NO.586 福田劇場突然閉鎖と、見えてきた自民党総裁選のシナリオ。
役者がそろいシナリオもできたようだ。
自民党総裁選がメディアを賑わしている。舞台の序幕はまずまずとほくそ笑んでいることだろうか?
本命の麻生太郎氏をはじめ、与謝野馨、石原伸晃、小池百合子の各氏が総裁選への立候補の意志を固めているようだ。麻生は「推薦人20名に足りなかったら、名前を貸しますよ。その方が盛り上がるから・・・」なんて余裕をかましているようだが。
メディアを使うだけ使い、自民党の大宣伝をする・・・多分、ベストな希望的シナリオとしては、一度で決着を着けず,決選投票は麻生対小池・・・海の向こうの親分の真似をしてオバマかヒラリーかの様な演出で・・・こうして落ち目の自民党への打撃を最小限に食い止め、新内閣のお祝儀支持率を当て込んで解散総選挙・・・。総裁選シナリオはこんなところでしょうか。素人にもわかりやすいが・・・。
各氏の思惑がどうであれ、これは自民党全体の戦略・シナリオでしょう。やせても枯れても自民党の党派性は寄り合い所帯の民主党とは違うな、というところか。泡食った民主は、メディア対策会議を開いたようだが、完全に蚊帳の外になってしまった。
メディアは、麻生対与謝野はばら撒き方の財政改革対消費税増税が争点とか、「上潮派」がどうだとか面白おかしく論評しているようだ。
一応各氏の役どころについてみると、
麻生氏は、「福田首相がやりたくてもやれなかったところを・・・引き継いでやっていく」
与謝野氏は、福田政権の経済財政政策の責任者。
石原氏は、小泉以来の「構造改革路線を引き継ぐ」と明言。
小池氏は、「構造改革」推進の「上潮」派・中川氏の駒。
それぞれに脚色をしてみるものの、立ち往生・投げ出し・他人事の福田劇場の脚本の域を出ないものだ。彼ら自民党には、自らの総裁選のシナリオは書けても、日本の政治の行き詰まりを打開するシナリオを書くことはできない・・・そのことを物語っているのではないか。
福田劇場が突然閉幕に追い込まれたのは、主役の人気やミスキャストのせいではない。演目のテーマ・シナリオそのものが観衆に魅力がなく、劇場が閑古鳥で営業不能に陥ったからだ。
福田劇場の演目のテーマは二つ。
ひとつは、小泉政権以来の「構造改革路線」の踏襲。企業が栄えれば国民にもいい事があるとばかりに、大企業の儲けだけを応援し、その結果は逆に、国民に絶えがたいような「貧困と格差」を押し付けてきた。福田劇場開演の時、そのことははっきりしていたのにどうする事もできずに立ち往生して投げ出してしまったのである。
これは、財界・大企業から金をもらい、頭のてっぺんから足の先まで「大企業奉仕政党」として育てられた自民党の宿命であり、演目を変えることなどできないのである。
石原、小池氏などは、この「構造改革路線」に戻そうという。論外だ!
麻生さん、「福田さんがやり残したこと」?・・・それは解散総選挙でしょう。それだけはどうしてもしないわけにはいかないでしょう。
もうひとつのテーマは、「アメリカの言うとおり、何でもかんでもアメリカについていく」対米追従外交。戦争でも市場開放でも、国民の暮らしや安全は二の次にしてアメリカの要求に応える外交です。
世界は「紛争を戦争ではなく、話し合いで解決しよう」という方向に流れいるのに、アフガンでもイラクでも「よし懲らしめてやる、行くぞ!」とアメリカが言えば、「ヘイ!合点!」とやって来た。無駄な軍事費を使い、国民の命を危険にさらし、生活を踏みつけにする・・・。
こうした大本にある二つのテーマにしがみついたことが、福田劇場が閉鎖に追い込まれた本当の原因だ。したがって、キャスティングを変えたところで新たな「自民党劇場」は同じ運命をたどるしかないと断言しておこう。
民主党も、小沢氏を再び代表に選ぶ運びだが、自民党との「大連立」で合意したこともある氏を大将にして、この二つのテーマに対抗する路線を打ち出せるかどうか・・・観客にとっては甚だあやしい。
日本の政治の行き詰まりと立ち往生を打開する道は、観衆自らが立ち上がるしかないだろう。
対抗する新しい劇場の演目の二大テーマは、
「大企業奉仕の『構造改革路線』と手を切り、国民の雇用と暮らし、医療と社会保障を守ろう」
「アメリカ言いなりの外交をやめ、平和・自主外交を」
・・・てなもんでどうでしょう、ちょっとありきたりだが。
解散総選挙は避けられない。
いずれにしても、自民党は小泉チルドレンなど「構造改革」の落とし子・郵政選挙のあだ花は落とし、参院は逆転したまま衆院では「拮抗」が関の山だろう。そうなれば、一回の総選挙では片付かない。政治屋達はいま、総選挙後の政界再編を視野に生き残りを掛けて戦々恐々としながら策動しているだろう。選挙後は、民主内自民派への切り崩しと雪崩を打った寝返りによる参院の力関係の変化、政権ハイエナの公明の動き・・・、国民そっちのけの政界再編、合従連衡が起こるだろう。・・・あ、こういう話はしないことにしていたんだ!
そういう時だからこそ、国民に思考停止を迫るような自民のメディア戦略・「自民党総裁選大キャンペーン」に踊らされないように、政治の中身を見る力が主権者に求められている大事な時ではないだろうか。
臨時国会は、少なくとも上述した演目とテーマ=国政の大事な問題について議論をし、「政治の中身」=争点を国民の前に明らかにして、国の進路を国民みんなで考え決める総選挙を準備すること。・・・これが、福田総理が「やるべきであった」唯一の価値ある事ではなかったろうか。
麻生さん、お解かりでしょうか?
(下馬評だが、麻生に間違いないでしょう。可愛そうに。短命の最悪の首相になるか。政治の巡り会わせか・・・。民主小沢氏が「麻生はやりやすい」というのは一理あるが・・・。断っておきますが、あんな人は絶対いや!何が、マンガオタクで若者に受けるか!大金持ちのぼんぼん、贅沢三昧、何よりも極右!あのやくざな顔つき・・・あんなのが国民の代表にもなろうものなら、国民を辞めたいぐらい・・・、おっと!口が過ぎました。こんなことも言わないようにしていたんだが、修行が足りませぬ。)
今後「大脇道場」は、「政治の中身」について出来るだけ解りやすく語って行きたいと思いますので、ますますよろしくお願いします、です。
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2008.09.05 | | Comments(4) | Trackback(11) | ・政治一般Ⅱ
