NO.596 前進座「さんしょう太夫」を観ました。
柄にもなく?演劇鑑賞に行ってきました。 語るは、消えることのない民衆の憤りと悲しみであった。
市民劇場の例会、前進座「さんしょう太夫」。
森鴎外の「山椒大夫」とも、「安寿と厨子王」ともちょっと一味違います。
「さんしょう太夫」はもともと文盲の庶民が語り伝えた物語。野の聖とも言うべき語り部たちが、中世農奴制の圧政下の民衆の耳から耳へと語り継いだものだと言う。その「説教節」にもとずく脚本・演出だそうだ。
以下、前進座公式サイトより。
伝説の説経師たちが帰ってくる―――
◆◆ ものがたり ◆◆
平将門の孫、奥州五十四郡の主、岩城判官正氏はみかどの勘気をこうむり、
筑紫の国(九州)太宰府に流人の身。
妻の玉木は、あんじゅとづし王を伴ない、乳母を供に、夫の安否をたずね、
みかどの許しをこうため、京へ向かって旅立ちます。
ところが、越後の国(新潟県)直井の浦(直江津)にさしかかった時、
人買いの山岡太夫にだまされ、玉木と乳母は佐渡へ、
あんじゅとづし王は丹後の国のさんしょう太夫のもとへ、
別れ別れに売られてしまいます。
さんしょう太夫に売られた姉弟は、名も「しのぶ」「わすれぐさ」と改められ、
なれぬ汐汲みと柴刈りに追いたてられ、つらい悲しい日々を送るのでした。
ある日、太夫と息子・三郎のむごい仕打ちに耐えかねたあんじゅは、肌の守りの地蔵菩薩の加護と、
仲間の奴婢たちの助けを借りて、づし王を逃がします―――
森鴎外の小説でおなじみの“あんじゅとづし王”の物語。1974年に劇化。
しかし、前進座の『さんしょう太夫』は森鴎外作とは違って、
中世に語られた原話・“説経節”より劇化しています。
お芝居の構成も、漂白の説経師たちが現れ、日本古来の楽器の生演奏にのせて、
物語を語るというスタイルをとっています。
翌年には芸術際優秀賞を受賞した前進座の代表作の1本です。
説経節とは、中世の頃、人の多く集まる社寺の前など街頭で、
庶民相手に仏の教えを広めるために語られた物語、節談説経。
当時、仏典そのものを聞かせても理解することが難しく、
物語に仮託して伝えるという方法をとっていました。
さんしょう太夫は多くの農奴の他に、奴婢(ぬひ)を買って酷使していた。あんじゅ姫は塩を焼くための塩水汲みをやらされる。この苦役の中で、弟のずし王を逃亡させようとして額に焼印を押される。当時、奴婢はは家畜同然だったのである。
後にずし王が丹後の国司になったときに、さんしょう太夫の首を、その息子にのこぎりでひかせるという残忍なほどの処刑をするが、語り部たちが物語をこの極刑で締めくくらねば収まらなかったほどに、中世の民衆の奴隷制への怒りは怨念にも似た深さがあったのだろう。
中世の民衆の奴隷制への抵抗、人間解放への願いが舞台でよみがえった。
・・・ついでに、太夫の息子三郎役が、益城宏。奴婢たちをいじめ抜く最悪党役。
地方公演で福岡に来たら、いつも酒をぶら下げて会いに来てくれる飲み友達だ。そういうわけで、私も市民劇場会員になり、たまには文化にも触れようということになったのです。
幕後に、楽屋に行ったらまだメイクモ落とさず・・・。
「凄い迫力だったな。悪党もきわまれり」というと、悪党顔で笑っていた。
・・・年に何回かは、舞台鑑賞もいいものですね。
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2008.09.15 | | Comments(1) | Trackback(1) | ・マスコミ・テレビ・新聞Ⅰ
