NO.616 1999年前に戻せ!・・・労働者派遣法。
厚労省の労働政策審議会が24日、労働者派遣法の見直しに関する建議をまとめ、舛添要一厚労相に提出した。
労働の規制緩和から規制強化へと変わる重要な「政策転換」だ。国民の闘いが反映している。
主な内容は、
① 日雇い派遣は「社会的に問題ある派遣形態」だから、通訳など専門性の高い18の業種を除いて30日以内の契約を結ぶ事を禁止する。
② 違法派遣を受け入れた会社には、労働者に雇用契約を申し入れるように行政が勧告できる。
③ グループ企業への派遣を8割以下におさえる・・・など。
しかし、最大の問題は、「働く貧困」の最大の原因となっている「登録型派遣」(仕事があるときしか雇われない)が野放しのままになっていること。30日以上の契約をすれば、日雇い派遣はできると言う事で、これでは問題解決には程遠い。
「勧告」も行政裁量であり、たとえ雇用されたとしても期間工にされれば、安定雇用の保証にはならない。
また、派遣先と労働者には「黙示の雇用契約の存在」(松下プラズマディスプレイ偽装請負事件大阪地裁判決)にもとづき、「みなし雇用」制度で雇用を守る事が必要だ。
さらに、派遣先労働者との均等待遇や、派遣先に対するマージン規制も求められる。
ところで、労働者派遣法の制定は1985年。
派遣は臨時的・一時的業務に限定し、常用雇用の代替としないことが原則として謳われていた。
バブル崩壊後、財界は新たな儲けの手段として、労働コスト削減戦略を打ち出す。
1995年「新時代の『日本的経営』」で、日経連は雇用の多様化・非正規化を提案し、それがきっかけとなり1999年の原則自由化につながった。2003年には製造業までもが自由化され、トヨタやキャノンはこれでぼろ儲けをする事になる。
もともと、派遣労働には○使用者責任があいまい ○強制労働が出来る ○中間搾取ができると言う危険があり、原則自由化するとどうなるかは目に見えていた。
見えていて反対したのは日本共産党だけだった。いや、正確に言えば、普通の理解力があれば見えたはずだが、・・・ぶれずに労働者の立場に立ったか、あやふやだったか、財界の立場に立ったかの違いだろう。
大企業のぼろ儲けは、労働者を絞るだけ絞るところから生まれ、派遣労働は究極の搾取手段となった。かくて大量のワーキングプアが生み出されてきたのである。年収200万以下が2年連続1000万人だと言う。
派遣労働者は321万人。派遣を含む非正規労働者は全労働者の3人に1人。その7割が登録型派遣で、派遣会社に登録しておいて仕事があるときだけ雇用される。まさに、人間をモノ扱いする「使い捨て」労働だ。
審議会では、使用者側関係者が「途中から情勢が変わってしまった。業界は自主規制を打ち出したが、規制強化を求める世論に逆らえなかった」と嘆いてみせた。まさにあの2月8日、共産党志位委員長の国会質問から潮目が変わってきたのだ。ここまで追い込んできたからには、中途半端にせず1999年前まで押し返せ!である。
大事なことは「労働者派遣は常用型を基本とし、登録型は例外として通訳や研究開発など専門的業務に限定する」。そのためには、99年以前の状態に戻すことにかぎる。
「99年改悪以前に戻せ」では、いまや社民、国民新党も一致している。(民主は踏み込めない!再三指摘しているように財界から1億もの企業献金を貰っている政党だからだ)
もうけ第一主義の財界・大企業は、規制緩和の大号令をかけ、自公の「財界中心の政治」・構造改革路線ががこれを後押しし、史上最高の利益を上げつづけてきた。それと引き換えに、自公政治は国民の安定した雇用という生活の土台を大きく崩した。
人間を「使い捨て」にする働かせ方に日本の経済・社会の未来はない。
世論と運動を強め、労働者の権利を守る派遣労働者保護法に抜本改正させるチャンスだ。
この点でも衆院選では、一貫して労働者の立場にたった雇用政策のために闘ってきた共産党の躍進が確かな保証ではないか。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html

友さんの写真ブログです。下手の横好きですが、どうぞごゆるりと。

いつもありがとうございます。
労働者派遣法は1999年前に戻せ!
そうだと思われる方は、ランキングー

↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.638 「トヨタという言葉が出ると、みんなおびえて、調査も言えないのか。」 (2008/10/11)
- NO.636 「同一労働、同一賃金」は原則、さらに「臨時的労働は割高が当たり前」じゃないか。 (2008/10/10)
- NO.634 「貧困は自己責任ではない。では私たちには責任は無いのか?」・・・湯浅さん、青年集会で語る。 (2008/10/09)
- NO.632 現代「女工哀史」・・・日雇い派遣の前田さんの訴え。 (2008/10/08)
- NO.616 1999年前に戻せ!・・・労働者派遣法。 (2008/09/27)
- NO.551 労働者派遣法の抜本的見直し等を求める日弁連会長声明 。 (2008/08/04)
- NO.547 「政府・民主」対「共産・社民・国民新」の構図。 (2008/07/31)
- NO.546 厚労省も「日雇い派遣原則禁止」へ方向転換・・・? (2008/07/30)
- NO.536 [貧困と格差]を広げたのは?・・・政党が「やってきたこと」を見る。(1) (2008/07/24)
2008.09.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・雇用と労働問題Ⅰ
