NO.577 アフガン問題での「責任ある議論」とは?
(この記事が「NPJ お薦め ブログ」で紹介されました。 ・・・今求められているのは、爆撃被害の話だけでなく、自衛隊の給油活動の非難だけでもなく・・・・・ アメリカがアフガニスタンから一気に撤退できない現実も知るべきだとか、ケシ畑を焼き討ちにするような作戦はダメなこととか、そのために伊藤さん達は働いていたこととか、タリバンを消滅させるような作戦よりも対話を持つべきこととか・・・・ 「私は、アメリカの対テロ戦争に反対しているし、それを助ける自衛隊による海上給油にも反対だ。そういうことがテロの土壌をひろげ、日本人を標的にする方向に向かうこともあり得ることで、私自身もそう主張してきた。現在もそう思っている。」 ただ、現在そう主張するにしても、ベースにあるのは、殺害した勢力への怒りでなければならない。あんな誇るべき役割を果たしていた伊藤さんを殺害した勢力への憤りを表明しないまま、悪いのは日本政府だと主張しても、心に響いてこない。 そして大事なことは、アフガニスタンの将来のため、日本は何をするのかである。伊藤さんのような人がたくさん出てくる必要がある。)
アフガニスタンの問題について再び。
お玉おばさんに「伊藤和也さんの死をふまえ・・アフガニスタンの平和構築のための議論に悩む 」というTBをいただいた。多分、私の過去ログNO.576 伊藤さんの死を無駄にせず 、「テロ特措法」延長に反対を!へのお返しだが・・・。
私のエントリーにも大いに関係することなので、少し書くことにしました。
お玉さんは、「編集者が見た日本と世界 」「アフガンの未来、責任ある議論を 」という松竹氏の指摘を読み、
と、チョット「思い詰めすぎて」いるようだ。
本当はこういうコトをキチンと知っていなければ、(知ろうと努力しなければ) アフガニスタンのために日本は何をするべきかのお話が出来ないように思うのです」
松竹氏の話のポイントは以下に要約できよう。
氏は、今回の事件でマスコミ等による「自己責任論」が無いことは、伊藤さんたちの活動からすれば当然だろうと確認し、
と立場を明らかにした上で、
と述べている。
これは事件の単なる政治利用に対する批判・戒めであり、当然であろう。
そして、次のように結んでいる。
そういう人びとが安心して働けるようなアフガニスタンは、どうやったらつくることができるのか。米軍の撤退だけを主張しても、治安を確保するためにどうするかを示さなければ、無責任になる。だって、そこには、伊藤さんを殺害するようなテロ集団が存在するのだから。
・・・・
志半ばでなくなった伊藤さんの想いに応えるためにも、真剣な議論、責任ある議論が求められている。自衛隊派遣の可否にとどまるのではなく。
お玉さんの「悩み」はこの結論部分にあり、私自身の発言にも大いに関係がある。
さて、アフガニスタンの治安を安定させ、支援する人々が安心して働けるための方針を提起できなければ、「テロ特措法」延長に反対し自衛隊の派兵を止めさせろという主張だけでは「無責任責な議論」なのか?
外交論の専門家である松竹氏の言だけに、なるほどとならなくも無いが・・・。
氏の、アフガニスタンが大変だから国際的に支援しようという思いは理解できるが、彼の議論は一方で自衛隊派兵批判に「自粛」をもたらす危険を持っている。
何もかもすべてを知り、復興への処方箋を持たぬもぬ物は、モノがが言えなくなる。
アフガニスタンが今日の状況に追い込まれたのは、根本にはアメリカが仕掛けた「対テロ報復戦争」があり、それに日本が加担した事で邦人にも被害が及んだ事は、戦争が始まる7年前までには外国人が誘拐されたり殺害される事は殆どなかった事実を見ても明らかだ。
私の立場は単純明快だ。
「その認識だけでも十分だ。アフガニスタンのためにあれこれしてあげようという前に、したらいけないことをすぐに止めよう」である。
アフガニスタンで活動する100を超えるNGOの連絡調整機関ACBARは、今年1月から7月の間でも19人のNGOスタッフが殺害され、昨年1年間の被害を肥えた事を明らかにして、「我々は軍事的手段によって紛争に終止符が打たれることは無いと強く確信している」と、声明を出した(8月1日)。
アフガニスタン現地で日本政府特別代表として軍閥の「武装解除」に取り組んだ伊勢崎賢治氏は、
「アフガニスタンは治安が非常に悪くなり、いま破綻国家に向かっている。・・・根源には、アメリカによる出口の無い戦争、掃討作戦がある」と述べた上で、「日本のテロ特措法に基づく活動がアフガニスタンで知られるようになって、日本が武力介入をしていないという『美しい誤解』が崩れてきた。だから延長をすれば、そのリスクを覚悟しなければならない」と述べている。
現地で苦労された皆さん発言は、リアリティーがあり重い。
テロに対する報復戦争というやり方が行き詰ったのである。今アフガニスタンを救うには、政治的・外交的な和平への取り組みと、貧困や飢餓をなくしていく民生支援を組み合わせていくことこそ必要だと思う。
そこで先ず必要な事は、「いらんことをするな!」である。
テロ特措法に基づく自衛隊のインド洋での給油活動を直ちにやめよ!延長なんてもっての外だ!
そもそも自衛隊派兵は憲法違反であり、現地の人々は歓迎していないのだ。
こう言うことが、無責任な議論だというのだろうか?
松竹氏が、外交論の専門家として、自戒し自らに課題を課すのは結構な事だ。
それ以上考えられる方は大いに考え、アフガニスタンの幸せのために知恵を出してください。しかし、それ以上じゃない人は無責任だとし、世論の「自粛」を求めるべきではなかろう。
如何なものでしょう?
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2008.08.29 | | Comments(2) | Trackback(5) | ・9条・平和Ⅰ
