NO.781 老後と田舎暮らし。
いつだったか、50歳になったころ、友人たちと老後のことが話題になった。きっかけは、一緒にタバコをやめようかという話から。一人が「お前たちは趣味がたくさんあるからいい。俺はタバコぐらいしか趣味が無いんだから止めない・・・」と。そのとき老後なにをしようかという話になった。
ま、具体的に煮詰まる話になったわけではなく、「じゃあお前は、仕事が趣味だから、老後は作業所運動コンサルタントにでもなれや」とか言う話程度で、切り出しの禁煙の話は、「じゃあ、止めるのは止めよう」で終わったぐらいな・・・。
田舎暮らしが一部で流行っているという。
先日テレビをを見ていたら、定年退職した夫が単身で信州で趣味の蕎麦屋を経営しているというのがあった。妻と家族は東京にのこったまま。一緒に見ていた長女が、「いいね、うちと一緒じゃない?」・・・ま、隣とは言え、生活スタイルが違うのでお互いに縛らない「半別居」暮らしののうちも似たようなものか。
年老いた親を放っておけずに都会に呼んだら、親がすぐにぼけたという話が、田舎出身の知人の関係で何件かある。年をとってからの生活環境の変化、特に孤独が老いに拍車をかけるのではないかと思う。
一方、田舎への移住もそう簡単ではないと聞く。そんな中、田舎暮らしで元気になり、若返り、「恋もしそう」な人に会ってきた。先日納品に行った由布院の山ちゃんのお父さんだ。「手作りの野菜たっぷりの鍋を用意したから、是非泊まってくれ」という。
大阪出身の山ちゃんは、由布院に保養施設のマネージャーとして赴任してから、由布院に住み着くことを決め、5年ほど前に独り身になっていた父親も呼び寄せた。最初は馴染めるか心配していたが、見事に田舎人になり(つつある)、元気にやっているのである。
お父さんは、由布院から車で15分ほどの、湯の平温泉のすぐ近くの田舎のログハウスを借りて一人暮らしをしていた。コタツを囲み、ご自慢の野菜鍋をつつき焼酎を飲みながら、再会を喜び話に花が咲いた。そこには田舎暮らしの師匠も同席していた。
地元の信さんだ。信さんは現役の地元の消防士だが、手作りのログハウスを貸してくれ、休日のたびに野菜つくりや、野草採りや集落の寄り合いや行事などいろいろ、田舎暮らしの一切に引きずり込んでくれたという。その話が、田舎のガキ大将と子分みたいでで愉快なのだ。
野菜の種まきにしても、下手でぽろぽろと落とし、サーっと均等に撒けない、山にかずら採りに入ってもこけて歩けない・・・、その都度ガキ大将の檄が飛ぶ・・・。楽しそうに話していた。
極めつけは「彼女」らしき人の話。恥かしそうに、思春期の少年が秘め事を隠すように見せるように話す・・・あの感じなのでみんなで笑った。息子の山ちゃんが「オヤジ、いい話じゃないか」というと、親父さんがホッとしたように、「いや、ナニがあるというわけでは無いが・・・」と、照れ一同大笑い。
「親父さん、そりゃ若返るよ。まるで少年のような日々じゃないですか」
・・・盛り上がり、「2次会に行こう」と、隣に作っているもう一つの小さなログハウスの囲炉裏に火を入れる。栗や銀杏を焼きながら、お土産に持っていった焼酎カップを愛でて、飲み重ね夜がふけていった。
「年取って越してきたが、こんな楽しい人生が過ごせるとは思ってもいなかった」と親父さんは言う。
人の親父さんながら安心した。ありがたいのは先達であり仲間がいるということ。
翌朝、朝もやの中親父さんは裏の畑でご自慢の大根とほうれん草、水菜を取って車に詰め込んでくださった。
老後に限らず、田舎、都会に関わらず、孤独にならず人とつながりあうことが生きるうえで一番大事なことだ、俺も、嫌われ者にならない努力をしようと・・・改めて思う今日この頃だ。
お付き合いついでにシャッターはこころで切れ!で、紅葉狩りでもどうぞ。
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いつもありがとうございます。
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2008.11.27 | | Comments(1) | Trackback(0) | ・ゆう楽庵つれづれⅢ
