NO.585 同じ人間として「一緒に生きる」という気持ち。
思いを文字にする事は、苦手ですか? 「実習に来る前は、障害者のことを一人の人間としてではなく『障害者』として見て来ていました。実習に来て『障害者』としてではなく、一人の人として関わる事を学びました。一人の人間として接する事で信頼関係も築いていけることを学びました。そして自分をさらけ出して向き合う中で信頼は生まれるということを学びました」
書くことは好きですか?
福祉現場実習生が毎日悪戦苦闘をしています。
陶友 には、毎年十数名の実習生がやってきます。夏休みの8月頃から秋にかけてが、もっともにぎやかです。
毎日のミーティングでの発表と討論。そして日誌書き。
「今迄で一番勉強した」が実感のようです。
最終日には、食事をしながら(成人には酒も入ります)の総括発表会。
その中から、幾つかかいつまんで報告します。
とりあえず以上、・・・いろいろです。
「どんなに天気が悪くてもKさんはリヤカー販売に出かけます。『どうしてですか?』と聞くと、『お客さんが待っているから』と応えます。普通なら天気を理由に『今日は止めておこう』となるかも知れません。陶芸班のIさんは、『僕の作ったものをお客さんが買ってくれるから、嬉しくてがんばる』と。仲間たちは、お客さんに喜んでもらい、自分が人の役に立ち必要とされることで、仕事を生きがいとし誇りを持っているのだと思いました。」
「私は障害者の方に『してあげる』という気持ちがあったと思います。中学の時にクラスに知的障害の子がいて、一緒に勉強したり遊んだりしていました。先生には『いつもありがとう』と点数をもらい、周りからは『優しいね』と言われるたびに、自分のイメージを良くするために利用しているという気持ちと、誰かそばにいてあげないと可哀そうだという同情の気持ちがありました。多分このころから『してあげる』と感じてしまうようになったのです。・・・こういう考えを変えてくれたのは仲間たちでした。毎日一緒に仕事をしながら、毎日必死に働き生きている姿を見て、『してあげる』という気持ちから、同じ人間として『一緒に生きる』という気持ちへと変わりました。」
「憲法の学習会で一番大事なのが『個人の尊重』だということを知りました。個人の尊重とは、自分が大事、でも同じように目の前の人も大切にしなければならないという考え方で、人と人との関わりはこうであってほしいと思いました。そうすれば戦争など起きないのかも知れないと・・・」
「今まで自分から物事について考えたりする事はありませんでした。実習を通して自立支援法のことを学習したり、仲間たちのいろいろな行動の意味を話し合う中で、これはどういうことだろうと考えるようになりました。私の中で一番変わったのは、自分で考えようとするようになったという事です。」
実習で先ず大切にする事は、自分で考える事。
正直なところ、今時こんな所には「優秀な」学生は来ません。受験教育の中では劣等生だった人たちが中心です。
彼らにとっては、あらかじめ決められた答え早くを探すのが勉強で、自信を持って「ハイ!」と応えた事などあまり無いんです。だから自分の考えを発表するなど一番苦手なのです。
私は初めに言います。
「それは君達が悪いんじゃあない、いつの間にかそうされてきたのだ。ここでは自分の考えをきちんと伝える事からはじめよう。あらかじめ決められた答えはここには無い。仲間たちとの関わりの中で、自分で答えは探すのだ。どんな考えでも先ずはそれが『あなたの正解』なのだ。人と人の関わりに答えが一つと決まっていたら、こんな貧しい事は無い。・・・しかしそれぞれの正解も独りよがりの狭いものかもしれない。だから発表しあって今度はみんなで話し合い、沢山の頭で考える。そうしてより正解に近づいていく・・・」と。
沢山の話し合いと、自立支援法、障害とは何か、労働とは何か、憲法と人権などテーマを決めた学習会をします。
大人が大事に付き合えば、若者達は変わるきっかけをつかみます。・・・日を追うごとに学生達の目つきが、顔つきが変わっていくのは、私たちにとっても希望です。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html

友さんの写真ブログです。下手の横好きですが、どうぞごゆるりと。

いつもありがとうございます。
頑張れ、若者!
そうだと思われる方は、ランキングー!

↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.2058 はげしく学べるかな?「ワルネタ塾」始動! (2011/05/13)
- NO.1860 代休なんかいくらでもくれてやる。 (2010/10/19)
- NO.1566 「赤いノート」という交換日記 (2010/04/18)
- NO.585 同じ人間として「一緒に生きる」という気持ち。 (2008/09/04)
- N.344 真面目に、仕事頑張ってますよ~~~。 (2008/03/22)
- NO.286 比べられないこと、比べていけないこと。 (2008/02/04)
- NO.273 若者が希望を持てる、福祉・介護職場に! (2008/01/23)
- NO.264 「タイシコン」=対市懇・・・福岡市との懇談会。 (2008/01/17)
- NO.256 みんな頑張ってるんだ。 (2008/01/13)
2008.09.04 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・実践的福祉労働論
