早湾の環境調査に参加してきた。
そんな友人からの依頼である。いや友人であろうとなかろうと、環境を守るためにも、国の無駄な公共事業にストップをかけるためにも・・・。
ぜひともご協力いただきたく、よろしくお願します。
署名の趣旨は以下。
サミットを前にして、にわかに環境問題への関心も高まってはいるが、政府は一般的な議論に陥らず現実的な問題の解決に当たる事が求められている。6月27日、佐賀地裁は、諫早湾干拓事業によって諫早湾周辺の漁業に被害が発生したという漁業者の訴えを認め、潮受堤防の排水門を開放する「開門調査」の実施を求める判決を下しました。
今回の判決は、大規模な公共事業による環境への影響に関して、事業実施以前の状態に近い環境を復元して調査を行い、事業のあり方を再検討すべきだと指摘したもので、日本の環境問題の歴史の中でも画期的なものです。
農水省は判決を不服として控訴する方針だと報じられていますが、私たちは、農水大臣に対し、控訴を断念し、ただちに開門調査の実施に向けた検討に着手することを求めます。
オンライン署名は、このサイトです。
http://www.shomei.tv/project-69.html#detail「オンライン署名サイト 署名活動で政治を、企業を、社会を、暮らしを変えよう!」というものです。
署名は実名のみ有効ですが、表示はネット上では匿名にする事ができます。
どうぞ、お気軽に署名をお願します。
署名プロジェクトの詳細
今回の判決で、佐賀地裁の神山隆一裁判長は、次のように述べられています。
『本件事業のように大規模な公共事業を実施した被告としては,これにより有明海の漁業に被害を及ぼしている可能性がある以上,有明海の漁民らに対し,率先してその当否を解明し,その結果に基づいて適切な施策を講じる義務を一般的に負担しているというべきであって,そのためにはもはや中長期の開門調査は不可欠である。
・・・以下、続きを読むを参照ください。
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署名プロジェクトの詳細
今回の判決で、佐賀地裁の神山隆一裁判長は、次のように述べられています。
『本件事業のように大規模な公共事業を実施した被告としては,これにより有明海の漁業に被害を及ぼしている可能性がある以上,有明海の漁民らに対し,率先してその当否を解明し,その結果に基づいて適切な施策を講じる義務を一般的に負担しているというべきであって,そのためにはもはや中長期の開門調査は不可欠である。
有明海のような広大な海洋の環境変化の原因を,本件訴訟の原告らのような一私人が解明することは極めて困難なのであって,被告としては,本件事業と有明海の環境変化との因果関係について,自ら一般的には立証責任を負担していないからといって,それを根拠に,これを放置することは到底許されるものではない。当裁判所としては,本判決を契機に,すみやかに中長期の開門調査が実施されて,その結果に基づき適切な施策が講じられることを願ってやまない。』
一方、事業を推進してきた農水省は控訴する方針だとされていますが、私たちは、農水省に対して、控訴は断念し、干拓地での農業と有明海の漁業の両立をめざすためにも、「開門調査」を早期に実施することを求めています。
ぜひ多くのみなさんに、この要請に賛同して頂き、私たちと一緒に、農林水産大臣に歴史的な英断を求めることを呼びかけます。
<諫早湾干拓事業の問題点と開門調査の重要性などは下記をご覧下さい。また、http://www.isahaya-higata.net/にも関連の情報を掲載していますので、ぜひご覧下さい。>
【諫早湾干拓事業の目的と経緯】
概 要:諫早湾の干潟・浅海域、3,550haを潮受堤防で閉めきり、農地・関連施設と調整池を造成する。
目 的:「平坦で排水設備等の整った優良農地を造成する」ことと「諌早大水害並の洪水と伊勢湾台風並の高潮の同時襲来を想定した防災機能の強化」が目的。(だがその効果は疑わしい)
面 積:農地造成 816ha、調整池面積 2,600ha
事業費:総額 2,533億円(当初計画1,350億円)
【諫早湾干拓事業の影響と「有明海異変」】
諫早湾干拓事業による諫早湾の閉め切りは、有明海の潮流・潮汐を弱め、赤潮の頻発や大規模化、海底の貧酸素化の原因となり、「有明海異変」と呼ばれる深刻な漁業被害をもたらしました。
この状況は、2000年12月からの大規模なノリ不作によって、社会的にも大きな注目を集めました。最近では、新聞やテレビ等で、ノリが「豊作」だと紹介されることが多く、「有明海異変」が解消したかのように思われているようですが、これはまったくの誤解です。
ノリ漁業者は、必死の努力と、漁期の延長などでなんとか生産を維持している状況で、いまでも若い漁業者が廃業したり、あるいは働き盛りの漁業者が自殺するような事件が起こっています。本当に「豊作」ならば、この様な悲痛な事件が起こるでしょうか?
漁船漁業や採貝漁業は、ノリ養殖以上に深刻です。戦後の食糧難の時代には、必要なときに、必要なだけ、魚や貝が採れることから「有明銀行」とまで呼ばれた海で、いまでは漁船を出しても燃料代も回収出来ないほど、魚が捕れない、貝が育たないのです。
さらに、有明海漁業への影響は、造船等の関連産業にもおよび、もはや漁業を基礎とした地域社会そのものが、崩壊の危機にあると言っても過言ではありません。
【開門調査の実現可能性:農水省のできない理由と私たちの反論・提言】
開門調査は、もともと、2001年1月に当時の谷津農水大臣が提起したもので、谷津大臣が設置したノリ第三者委員会が、2001年12月に、短期、中期、長期にわたる開門調査を行い、諫早湾干拓事業の影響を見極めるべきだと提言しました。農水省は2002年4月にごく短期の開門調査を行いましたが、中・長期開門調査は、実施しないという姿勢を崩していません。
これに対し、漁業者や自然保護団体からはもちろん、佐賀県や熊本県などの沿岸自治体からも、中・長期にわたる開門調査の実施を求める声があげられています。
ここ数ヶ月、国会議員とともに農水省に繰り返しヒアリングを行い、農水省の主張する開門出来ない理由が、大まかに、次の4点であることがわかりました。1)環境や漁業への影響、2)背後地の排水への影響、3)排水門の構造上の問題、4)準備に時間がかかり、成果が期待出来ない。
しかし、これらは、技術的に解決が可能であり、中長期開門調査はぜひ実施すべきだ、というのが、ヒアリングに参加した研究者や国会議員の共通認識です。
私たちは、開門調査をした場合を想定して、干拓地の農業用水の代替水源についても、具体的な4つの案を提示しています。それは、1)本明川の河口部に小規模の河口堰をつくる、2)干拓地内にため池をつくる、3)諌早市内の下水処理水を再利用する(全国的にも下水処理水の農業利用は珍しくない)、4)本明川や有明川の河川余剰水を活用する、の4案です。
ところが、農水省は、代替水源の検討すること自体を拒否しており、私たちの提案に対する反論や批判すらしてきません。これは、行政として、怠慢と言われても仕方がないと思います。
諫早湾干拓事業の工事は終了しましたが、懸案となっている調整池の水質は、いっこうに改善せず、最近では、有毒なアオコも発生しています。調整池の水を農業用水に利用するという諫早湾干拓の根幹に、破綻が見え始めているのです。
この問題だらけの諫早湾干拓を、このまま惰性で進めても、誰の得にもならないことは明らかです。開門調査を契機に、代替水源の確保と、地域の防災機能の強化をはかりつつ、有明海の環境と漁業の再生をはかることこそが、より多くの人にメリットがあり、かつ実現可能な方策だと私たちは考えています。
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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済
2008.07.02 | | Comments(4) | Trackback(3) | ・環境問題
