NO.674 営業するトノ。(陶友祭にて)
先日の陶友祭でのこと。
トノがお客さんを捕まえ「ゆのみ!」と、自分の作品を売り込もうとしている。
偶然のチャンスにシャターを切った。
自閉症で重度知的障害(言語コミュニケーションが苦手だが、結構知恵者だぞ)は、こだわりが強く、他人とのコミュニケーションが苦手だ。
陶友に来てもう5年になるだろうか。
職員も少なく、とてもマンツーマンの支援は出来ないことをお断りした上で、仲間に迎えた。
時間中も勝手にいつの間にか出歩いて、ラーメン屋めぐりやコンビニめぐりをし、そのたびに受け入れと見守りのお願いに行った。
「放し飼い」・・・言葉は悪いが、いつも職員がくっつきまわって行動を規制しては、本人も生きた心地はしなし、ストレスが溜まり逆効果なのだ。適度な距離で彼の自由を確保しながら見守り援助しなければならない。しかし、その距離も管理できず、近所迷惑になることも度々で、その間、管理責任を問われ厳しい批判も受けた。
そうこうしながら、落ち着き、かつてはたくさんの人の賑わいの中には入れなくて逃げ出していた彼が、段々賑わいの周辺に居場所を作り、仲間たちと共に、「自分の距離」を作りながら「参加」する事ができるようになった来た。
陶友祭準備のバタバタの中でも、彼は自分の場所を見つけ「掃除大臣」(思い立ったように、ガラスの窓拭きから車拭きまで掃除をしまくるのでそう呼ばれる)になったり、彼なりの「作業モード」を保ち安定した日々を過ごしていた。
今年の陶友祭では、「大丈夫、彼なりに参加できるだろう」ということで見守りもつけなかった。案の定、班毎のあいさつの時もきちんと自分の作品を持って、マイクを握りあいさつをしていた。・・・ホンの一瞬だが。そして好きなカレーや焼きそばを買って食べたり・・・自由に賑わいの空間を泳ぎまわり、彼なりに「参加」出来ていた。
そして私が出くわしたシーンが、トノの「営業する」姿だった。自分の思いや要求を表現するのは限られた時に限られた人に対してである。「ラーメン!」「おかわり!」「コーラ!」「でんしゃ!」・・・など。ところが、この陶友祭でお客さんに自分の作品を、「ゆのみ!」と差出し、「(買ってください)」と営業していたのである。
私たちは、自立支援法でいじめられながら、低賃金と長時間重労働ににもめげずに、こうしたささやかな仲間たちの人間らしさの発露を発見しては、それを喜びに働き闘い続ける。
思うに、福祉の仕事というのは実にシンプルな世界だと思う。
難しく困難にしているのは、この国がそのシンプルにしてささやかな人間本来の営みを、応援するどころか、その足を引っ張り妨害する事にあるのではないだろうか。だから、私たちはその国のやり方が許せないのである。
今日は、自立支援法の抜本見直しを求める福岡県民集会に、仲間たちが代表数名で出かけた。
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2008.10.30 | | Comments(6) | Trackback(1) | ・仲間とともにⅡ
