NO.638 「トヨタという言葉が出ると、みんなおびえて、調査も言えないのか。」
「調査に入るということを約束できないところが情けないですね。トヨタという言葉が出ると、みんなおびえて、調査も言えないのか。」
衆院予算委員会での共産党志位委員長の政府追及の発言だ。大企業には物が言えない政治というものの、情け無い実体を、総理自身が見せてくれた。
質問時間すべてを派遣労働問題に絞った。
人間“使い捨て”の大企業の横暴 政治の責任かけてただせ (衆院予算委 志位委員長の質問)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-09/2008100908_01_0.html
ムービーは→こちらから(約35分)
動画を見ながら、全文是非読んで欲しいんだが、ダイジェストで。
特徴的なのは、違法の実態を企業名を挙げて追求した事。
日亜化学――偽装請負からの救済求めた労働者から、仕事を取り上げ、雇い止めに
キヤノン――直接雇用にしたが、パワハラをおこなったあげく、雇い止めに
「違法な労働を強いられ、救済を求めたら職を失う――理不尽と思わないか」
麻生首相は、「事実ならばきわめて不当な話だ」とは言いながら、舛添厚労省ともども「個々の企業については言えない。法律に基づき厳正に対処したい」というだけ。
極めつけは、トヨタの違法行為。
次の表は、トヨタグループの中核企業=トヨタ車体の実態である。
派遣を増やしながらどんどん儲けを上げている。派遣の激増は、コスト削減を目的にした「常用代替」である事は明らか。
2005年の2516人から、08年には5739人の2倍以上にに。全従業員に占める派遣の割合は、16・5%から26・3%にまで増加。ラインによっては派遣の割合が5~6,7割というラインも。
トヨタ車体は、派遣の比率を高めることで、労働コストを削減し、利益を186億円から224億円まで大きく増やしている。
それでもトヨタの違法を認めない首相に、迫る。
労働者派遣法の2つの原則―ー常用雇用の代替禁止と、最長3年の期間制限破りをするトヨタ車体のあくどい手口。
「労働者派遣法との関係で、法違反をしないために配置換えを実施する。最小の職場単位である『直』ごとに3カ月と1日、派遣を受け入れない期間をつくる。最初の三カ月と一日は、派遣をすべてA直に集めて、B直は派遣をゼロにする。続く3カ月と1日は、派遣をすべてB直に集めて、A直は派遣をゼロとする。これをやればクーリングオフが成立し、法律がクリアできる。これは全社(富士松、刈谷、吉原、いなべ)で実施し、来年5月までに全社で完了する予定だ」(会社の方針説明)
クーリングオフ(派遣期間が3年過ぎても、3ヶ月と1日、間を置けばまた派遣を受け入れることができる)を成立させるための配置換えをしているのである。
こんな脱法行為の調査指導を求める志位委員長と、麻生総理のやり取り。
志位
「トヨタは、世界規模の超巨大企業であります。総理は、経済財政諮問会議の「民間議員」にトヨタ会長の張富士夫氏を内定したとも伝えられました。そういう企業が、人間らしい雇用の責任を果たしていない。社会的責任を果たしていない。派遣労働、期間社員など、「使い捨て自由」の労働を大規模に導入し、正社員のなかでは「過労死」を生み出す長時間・過密労働を強制し、そのうえに年間二兆円もの空前のもうけをあげてきたことは、きわめて重大です。
今日の質疑でも、少なくともトヨタが、常用代替、期間制限違反など、違法行為を行っている疑い、重大な疑いが浮き彫りになりました。
総理に求めたいのですが、トヨタに調査に入ってください。調査に入って、違法状態があればただちに是正する、そのことを関係省庁に指示していただきたい。総理。」
首相
「内閣総理大臣の職務とはちょっと違うんじゃないかと思いますけれども。厚生労働省所管の話なんだと思いますんで、ちょっと私に言っていただくのはいかがかなものかと。まず、法律的、法体系としてはそう存じます。
それから、トヨタ車体とトヨタ自動車とはこれは別法人、トヨタ車体というのはよく知らないんですが、ちょっと個別で恐縮ですけれども、トヨタ自動車、トヨタ車体とは、どういう法体系とか、また、会社の法人格になっているかを、ちょっとよく存じあげませんので、ちょっと何とも申し上げられませんが、少なくとも、さきほど舛添大臣が申し上げましたように、法に基づいて、きちんと対応させていただくというのが正しい答えなんだと存じます。」
・・・・アホ!や、アソウ。友さん、中身以前にあきれ返る!
志位
「・・・あなたは、自分の仕事じゃないと言ったけれども、こういう重大な法律が違反されているんだから、そういう疑惑があるんだから、それを、舛添さんに調査しなさいというのは、総理大臣の当然の仕事ではないですか。・・・調査をしろとも言えないんですか。調査に入るということを約束できないところが情けないですね。トヨタという言葉が出ると、みんなおびえて、調査も言えないのか。」
現場の実態を調査しようともしない政府。
「問題は現場で起こってるんですよ!」・・・どっかで聞いたセリフ。
大企業には怖くてものが言えないのだ。大企業優先政治の姿が、醜く露呈された。
・・・是非全部聞いてみてください。
一方では、ロクに審議もしなくて「スイスイ」の国会運営に同調する野党第一党があり、弱小・・・いや数は少ないとは言え、渾身の質問で追求する政党がある。
政党の値打ち、中身とは一体どういうものだろうか。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html

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2008.10.11 | | Comments(3) | Trackback(4) | ・雇用と労働問題Ⅰ
