NO.780 素朴な疑問・・・経済成長は永遠の価値なのか?
今朝のテレビで、韓国のウォン安で日本の女性観光客が、ブランド物を買いにたくさん出かけているというニュースが流れていた。韓国経済にはありがたいことだとコメント付きで。・・・違和感がある。
今、不景気、不景気だという。庶民が金回りが悪く金を使わない。消費が低迷し、景気がよくないという。企業も生産を調整し経済成長は下降する。そこで、庶民への金回りをよくして、消費を刺激しそして景気をよくすることがいい事とされている。内需拡大だ。
確かに国民総生産の6割を占める庶民の財布が潤えば、消費が刺激され景気はよくなる。しかし金を使い消費すれば良いというものなのかという素朴な疑問がでてくる。
社会的な富が一部に集中することを調整し、社会的な生産に見合った富を等しく享受できるような経済社会をを作ることが必要だということを前提にしなければならない。そういう意味で、労働や税のあり方、社会保障によって今日の貧困をなくす取り組みは、第一に必要なことだ。
その先の問題だ。果たして限りない経済成長とそれを支える消費は、人間の存在に何の意味を持つのか。
その国の社会的富を公平に分配することが必要であり、一国のみならず世界的な規模で、衣食足りるように分配できることも重要だ。正に現代経済社会の課題はそこにこそあると思うのだが・・・。
景気回復を内需拡大によって・・・などと書きながら、その先の生産と消費の発展、経済成長ということを考える時に素朴な疑問にぶつかるのである。
科学技術の発展は、効率的で利便性が高く「いいもの」を商品として生産し社会に送り出す。それに刺激されて消費が食らい付く。物欲は限りなく膨らまされ、・・・たとえば、ブランド物にも飛びつく。(私的にブランド漁りは、アホな消費者の典型で嫌いだということもあるが・・・ブランド好きな方にはごめんなさい、価値観の違いということで)
その一方で、物資的な富に翻弄され、精神の貧困も指摘されているだけでなく、人間存在の自然的条件が地球規模で掘り崩されている。
不要なものまで買わなくていいじゃないか。そうすれば不要なものは生産されない。必要なものを買えるだけの分配、再分配を最小限保障する政策でいいじゃないかとも思ったり・・・。「必要」には、価値観の問題が絡んでくるから、難しいけど。
考えさせる問題提起があった。
過去ログ:NO.642 ノーベル賞4人受賞の快挙の教訓は?で、基礎研究を軽視し、当面のカネになる研究にしか目が行かない日本の科学技術政策を批判した時の、関連するヒロシさんのコメント。その一部を紹介します。
私ヒロシが働いた半導体産業界は今の世界を大変便利にしているITの根源です。 このような分野は役に立つとして大いに金をつぎ込もうということになっています。 IT技術他を応用して大変効率的で自動化されて大量生産された新製品が次々と市場に出回ります。 そして経済成長率を高くします。 それは良いこととされています。
しかしよく考えて下さい。 大量に生産された製品はたちまちゴミになります。 また生産のためには大量のエネルギーを使います。 つまり地球温暖化ガスをたくさん排出するのです。 エコ技術については日本はすぐれているのでこれからビジネスチャンスがあるなどと言います。 しかしこれらの話の根源はすべて金儲けです。
考えてください。 大量生産大量消費ということはすなわち環境破壊です。 経済成長するということは環境破壊成長とイコールです。 少しぐらい排出ガスが減る技術など適用しても追い付くものではありません。 次々に販売される新製品を買い、旧製品を捨てることほど無駄なことはないでしょう?
食いすぎて太り、無駄なダイエットに金と時間を使っている姿も無駄です。 沢山食って沢山ウンコをしているだけじゃないですか。 沢山食っている無駄飯は次々出てくる新製品の比喩、無駄なダイエットはエコ技術の比喩。 バカバかしくて怒る気力もなくなるよ。
最後に言いますが経済成長は破滅への道です。 『成長なき繁栄』しか人類の生き延びる道はありません。
経済成長は永遠の価値なのか?この素朴な疑問には、どこから手をつけていいのやら・・・。
利潤を追求することとは縁も無い福祉の仕事の現場で、しかし経済と経済政策に確実に振り回されながら、こんなことを考えてしまう今日この頃だが。・・・どうなんでしょう?
お付き合いついでにシャッターはこころで切れ!で、紅葉狩りでもどうぞ。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
いつもありがとうございます。
ランキングー

↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.795 「高知白バイ事故の真相」と報道・・・You tube動画あり。 (2008/12/04)
- NO.791 今年の流行語大賞。 (2008/12/01)
- NO.780 素朴な疑問・・・経済成長は永遠の価値なのか? (2008/11/26)
- NO.687 オバマ氏勝利/月刊誌 共産党に注目。 (2008/11/06)
- NO.686 人は生きているだけで価値がある・・・五木寛之。 (2008/11/05)
- NO.671 ったく!世の中狂ってる! (2008/10/28)
- NO.658 You Tube「蟹工船」をどうぞ。 (2008/10/25)
- NO.657 「フランスの識者が見た日本」とイギリス紙より「日本の若者は共産党に向かう」の紹介。 (2008/10/24)
- NO.653 垣根を越えて、反貧困世直しイッキ!大集会。 (2008/10/21)
テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済
2008.11.26 | | Comments(7) | Trackback(5) | ・社会評論Ⅰ
