NO.604 「私はコレで大臣をやめました」(太田誠一)
昔ありましたね。 農薬やカビ毒に汚染された輸入米が食用として流通し、焼酎や菓子、給食にまで使用されていたことに、国民の不安が広がっています。非食用の汚染米を食用と偽り販売した企業の責任は重大です。同時に、汚染米を廃棄せず流通を容認してきた政府の責任が問われます。 今回の汚染米事件は、政府が「義務米」といって何が何でも毎年77万トンの輸入米を確保しようとしているなかで起こったことです。政府は、輸入があたかもWTO農業協定上の「義務」であるかのようにいいますが、本来輸入は義務ではありません。無理を重ねるなかで国民の命や健康が脅かされています。徹底的な事実究明と責任の糾明、再発の防止が必要であり、国会で徹底論議すべきです。
「私はコレでタバコをやめました」・・・当時の宇野総理大臣は女性問題でスキャンダルを起こし、「私はコレで総理をやめました」なんて、小指を立てて嘲笑されたものだが・・・。
太田誠一農水相は、アレもソレもコレもと積もり積もって・・・ではあるが、やはり決めてはコレでしたかね。
「人体に影響がないことは自信をもっていえる。だからあんまりじたばた騒いでいない」
きのうも書きましたが、今日は少し問題を整理してみたいと思います。
汚染米 その背景には 輸入に固執の政府 安全も置き去り(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-18/2008091801_01_0.html
先ず、汚染米のルートを見てみよう。
食用でない米を食用に違法に転売した業者は、5日に公表された「三笠フーズ」(大阪)についで、「浅井」「太田産業」(愛知)、島田化学工業(新潟)の4社。(9・19現在)
三笠フーズの経路だけでも24都府県380社。中間業者50社、酒造、和菓子、米菓、給食、外食産業など、製造・販売業者が320社・・・まだまだ増えるだろう。
まず、基準値を超える農薬やカビ毒に汚染された米の販売は、「食品衛生法違反であり、廃棄または積み戻しをすべきものだ」と厚労省の担当者は言っている。
しかし、農水省は、食品衛生法違反の輸入米1万677トン(1996~2007年)の流通を公認してきた。
三笠フーズにカビ発生のタイ米を販売した住友商事は、「(厚生労働省の検疫から指摘を受けた)タイ米の処理について、農林水産省の了解を得たうえで、三笠フーズに対し『工業用糊加工品』に用途を限定することを条件に販売した」と経緯をのべている。
なぜこのようなことが起こったのか?
政府は、年間77万トン(年間消費量の8.4%)もの輸入米(ミニマムアクセス米)を受け入れている。
日本国内には必要もないのにWTO(世界貿易機関)農業協定で押し付けられているもので、輸入義務などないものだ。その半分はアメリカ産。アメリカへの気遣いがあるのだ。
つまり、国内需要などないのに、無理をして政府が輸入をし販売し続けててきたことが問題として表面化したといえるだろう。
汚染米とわかっていても、「義務だ」として送り返しもせず、廃棄すれば1トン1万円もかかるので、国民の批判にさらされる・・・、だから値段を落として「工業用ノリ」の原料として売りさばく、となったわけだ。しかも本当に工業用に使われたのかは追跡せずに野放し・・・。
もう一点、業者の不正監視がなぜ出来なかったか?
米がどこにどう流れているのか、農水省もつかめないほどに複雑になったのは小泉「構造改革」の農業版「米改革」が原因だ。
95年の食管法廃止、食糧法制定で、政府は米の管理責任を事実上放棄した。しかし、米を扱う業者は登録制で、流通ルートも管理が出来ていた。
ところが小泉改革では、04年に規制を完全撤廃。届出だけで誰でも米の売買に参入できるようになり、悪質業者が付け入る隙を作ってしまったのである。
先の厚労省の担当者は次のように言っている。
「書類の上だけの会社も含めて米ころがしが行われ、業者から業者へと回されるだけで、いかがわしい米が信用のある米に化けてしまう。私の部署の人員も小泉内閣の時に3分の1に減らされ、地方は中央のいうことだけやっていればいい、予算も要らないだろうといわんばかりに締め付けられ、監視できる力などない」と。
95年以来在庫は年々増え、保管や輸送のために11年間で2600億の税金が使われてきたという!
日本共産党の紙智子参院議員の話
この輸入米が膨大な在庫となって国内産米を圧迫し、米価下落の大きな要因ともなってる。
アメリカに気を使う外交の中で、国民には毒入りの米を食わせ、一方で農業と農家をつぶす・・・。
外国への食料依存が高まれば高まるほど、こういう危険も高まる。根本において、農家を応援し食料自給率を高める農政への転換が急がれる。
小麦の転用は大丈夫か?
不安は大きいな。
96~2007年までに輸入検疫で約4万トンの小麦からカビや残留農薬が発見されたという。汚染米の4倍。
小麦も米同様、工業用ノリや飼料に転用できる。工業用ノリの原料は米よりも小麦が多いという。
小麦は、パンや麺などの食料品の原料としては、米など比べ物にならないほど用途が広い。
転用がないなどとはとてもいえた状況じゃない。
これも徹底した調査が必要だ。
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2008.09.20 | | Comments(4) | Trackback(7) | ・食と農業問題
