fc2ブログ
忍者解析

NO.585 同じ人間として「一緒に生きる」という気持ち。

 思いを文字にする事は、苦手ですか?
書くことは好きですか?
福祉現場実習生が毎日悪戦苦闘をしています。
陶友 には、毎年十数名の実習生がやってきます。夏休みの8月頃から秋にかけてが、もっともにぎやかです。
毎日のミーティングでの発表と討論。そして日誌書き。
「今迄で一番勉強した」が実感のようです。

903実習1064

最終日には、食事をしながら(成人には酒も入ります)の総括発表会。
その中から、幾つかかいつまんで報告します。

 「実習に来る前は、障害者のことを一人の人間としてではなく『障害者』として見て来ていました。実習に来て『障害者』としてではなく、一人の人として関わる事を学びました。一人の人間として接する事で信頼関係も築いていけることを学びました。そして自分をさらけ出して向き合う中で信頼は生まれるということを学びました」

 「どんなに天気が悪くてもKさんはリヤカー販売に出かけます。『どうしてですか?』と聞くと、『お客さんが待っているから』と応えます。普通なら天気を理由に『今日は止めておこう』となるかも知れません。陶芸班のIさんは、『僕の作ったものをお客さんが買ってくれるから、嬉しくてがんばる』と。仲間たちは、お客さんに喜んでもらい、自分が人の役に立ち必要とされることで、仕事を生きがいとし誇りを持っているのだと思いました。」

 「私は障害者の方に『してあげる』という気持ちがあったと思います。中学の時にクラスに知的障害の子がいて、一緒に勉強したり遊んだりしていました。先生には『いつもありがとう』と点数をもらい、周りからは『優しいね』と言われるたびに、自分のイメージを良くするために利用しているという気持ちと、誰かそばにいてあげないと可哀そうだという同情の気持ちがありました。多分このころから『してあげる』と感じてしまうようになったのです。・・・こういう考えを変えてくれたのは仲間たちでした。毎日一緒に仕事をしながら、毎日必死に働き生きている姿を見て、『してあげる』という気持ちから、同じ人間として『一緒に生きる』という気持ちへと変わりました。」

 「憲法の学習会で一番大事なのが『個人の尊重』だということを知りました。個人の尊重とは、自分が大事、でも同じように目の前の人も大切にしなければならないという考え方で、人と人との関わりはこうであってほしいと思いました。そうすれば戦争など起きないのかも知れないと・・・」

 「今まで自分から物事について考えたりする事はありませんでした。実習を通して自立支援法のことを学習したり、仲間たちのいろいろな行動の意味を話し合う中で、これはどういうことだろうと考えるようになりました。私の中で一番変わったのは、自分で考えようとするようになったという事です。」

とりあえず以上、・・・いろいろです。

 実習で先ず大切にする事は、自分で考える事。

 正直なところ、今時こんな所には「優秀な」学生は来ません。受験教育の中では劣等生だった人たちが中心です。
彼らにとっては、あらかじめ決められた答え早くを探すのが勉強で、自信を持って「ハイ!」と応えた事などあまり無いんです。だから自分の考えを発表するなど一番苦手なのです。

 私は初めに言います。
 「それは君達が悪いんじゃあない、いつの間にかそうされてきたのだ。ここでは自分の考えをきちんと伝える事からはじめよう。あらかじめ決められた答えはここには無い。仲間たちとの関わりの中で、自分で答えは探すのだ。どんな考えでも先ずはそれが『あなたの正解』なのだ。人と人の関わりに答えが一つと決まっていたら、こんな貧しい事は無い。・・・しかしそれぞれの正解も独りよがりの狭いものかもしれない。だから発表しあって今度はみんなで話し合い、沢山の頭で考える。そうしてより正解に近づいていく・・・」と。


 沢山の話し合いと、自立支援法、障害とは何か、労働とは何か、憲法と人権などテーマを決めた学習会をします。
 大人が大事に付き合えば、若者達は変わるきっかけをつかみます。・・・日を追うごとに学生達の目つきが、顔つきが変わっていくのは、私たちにとっても希望です。

 
  
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html


よろしければお帰りに、シャターはこころで切れ!でおくつろぎ下さい。
友さんの写真ブログです。下手の横好きですが、どうぞごゆるりと。



いつもありがとうございます。
頑張れ、若者!
そうだと思われる方は、ランキングーポチッとよろしく。

       ↓       ↓
人気ブログランキングへ
関連記事

テーマ:障害者作業所 - ジャンル:日記

2008.09.04 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・実践的福祉労働論

コメント

陶友さんに実習に来て、学べる学生は本当に幸せだと思います。

「共に学ぶ」ことができる人 「共に生きる」ことができる人・・・
そんな若者がたくさん福祉現場で働き続けられるような環境がもっとほしいですね。

 

2008-09-04 木 17:30:09 | URL | ぱたぽん #- [ 編集]

ぱたぽんさんへ。

こんばんわ。
そうなんですね。実習には来るけど(単位のためだから)、現場にいきたいという人は皆無です。
でも、生き方に通じる勉強だから、手抜きはしません。
どちらにしても学生達は現場に触れて換わります。現場はそれだけの教育力を持つという事です。現場の事実が。
私は、「日本一の実習」なんて言っています。うぬぼれも激しいですが、それだけ学生を大事にして鍛えます。
実習期間が終わったら、「囲炉裏塾」を月1回開いて交流と学びを続けています。
思ったよりも沢山参加してくれています。
嬉しい事です。若者を見ると、自分も若返る気がします。

・・・自転車、親切な青年達でよかったですね。蚊をたたいてあげようかどうか・・・若者達への恥じらい・・・わかるなあ。
コメントありがとうございました。
ではまた。

2008-09-04 木 18:58:10 | URL | 友さん #- [ 編集]

コメントの投稿


秘密にする

トラックバック

http://toyugenki2.blog107.fc2.com/tb.php/649-a827ca8b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

08年9月4日 木曜日  憂楽嘲(ごまめの翁)ブログの目次

08年9月4日 木曜日  憂楽嘲(ごまめの翁)ブログの目次 1・朝日新聞の世論調査{/arrow_r/}(ここからお入り下さい) 2・関西朝日新聞の自民党政治関係の切り抜き{/arrow_r/}(ここからお入り下さい) 3・テレビ番組の切り抜き{/arrow_r/}(ここからお入り下さい) 下のURL...

2008.09.04 | 護憲+グループ・ごまめのブログ

医療費の個人負担は憲法違反ではないでしょうか

健康な者とそうでない者とで医療における経済的負担が大きくかわります。 法の下の平等に反すると思います。 そうでなくても、私達の社会は健康な人を基準に作られている。 健康でないものは医療費以外にも多くの不便を抱えている。 医療費ぐらいは無料(個人負担ゼロ)に...

2008.09.06 | 政治

«  | HOME |  »

プロフィール

友さん

Author:友さん
軟弱オヤジの「硬派道場」へ、ようこそ。障害者作業所所長やってます。福祉や政治、日々の思いを気ままに…。
コメント、TB、リンク歓迎。お茶やお酒はセルフでごゆっくり。
なお、気が弱いので「道場破り」はお断り。
070727 スタート

アクセスカウンター

全記事(数)表示

全タイトルを表示

カレンダー

08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

つぶやいとっと。

カテゴリー

小さな天気予報


-天気予報コム- -FC2-

FC2ブックマークに追加する

FC2ブックマークに追加

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

オープンソースCMSホームページ制作 スリーピースコミュニケーションズ

福岡のホームページ制作会社はTPC


ホームページ制作
出会い