No.621 麻生太郎、「かしこくも、御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき・・・」。・・・追記あり。
29日、第92代麻生内閣が誕生し、所信表明演説が行われた。 〔天皇の権能と権能行使の委任〕 ■就任に当たって ■民主党への五つの「逆質問」
いろいろと報道されているが、・・・きわめて主観的で中身はなし。冒頭では、戦前の亡霊でも出てきたかとびっくりした。やっぱり奇人変人であった。
麻生首相の所信表明演説
http://www.asahi.com/politics/update/0929/TKY200809290138.html?ref=reca
「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」がよっぽど嬉しかったようだ。
戦前の天皇制の感覚だ。「靖国派」幹部の頭の中はかくあるものか。
「御名御璽」とは「天皇の名前と天皇の公印。詔勅などの末尾に御名と御璽が記されていることを表す。法律の公布にあたっても記される」
主権在民の日本国憲法下での、「国事行為」を行ったに過ぎない天皇の「任命」に、「かしこくも」感動する時代錯誤ぶりは、まるで漫画の世界だ。
第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
〔天皇の任命行為〕
第6条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
記念に、冒頭部分をコピーしておく。
わたくし麻生太郎、この度、国権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき、第92代内閣総理大臣に就任いたしました。
わたしの前に、58人の総理が列しておいでです。118年になんなんとする、憲政の大河があります。新総理の任命を、憲法上の手続きにのっとって続けてきた、統治の伝統があり、日本人の、苦難と幸福、哀(かな)しみと喜び、あたかもあざなえる縄の如(ごと)き、連綿たる集積があるのであります。
その末端に連なる今この時、わたしは、担わんとする責任の重さに、うたた厳粛たらざるを得ません。
この言葉よ、届けと念じます。ともすれば、元気を失いがちなお年寄り、若者、いや全国民の皆さん方のもとに。
申し上げます。日本は、強くあらねばなりません。強い日本とは、難局に臨んで動じず、むしろこれを好機として、一層の飛躍を成し遂げる国であります。
日本は、明るくなければなりません。幕末、我が国を訪れた外国人という外国人が、驚嘆とともに書きつけた記録の数々を通じて、わたしども日本人とは、決して豊かでないにもかかわらず、実によく笑い、微笑(ほほえ)む国民だったことを知っています。この性質は、今に脈々受け継がれているはずであります。蘇(よみがえ)らせなくてはなりません。
日本国と日本国民の行く末に、平和と安全を。人々の暮らしに、落ち着きと希望を。そして子どもたちの未来に、夢を。わたしは、これらをもたらし、盤石のものとすることに本務があると深く肝に銘じ、内閣総理大臣の職務に、一身をなげうって邁進(まいしん)する所存であります。
わたしは、悲観しません。
内容に関しては、総じて他人事のように一般的。
総選挙を意識した党略ばかりで民主党への「逆質問」が特徴。
所信表明「麻生流」 民主に異例の逆質問
http://www.asahi.com/politics/update/0929/TKY200809290168.html
(1)国会で合意形成のルールづくりに応じる用意はあるか
(2)補正予算案と地方道路財源を補填(ほてん)する関連法案への賛否。対案提示の場合は財源の明示を
(3)消費者庁創設への賛否
(4)日米同盟と国連のどちらを優先させるのか
(5)インド洋での補給支援活動継続への賛否
福田首相の政権投げ出しによる「政治空白」や、「ごね得」発言・辞任には一言だけふれただけ。事前に配布された原稿にはなく、あわてて付け加えたものだったらしい。反省の誠意はなし。
メディアの世論調査で新内閣に取り組んでほしい政策は、「景気対策」「年金対策」「食品安全対策」「高齢者医療」など。 しかし、国民の「安心実現」や「暮らしの安心」の言葉はあっても、加速する不況や燃油価格の高騰、「食の安全」など、国民の切実な声に応えようとする真剣さはみじんも感じられない。
「実に忌むべきものは、不安であります」などと言いながら、国民に不安をもたらしている原因にメスを入れず対策も示さない。
首相は「改革を通じて経済成長を実現する」とう。しかし、国民が批判しているのは、小泉純一郎政権以来の「構造改革」路線が生活を悪化させ、貧困と格差を拡大し、景気を悪化させたということ。この事への認識は皆無。
「後期高齢者医療制度」についても、「この制度をなくせば解決するものではない」と、存続を表明。汚染米問題でも、企業や行政を批判するだけで、必要のないコメを輸入してきた自民党農政の責任には、一言の言及もない。
・・・「下々の皆さん」明るく元気に行こうじゃないかと言ってるだけの話だ。
民主党への逆質問は、選挙に向けて対決姿勢を演出するものだが、討論の場でもないのに一方的で党略的でアンフェアだ。
一見、ケンカを売って主導権をとっているようだが、これは「守り」の現われ。相当な危機感を持っているのが伺える。
とは言え、もう少しよく見れば、5つの逆質問に「あなた方(民主党)も、そう違いは無いでしょう?」の意味が含まれていると考えるのは私だけか?
花・髪切と思考の浮游空間さんの記事「麻生所信表明演説を戯画化してみると。」はオススメです。
http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/6e6779e16e9edc14a52c89f943ebdd6b
追記(10月1日)
マジ、復古主義的右翼だ。頭の中は「靖国」!
川村官房長官のかばい立ても”はあ?”である。
この国の代表?恥ずかしく、呆れてものが言えない!早く引き摺り下ろさねば。
麻生首相、「大東亜戦争」と表現 戦争観問われ
http://www.asahi.com/politics/update/1001/TKY200809300428.html?ref=goo
麻生首相は30日、首相官邸で記者団から過去の戦争観を問われ、「日清、日露(戦争)と、いわゆる大東亜戦争、第2次世界大戦とは少し種類が違うと思う」と語った。首相は「明治憲法以来約120年。時代を振り返って、日本の歴史として誇れる歴史もあれば、誇れない歴史もある」との考えを示した。
「大東亜戦争」は当時の政府が決めた正式呼称だが、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が公文書での使用を禁止。教科書では「太平洋戦争」「第2次世界大戦」の呼び名が一般的になっている。
河村官房長官は30日の記者会見で「首相は吉田茂元総理の薫陶を子どものころから受けており、教育勅語をそらんじることができる我々同じ世代の唯一の国会議員だ。第2次世界大戦を当時の大人たちが大東亜戦争と表現していた。そういうことかなと思う」と語った。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html

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2008.10.01 | | Comments(1) | Trackback(7) | ・麻生政権
