NO.831 知ってますか?GNPではなくGNH(国民総幸福)。
日曜日、どんよりとした空からシトシトと雨が降っている。
真実一路さんからのTBで、「すくらむ」さんの
日本はGNP世界第2位でもGNH(国民総幸福)は先進国最下位~若者、子供は極端に「幸せ」感じない
という記事を紹介いただいた。
以下かいつまんで引用紹介します。
私が、過去ログ:NO.828 日産・ゴーン社長が、国にたかり出した。②で、新車が売れない社会というのはそんなに不幸なことか、そういう経済や社会に対する見方はおかしいんじゃないかという素朴な疑問を見て、「真実一路」さんが紹介してくれたのだと思う。先ずはお礼を申し上げます。「GNH」というのを聞いたことがあるでしょうか。「GNH」というのは、今までの国内総生産=GNP(Gross National Product)という経済至上主義の指標よりも、これからは、GNH(Gross National Happiness)という「国民総幸福」の方が大事だよ、という文化人類学者の辻信一さんらが提唱している新しい指標です。(※もともとは、ブータンの国王が唱えたもので、すでに国連開発計画のアジア太平洋地域会議でも論議されている状況にあるそうで、「持続可能で公平な社会開発」「自然環境の保護」「有形、無形文化財の保護」「良い統治」という4つの主要な柱から成っており、国民総幸福量GNHの増大が経済成長GNPよりも重要という考え方だそうです)
この考えを提唱している辻信一さん編著『GNH もうひとつの〈豊かさ〉へ、10人の提案』(大月書店)の中で、さまざまな「幸福度」に関するデータがとりあげられています。
(中略)
「今の状況は幸せですか?」の項目は、14カ国平均が43%(16~34歳)、57%(8~15歳)に対して、なんと日本は飛び抜けた数字で最下位になっていて、8%(16~34歳)、13%(8~15歳)という異常な数字です。
(中略)
ちょうど40年前に、当時、次期大統領に当選することが有力視されていたロバート・ケネディが、GNPと、それによって測られる「豊かさ」をこんなふうに痛烈に批判しました。
「アメリカは世界一のGNPを誇っている。でも、そのGNPの中には、タバコや酒や薬、交通事故や犯罪や環境汚染や環境破壊にかかわる一切が含まれている。戦争で使われるナパーム弾も、核弾頭も、警察の装甲車もライフルもナイフも、子どもたちにおもちゃを売るために暴力を礼賛するテレビ番組も」
次にケネディは、GNPに勘定されないものを挙げていきます。
「子どもたちの健康、教育の質の高さ、遊びの楽しさはGNPに含まれない。詩の美しさも、市民の知恵も、勇気も、誠実さも、慈悲深さも…」
そしてこう結論します。
「要するにこういうことだ。国の富を測るはずのGNPからは、私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている」・・・(以上、引用)
GNPは世界2位を誇りながら、この国には幸福感がないという報告はこれまでも色々言われてきたが、GNH(国民総幸福)という考えは、寡聞にして初耳。これはいわば、主観の調査である。主観のサンプルが科学的かどうかという問題はあるが。
人間の暮らしや生き方を見るとき、主観は外せない要素だと思う。特に幸福感は、客観的な状況や数字が持つものだけでは語れないものだから・・・。
人間社会のあり方を考えるときに、物質的な富を基準にした数値だけで見るのではなく、それが実際に人々の暮らしにどういう風に映っているのかという指標は、有意義なものではないだろうか。その「幸福感」という主観は、とりもなおさず現実の反映なのだから。
障害を考える場合にも同じことが言えます。
障害には色々なものがありますが、機能障害や能力障害では、色々な指標でその程度を客観化して障害程度を判定します。しかし、それだけでは測れない障害=「生きづらさ」=「主観的障害」があります。
知的障害の場合でも、単純に知的な能力だけを見た場合、それが低いと障害が重く高いと軽いなどとはいえない状況があります。つまり、誤解をそれずに言えば、重いとおめでたく、軽いと色々と精神的に複雑で障害を受容できなかったりして、主観的障害が非常に重くなる。つまりその人の「生きづらさ」感が、実際に生きることの困難を大きくしていくという問題があります。
特に精神障害の場合などは、自己受容をどうするかがきわめて重要な要素となります。
リハビリテーションの理論的なリーダーである上田敏はこれからの障害研究では、この「主観的障害」という考えを導入することが必要だと提唱しています。
ちょっと話が横道にそれましたが、人間はそれぞれに意識を持って生きているわけで、こういう面からの社会へのアプローチは軽視されてはいけないだろうな、と思うしだいです。もちろん精神主義になり、ゆがんだ社会を我慢して受け入れるような意識作りに利用させてはなりませんが。
・・・というわけで非常に面白く読ませていただき、感謝です。
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2008.12.21 | | Comments(6) | Trackback(1) | ・社会評論Ⅱ
