NO.582 福田内閣崩壊の真意は?問題は「政治の中身」。
(この記事が「NPJ お薦め ブログ」で紹介されました。)
福田総理の突然の辞任劇に、マスコミもブログ界も騒然である。(当弱小道場にも10数本のTBが送られてきてびっくり!)
昨夜のエントリーで一言触れたが、少し突っ込ん論評をしておきたい。
まず、1年間に二人もの総理大臣が政権を途中で投げ出すとは、無責任極まりないもので、自民党政治(自公政権)の行き詰まりを示すもの以外の何物でもない。
こういう時、世間では、「政局論」が盛んで、「なぜこの時期に」「今後は」が話題になる。民主党党首選をかすめるためだとか、次は麻生がどうのこうのである。そういう政治の「手」に関わる議論がもてはやされる。論評は自由で、そういう話題はテレビでも中心になりとっつきやすい、関心を引きやすい議論かもしれないが、そういう議論こそが自公政治を利するものであり、私はそう議論には組しない。
肝心なのは政治の中身である。
そこに照らして、何が問題で今日の事態が引き起こされたのか、今後政治の中身をどうするのか、という議論こそが必要である。(テレビのみならずブログ言論も政治の中身を問うエントリーは少ないようだ。ボログもこれじゃあね・・・ブログ?苦笑)
私は昨日のエントリーで 「しかしその底流には、この間の小泉以来の新自由主義路線=構造改革路線が、国民生活の困難を深め、矛盾が解決不能なところまで来たことをあげなければならない。」と述べた。
その辺をもう少し見てみたい。
そもそも福田政権は、昨年の参院選挙で惨敗した安倍前首相が、選挙から2カ月後、突然政権を投げ出したにより誕生した。福田首相は「安倍首相の場合とは状況が違う」と言ったが、突然の政権投げ出しという点では同じ。(所信表明のあとよりはマシかあ・・・なんてことは無いけど)
二代にわたる「政権投げ出し劇」は自民党政治と自公政権が行き詰まり、破綻状態にあることの証明であり、まさに自公政治の末期症状をしめすものだ。
昨年9月の発足からまもなく一年。
内政はどうだったか。
福田首相は小泉、安倍の政権が進めた「構造改革」が国民の貧困と格差を耐え難いまでに拡大し、参院選挙での敗北の大きな原因となったにもかかわらず、「構造改革」路線を転換することも推進する事もできず、しがみつき立ち往生するだけだった。
福田総理は「国民目線の改革」を主張したものの、社会保障費2200億円の圧縮路線は継続し、国民の大きな怒りを前にしても後期高齢者医療制度の存続にしがみついた。格差と貧困の元凶、非正規雇用を拡大してきた労働の規制緩和についても、「日雇い派遣の禁止」は言ってたのの、具体的なメスが入れられない。・・・首相は「積年の問題が顕在化し、その処理に忙殺された」と恨んでいたが、であればこそ、「積年の・・・」の元凶・構造改革路線にメスをいれ転換を図るべきだったのに、それが出来なければ「国民目線」など、視界が開けるわけはなかったのだ。
外交ではどうか。
アメリカの軍事万能主義は通用しなくなって来ているのに、アフガニスタンでもイラクでもアメリカ追随の姿勢を変えようとせず、ブッシュ大統領との約束に縛られて自衛隊の派兵に固執し続けてきた。インド洋への自衛隊派兵は安倍辞任の最大の理由でもあった。民主との「大連立」での打開も破綻し、いまや選挙目当ての公明の抵抗で衆院再可決も危うい。
もともと戦争でテロがなくなるどころか、戦争の泥沼化が進行している。平和的な手段での解決しか方法がない事は明らかになってきている。ブッシュに縛られそれも出来ない。
「私がやるより他の人がやったほうがよくなるのではないか」・・・首相の弁だ。
いやあ、誰がやるかではなくて、何をやるかでしょう。「福田」でなくても早晩こう言う結果にはなったでしょう。政治の中身が同じであれば・・・。(投げ出すか別のやり方になるかは別として)
政治の中身を変えない限り・・・。
いま求められるのは、政治の中身を変えること。自公政治の枠組みを続け、「アメリカいいなり・大企業本位の政治」を続ける限り、首相が誰になっても行き詰まった政治を立て直すことはできないだろう。
今後は?・・・国会冒頭に解散をとの声もあるが・・・。
辞意表明を受け、自公与党は次の首相選びの画策をする。その際解散総選挙は当然だ。
2代3代と続けて国民の審判を受けない内閣が存在する事は許されない。次期麻生内閣(多分・・・)は、選挙管理内閣の性格を持つもので無ければならないだろう。
私は冒頭解散には反対だ。
9月からまた物価が上がった。国民生活や営業が大変な状況になっている、どうするのか。「姥捨て山医療制度」をこのまま続けるのかどうか。若者を使い捨てにする派遣労働をどう見直すのか。社会保障切捨てを進めるのかどうか。外需頼みの経済政策を転換し、家計を暖める内需主導型に切り替えるのか。インド洋への自衛隊派兵をこのまま続けるのか・・・。
こうした国政の大事な問題を、予定されている臨時国会で徹底審議し、争点を明らかにした上で国民の信を問う、衆院の解散・総選挙を行うというのが筋というものだ。
総理の首を挿げ替え、表紙を張り替えて新しい本を出されては、何も変わらないし国民はかなわないという事だ。
そういう点で、共産党志位委員長の記者会見に賛成だ。
・・・それにしても、福田さん個人には哀れで、個人的に「叩く」気がしないのは、こう言う場合の個人の末路を見るときに起こる私自身の感情としてある。福田さんの政治責任は当然だが、自民党政治のめぐり合わせだから。・・・ウータンとか、あまり個人的に罵倒するのは好きじゃないな・・・。
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2008.09.02 | | Comments(0) | Trackback(13) | ・政治一般Ⅱ
