NO.657 「フランスの識者が見た日本」とイギリス紙より「日本の若者は共産党に向かう」の紹介。
今日も多忙を理由に、引用紹介ばかりですが・・・。
次はフランス人識者が見た、小泉「構造改革」以来の日本です。
『蟹工船』ブーム 政治革新の可能性はらむ フランスの識者が見た日本(10月20日赤旗)
小泉「構造改革」に始まる、歴代政権による新自由主義路線が日本社会に与えた影響をどう見るか―。小泉「改革」にかんする論文を発表しているベルナール・トマン仏国立東洋言語文化研究院(INALCO)助教授に聞きました。(パリ=山田芳進 写真も)
(写真)友人にもらった『蟹工船』の本を手にするベルナール・トマン氏 1965年生まれ。専門は日本の労働関係。立命館大学や東京大学で研究。現在、日本のじん肺訴訟について研究中。
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小泉政権は、官僚や、それとつながる自民党内の「守旧派」を批判することで、あたかも国民の利益を擁護するかのようにして誕生しました。そして、「郵政改革」のような大衆受けするスローガンで、これによってあらゆる問題が解決するような印象を国民に持たせることに成功しました。
庶民が目覚ます
しかし、その陰で小泉政権がとったのは、トヨタなど輸出大企業を応援するための、派遣労働の拡大を代表とする規制緩和路線でした。当時、多くの国民は、それがどういう結果をもたらすか気付いていなかったのでしょう。
安倍政権は、小泉氏の政策を基本的に継承しましたが、安倍氏には、庶民に語りかける言葉がなかった。それで、庶民は目を覚ましました。大企業が潤っているのに、その恩恵を自分たちは受けていないという現実に、気付き始めたのです。
福田氏は自民党「守旧派」の「リベンジ」として登場しました。しかし福田氏は、貧富の差の拡大、年金・医療保険制度など、庶民が心配する大きな政治的課題解決のビジョンを示せませんでした。
麻生氏も福田氏と同じ問題を抱えています。表面的には解決を約束しますが、「どうやって」という点が欠けています。
取り繕えぬ格差
1980年代以降、歴代の政権が、日本社会としてのまとまりを壊してきました。しかしそれは、政治家によるナショナリスト的な発言で隠されてきました。麻生氏もナショナリスト的な人物ですが、もはやそういうやり方では取り繕えないほど格差が広がってきていると感じます。
ところが、民主党に政治的対案があるわけでもありません。一般国民の中には、政治はもうたくさんだ、という雰囲気もあり、ますます政治離れが進む状況が、もしかしたら今後長く続くかもしれません。
そういう中で、『蟹工船』が広く読まれているのは驚きです。現在の日本の危機的状況がそうさせているのかもしれません。これは、新たな政治的革新につながる可能性をはらんでいると思います。
外から見ていると、日本共産党だけが唯一明確な主張をしています。小さくても、勇気をもって現状を告発する存在は大事だと思います。
非正規雇用と働く貧困層の拡大は、深刻な社会問題となり、全国で若者を先頭にした反貧困運動が起こっている。これと呼応し、政治の分野でも共産党志位委員長の国会質問を皮切りに、労働者派遣法抜本改正の動きが大きくなっている。
動画:日雇い派遣 総理の基本認識を問う/志位和夫 2月8日、衆院予算委ハイライト1
10/7 派遣労働者の使いすての実態をただす 志位委員長の衆院質問
若者達は、カニコーの厳しい状況に共通点を見出すだけではなく、「再び立ち上がった!」闘いに展望を見出し共感しているのではないか?
自ら、主人公として自公政権を終わらせ新しい政治を切り開く可能性をはらんでいるという。
ここまで書いてアップしようと思ったら、次の記事が紹介されていたので紹介します。
「日本の若者は共産党に向かう」(Internet Zone::WordPressでBlog生活さん)
日本の若者は共産党に向かう
2008-10-23 at 16:35:51
イギリス紙のテレグラフが、蟹工船ブームと日本共産党に入党する若者が増えていることに注目した記事を掲載。
Japan's young turn to Communist Party as they decide capitalism has let them down - Telegraph
ということで、ヘッポコ訳(段落の切り方は適当に変更してあります)。
イギリス紙のテレグラフが、蟹工船ブームと日本共産党に入党する若者が増えていることに注目した記事を掲載。
翻訳していただいてますので、全訳は”続きを読む”にコピーさせていただきました。
いつもありがとうございます。
手抜きですみません(汗)
大目に見て、ランキングー

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「資本主義は自分たちを没落させる」と決心した日本の若者は共産党に向かう
[Telegraph.co.uk: Last Updated: 9:19AM BST 18 Oct 2008]
By Danielle Demetriou in Tokyo
きらめくデザイナー・ショップと世界的な第2の大きさの経済、ブランド品への飽くことを知らない欲望とともに、日本は、成長する資本主義国とみなされてきた。
しかし、青年労働者たちの不満の波は、この国の政治の様相を変えようとしている。突然、共産主義が復活し流行している。自分たちの経済的な安心と雇用の権利を――何年間かの政治的沈滞とともに――浸食されたと考えた多くの若い日本人が、日本共産党(JCP)――日本第4位の政党――に次々と入党し始めている。新入党員は毎月1,000人の割合で増え、党員は41万5,000人を超えるまでになった。それは、古典的なプロレタリア小説がベストセラーの上位にあがり、共産主義をテーマにした「マンガ」が大成功をかちとっている間のことだ。
日本の若者は、これまでは革命への熱中よりも政治的な無関心でよく知られていた。しかし、彼らの間にある不満が示す未来は、首都の街頭で労働者たちの集会がますます頻繁に開催されるようになっていることに表われている。今月上旬、5,000人近くの青年労働者たちが、労働条件にたいする施策へのふくれあがる不満を表わすために、東京の中心街を行進した。そして、失業や金融的不安、社会的不満が、現在のグローバルな信用危機と結びついて、この政党の党員はさらに増えそうだ。
左傾化の先頭にあるのは、20代、30代の若者だ。彼らは、生活の不安をもたらしたとして労働法の変更にだんだん幻滅しはじめている。短期雇用契約の増加が、仕事から仕事へ渡り歩くフリーター世代を生み出している間に、全国の労働力人口の約44%がパートタイムだけになった。
森原公敏・日本共産党国際局次長は言う。「労働条件は、若い世代にとって、新しい労働者派遣法が導入された2002年に、劇的に変化した」。今日では、日本人の3分の1が非正規労働者だ。たいていの場合、彼らはなんの権利もなく、安定も将来もない。「日本の政治状況は変わりつつある。多くの若者が政治的にめざめつつある。なぜなら、これらの問題は長い間他の政党によって無視されてきたからだ」。
確かな左翼政治の復活は、過去3年間で3人目の首相だった福田康夫を先月突然辞任に追い込んだ議会の行き詰まりによって、来月にもおこなわれると予想された総選挙に、日本を直面させている。この国の硬化症に冒された政治システムは、与党自由民党に、過去50年間にわたってほとんど無敗に政権保持を許してきた――主要野党が参議院を支配した昨年、その権力が危機的なほどに切り縮められたとはいえ。
日本共産党の再起は、21世紀のあらゆるツールを展開している。なかでも、インターネットとオンラインのビデオ・サイトが重要な役割を演じている。同党の志位和夫委員長は、国会の質問で青年労働者の「搾取」を精力的に批判して新入党員の増加のきっかけとなったのだが、その質問は、ビデオ・サイトで若者のあいだでカルト的な状況を呈してきた。グレーのサラリーマン・スーツとメガネをかけた54歳の志位氏は、伝統的な革命のステレオタイプからは縁遠いように見える。しかし、党首になって8年たって、彼は、メディア露出が増えてきて、少しはメディア・パーソナリティになってきた。
ミキ・トモヒロは最近共産党に入党した1人で、福岡県福津市出身の34歳のフリー・ライターだ。「志位さんが演説するのを聞いたとき、私は、志位さんが資本主義をむき出しの姿で批判にさらしたと感じた」と彼は語る。「私は、入党する前に、この党についてインターネットをいろいろ調べました」と。
愛知県からやってきたトヨタの短期労働者オオモリ・シュウジ(30歳)――6月に共産党に加入した――は、つけ加える。「大学を卒業していらい、私は、ちゃんと雇われたことがない。日本共産党のワークショップで、私は、日雇い派遣と、社会保障もボーナスもなく、しばしば簡単にクビにされるワーキングプアの関係について学んだ」。「共産党は、仕事のことや生活条件など、若者の苦境を考えている。同党は、この問題で具体的な政策を持っている」。
左翼の魅力が広がっていることを示す別の兆候は、古典的な日本の小説『蟹工船』の突然の人気だ。カニ加工船に乗り込まされた工場労働者たちが、彼らの資本家抑圧者に対抗して立ち上がってゆく話だ。この小説は80年近くまえに、共産党員・小林多喜二によって書かれたが、彼はその政治的信念によって29歳で殺された。同書は、毎年5,000部ずつ細々と売れてきたが、今年になって売れ行きは50万7000部に跳ね上がり、思いがけず、日本のベストセラーのトップに駆け上がった。
そのマルクス主義的な話を描いた「マンガ」も、1年で20万部売れて、若者の間で勝利をかちとった。マンガ版を出版しているイースト・プレス社の編集者コースケ・マルオは、「小説は、今日のいわゆるワーキングプアの状態を非常に生き生きと描いたことに成功している」。「彼らは、一生懸命働いているにもかかわらず、幸せになれないし、貧しさを解決する道も見つけられない。いま非常な低賃金で働くことを余儀なくされている若者たちは、自分たちが蟹工船の乗組員たちと共通した立場におかれていると感じている」。
東京出身のフリー・ライター、キュードー・タカハシ(31歳)は、小説の人気を、彼の世代の疎外感の広がりに帰した。「蟹工船は学校の教科書(にでてくる小説)の1つだった。しかし、そのときは真剣に読まなかった」と彼は言う。「いま、もう一度読んでいるのは、政治に挫折させられたからだ」。
「この本では、人々はくり返しくり返し搾取される。彼らは人間としてあつかわれないで、ハンバーガー工場の牛のようにあつかわれる。多くの人がいまそう感じている。我々が仕事を見つけたとき、いつも誰かが我々を搾取している。我々は、未来について安心を感じられない」
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2008.10.24 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・社会評論Ⅰ
