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NO.61 SICKOを観て・・・「この道 進入禁止!」・・・そのⅠ

 「生きるべきか、死ぬべきか・・・アメリカではそれを決めるのは保険会社。そのうらには、治療費を払えないと言う理由で命を落とす多くの国民がいる。そしてムーアは語りかける、本当にこんな社会でいいのか?何か間違っていないか?今こそ立ち上がれ!と。」

 先日、マイケルムーアの「SICKO」を観てきた。
「病的な変態野郎」とでもいう意味だそうだが。

 同じドキュメンタリー映画といっても、スティーブン・オカザキの「ヒロシマナガサキ」とは又違う、自分の主張をドキュメンタリータッチでやる、と言う感じ。ここは映画論ではないので、中身に入る。

 仕事中に事故で2本の指を切断した大工に、医者が「薬指をくっつけるのにⅠ,2万ドル、中指は6万ドル、どうするか」と尋ね、健康保険を持たない彼は安いほうを選び、中指が無い。

夫が心臓発作を起こし、妻がガンを患った50代の夫婦。保険料が安く給付も低い保険に入っている彼らは、自己負担金が払えず、家を売り払い娘夫婦の地下室に引っ越さなければならなくなる。

腎臓移植で命が助かるかもしれない重病の夫を抱える妻。家族の腎臓がマッチしても、保険会社が金を下ろさなくて、待っているうちに夫が死亡。「なぜ」と、彼女は夫の写真を手に涙をとめることが出来ない。
(アメリカでは、腎臓移植をせず死ぬまで透析などで病院にくくりつけたほうが儲かるという話を聞いたこともある)

病院をたらいまわしにされた末に死んだ子ども。
支払いが出来なくなり、病院から路上に捨てられた女性・・・。
標準より痩せすぎていたり、太りすぎていたりで保険加入を拒否されたり、医者がガンと診断したのに「あなたの年齢でそのガンはありえない」と保険会社が決め付けたり・・・。そんな笑い話のような話まで、映像が映し出す。

ストーリーを追うときりがないが・・・。

アメリカ医療の最大の特徴は、公的な国民皆保険制度が無いこと。公的医療保険は、高齢者(長期入院と外来処方薬は給付外)や貧困者対象でこくみんの25%が加入。60%が、営利を目的にした民間医療保険に加入している。のこり15%は無保険者で4700万人にも上る。
そのため、病院にかかれずに死亡する人が年間1,8万人にも上るそうだ。
WHOのランキングでは、アメリカの健康保険充実度は37位らしい。

どうしてこんなことになったのか?
70年代のニクソン政権の時代にさかのぼり、その事情と経緯を振り返る。
利潤追求に走る民間保険会社、そこから高額の政治献金を受け取る政治家、そして、公的医療保険制度は官僚的で社会主義への一歩だとする宣伝。
90年代に政府が運営する国民皆保険制度を提唱したヒラリー・クリントンも、彼らにつぶされ結局は金をつかまされることになる。

保険会社が利益を追求するために、国家の医療政策を金で買収する、絵に描いたような金権政治。
こうして、保険会社の思惑が通る法律が出来ると、更に儲けようと、保険料を払わないための徹底した努力をする。何年も前の既往症を見つけたり・・・。

シッコは、ちゃんと保険に入っている人たちについての物語だ。

アメリカの医療保険の大半は、HMO(健康維持機構)という、民間保険会社が医師に給料を支払って管理するシステム。
つまり保険に入ったら、保険会社のネットワーク傘下の(雇われているようなもの)医者を自分のドクターに決めて、どんな病気や症状でもその医者に診てもらう、そして許可が下りたら、これまた保険会社お抱えの専門医に予約を取ることが許される仕組みらしい。

保険会社は、治療は不必要と診断した医者には、「無駄な支出を減らすた」と奨励金を出し、加入者には、笑い話のような理由まで探し、保険金を支払わない。

国家的規模で「医は算術なり」の体制を作り上げているのである。
アメリカ国民の命は、こうして保険会社に握られているのだ。

カメラは、つづいて、カナダ、イギリス、フランスに入る。同じ西側諸国だ。これらの国々では、国民はほとんど無料に近い医療を受け、医師は国民の健康のために仕事をする。
この違いは何なのか!?
つぎに、カメラは、敵国キューバの医療事情を映し出す・・・。

「アメリカの医療制度はビョーキ(sicko)だ!」と吠えるムーアは、
「医療に関しては利益を追求してはならない」「誰かを助ける際に、利益が関与してはならないんだ。」
健康保険は「非営利で、政府によって運営されるべきなんだ。国民の、国民による、国民のための医療制度を」と訴えている。

ムーアのドキュメンタリーは、単なる「記録」でも「告発」でもないという。
「現実を変えることだ」と。

そして、単に医療制度についてではなく、「もっと大きなメッセージを受け取って欲しい」と。
「我々はどんな人間なのか?なぜこういう行動をとるのか、どうしてこういう人間になってしまったのか。我々の魂はどこへ行ってしまったのか。いったい僕らはどうしたんだ?僕はそれを探り続けていくつもりだよ。」と。

長々と、紹介だけに終わったが、ぜひとも観て欲しい。
これは、対岸の火事ではない。
日本の医療「改革」への警鐘だ。
そして、アメリカの保険会社はつぎは、
日本国民の命と健康を狙っている。
ムーアの叫びに答え、現状を変えるために動き出さねば!

次の機会に、そこら辺について見てみる事にする。
長々とありがと。








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2007.09.16 | | Comments(1) | Trackback(0) | ・安心の医療を

コメント

# ヒロシです :  随分前の話ですが、アメリカは医療技術が世界一進んでいます。 その結果、あちこちの病院に高額の医療機器が設置されています。 それらは使わなくても償却費という名目の費用が発生します。 そこで、必要があろうがなかろうが、それらの機器を使って検査します。 検査費用はばか高いので、アメリカの医療費は日本の2倍だと言われていました。 日本でも似たような事情はありますが、程度問題の違いですね。  医療費が必要以上に高いと、治療を受けられない人は増える。 医療技術の高さがアダになるという話です。 (2007/09/17 10:02:41) [ 削除 ]

2007-09-18 火 09:48:34 | URL | #- [ 編集]

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