NO.794 障害者施設で3割が身体拘束 ?
ん~~ん、難しい。
現場と、個々の障害と人を見ていないとなんとも言えませんね。
調査によって、「一つの」数字が出ている。
障害者施設3割が身体拘束
京都府調査 入所者延べ976人に Kyoto Shimbun 2008年12月3日(水)
京都府内の障害者入所施設で、入所者をいすにベルトで縛るなどの身体拘束を行っている施設が約3割に上っていることが2日、府が初めて実施した調査で分かった。身体拘束は介護保険施設と同様、障害者施設でも原則禁止されている。拘束や行動制限を減らしていくことが課題となっており、府は本年度中に有識者会議を設置し、対策の検討に乗り出すことを決めた。(26面に関連記事)
障害者施設を対象にした拘束調査は全国でも珍しく、府内の218施設にアンケートし、208施設(95・4%)が回答した。69施設で、延べ976人に身体拘束が行われていた。
拘束方法は「いすから落ちたりしないようベルトをつける」が506人(51・8%)で最も多く、「自分で降りられないようベッドに柵」が222人(22・7%)、「居室に隔離」68人(7%)、「脱衣などを防ぐつなぎ服着用」25人(2・6%)、「落ち着かせる向精神薬の過剰服用」も15人(1・5%)あった。
自傷行為や他人への加害を防ぐためなどの理由から、知的障害と障害児の施設では、いずれも8割以上で身体拘束が確認された。また、拘束廃止に取り組んでいる施設は約7割にとどまった。
府健康福祉部は「無意識に動く体を止めるなどやむを得ない状況もあるが、身体拘束は人権侵害につながる。有識者会議で代替方法の普及などを検討したい」と話した。
■対策講じるべき
小森猛・京都頸髄(けいずい)損傷者連絡会理事の話 施設は病院でなく、普通に生活するのに拘束されるのはおかしい。例えば人に危害を加えそうな人を隔離するにも、そうなった理由や背景があるはずで、府や国もそこを考え、対策を講じるべきだ。
先ず、数字としては、こんなものかなあ?という印象。実態を反映しきれているんだろうかという疑問も。現場では考え方として「拘束して当然」ということは基本的には無いと思う。そういう中でアンケートが実態を、マイナス面も正直に書いているのだろうかと。
「お前のところは絶対に無いか?」と問われれば、・・・今のところは無いが、「絶対に無い」とは言いがたい。
「いすから落ちたりしないようベルトをつける」も拘束としてとらえている。微妙な選択肢だが、該当が一番多い。
次に、「拘束するべきでない」ということが、現場で基本的に合意できているのかが問題だろう。その上で、拘束せざるをえないのはなぜか。・・・そうしてこそ何が問題かが明らかになってくるだろう。
十把一絡げにされ抽象化された数字で考えることは危険だ。
該当の、一人ひとりに関して、その人の人権を守るにふさわしい関わり方はどうあるべきなのか・・・そういう視点から、具体的な問題を明らかにすべきだ。
現場の人権意識の問題が問われそうだが、意識の問題に解消し、現場に責任をかぶせることだけは絶対に避けなければならない。
当然予想されるのは、現場の人手不足。
障害のある人たちの人権と尊厳を守るにふさわしい人員配置がなされているのか。そこにこそ、最大の問題はあるように思う。
そうした公正な見方によってこそ、人権感覚が希薄だという弱点も、現場が率直に向き合い解決のために努力することを促すだろう。逆に、そうした条件を無視し、人権感覚だけを問題にしたところで、現場がそれを素直に受け容れられるだろうか。
有識者会議は、数字を議論するのではなく、現場の一つ一つの事実の調査に入り、事態の全体像を明らかにするなかで、何が問題か、解決策はどこにあるかを議論して欲しいものだ。府健康福祉部が言うような、「代替方法」を探し「普及」するという「処遇技術論」のレベル問題ではないと思うが・・・。
福祉の職場は、その圧倒的多くが良心的に精一杯頑張っていると思う。
その頑張りが、利用者の人権を守るという目標に満足に届かないところにこそ、現場の苦悩がある。
そこに応え励ます議論を期待する。
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いつもありがとうございます。
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2008.12.03 | | Comments(0) | Trackback(3) | ・障害者福祉いろいろ
