NO.847 私は怒っています!・・・視点・論点 派遣切り (湯浅誠) YouTubeより
反貧困ネットワーク事務局長の 湯浅誠氏が、NHKの視点・論点に出ていたようです。
YouTubeの動画を見つけ聴いてみました。
わかり易く、しかも鋭い。そしてヒューマン・・・、どうぞぜひとも聴いてみて下さい。(10分間)
視点・論点 派遣切り (湯浅誠)
内容(要点)を起こしてみました。
派遣切りは人の命を危険にさらす行為だ
派遣きりにあった31歳の若者は、アパートを追い出され、身寄りもアパートを借りる資金もなく、いつも自殺ばかり考えていると言う。野宿経験の無い人たちは、どこで寝ればいいのかどこで暖をとればいいのかもわからない・・・「派遣きりは人の命を危険にさらす行為だ」。
かつての解雇整理は生活基盤があった人だったが今はワーキングプア層、つまり夫婦パートで何とか生活する人や、年老いた親のわずかな年金に自分の収入を加えて何とか介護費用をを捻出している・・・そんな人たちだ。クビになれば一家が路頭に迷ってしまう正規社員と何ら変わらない。
現在雇用保険受給者は10人に2人。この間、期間短縮や適用の「厳格化」で受給のハードルを高くしてきたからだ。「給付を生活できる水準に引き上げ、契約期間と保険適用範囲の整合性を図るべきだ」。つまり、6ヶ月以上の人にしか給付しないのなら、6ヶ月以下の有期雇用を禁止すべきだ。
政府の派遣法「改正」案は、1ヶ月未満の有期雇用を禁止しているが、それなら1ヶ月でも雇用保険が受けられるようにしないと、法の狭間で救われない人々が出てくる。
政府の緊急雇用対策については、
「願わくば、単なる選挙対策の枠を超えて、苦しい人々の生活を守るんだという政治の方向転換を明確に打ち出してもらいたいと思います」
市民がセーフティーネットに対する考えを変える必要性
セーフティネットが脆弱だと、今日明日の生活のためにどんなにひどい労働条件でも、先ず働かなければならず「ノーといえない労働者」になってしまう。日雇いでも低賃金でも・・・、そうすれば本人の意図とは関係なく、結果として労働条件全体を劣悪にする役割を担わされることになる。つまり、正社員の処遇劣化の背景には、働く貧困層の放置があると言う。
貧困とは、働けば食べていけるという、労働市場のセーフティネットと社会保障のセーフティネットが壊れた結果であると同時に、労働市場を劣悪にする原因でもあり、これらは悪循環をなすというのである。
正規社員が非正規社員の雇い止めを黙認することは、自分の利益を守っているようであり、実は自己利益に反する行為なのだ。
これまで、セーフティネットは「負担」ととらえられてきた。だから、落ちこぼれた奴の為になんで俺が金を払わなければならないんだ、となる。しかし、セーフティネットは、それがあって初めて社会が健全に保たれ機能する「必要経費」なのだ。このように考え方を変え、政策転換を迫っていく必要があるという。
企業の責任を問う
とはいえ、派遣きりの第一の責任はなんと言っても企業の責任者にある。
非正規は4割に迫りつつあり、どんな現場もこの人たち無しには成り立たない。2002~2007年、戦後最長の好景気の中で、大企業は史上最高の経常利益を更新し続け、株主配当、役員報酬は上がり続けた。経営者は非正規に食わせてもらっていたのだ。
ところが不況に入ったとたんに、その人たちの命を危険にさらす。
何千万もある自分の報酬を削り、せめてこの年末年始だけでも、次の仕事が見つかるまで居住をまもろうと宣言する経営者はいないのか。溜め込んだ内部留保の一部でも放出しようとする経営者はいないのか。減ったとはいえ、利益を上げ株主配当を上げている企業もある。余剰があるなら人の命を支えようとは考えられないのか。企業には社会的責任は存在しないのか。
どの企業も環境保護を訴え、それが社会的責任だという。環境は大切だが、人の命はどうでもいいというのか。地球を大切にしていますという偽善的な広告はすぐに取りやめ、「私たちは非正規の命などなんとも思っていません。そんな私たちですが、よければ製品を買ってください」と、正直に言ったらどうか。
私は怒っています。
こんな企業や経営者が日本をリードすると言われていることが情けない。私は企業経営者に問いかけたいと思う。あなた方は、自分の子どもや孫に人の命を大切にしなさいといえますか?(以上、書き起こし)
私は、過去ログ:NO.830 派遣切りと憲法。で、「派遣きりは人間の生存そのものへの挑戦」だとし、以下のように述べた。
人間の尊厳どころか、人間らしい暮らしどころか、「人間生活全体の第一の基本条件」を奪い、人間の生物学的生存の基盤まで奪うことが、人間社会の名において許されるわけは、絶対に無い!憲法に照らしても、国・政府の無策は許されないものだと強く言いたい。
今、大企業がやっている非正規きりは、人間の生存そのものへの挑戦である。そういう企業の存在を許すような社会であってはならないのである。
・・・彼の語り口はいつも?冷静で淡々としている。
ギリギリのところで生きようとする人々と向き合うリアリティーがある。その中にヒューマンな怒りを、共感と共に感じるのは私だけだろうか。パチパチパチ、納得共感同感拍手です!活躍を祈りたい。
お付き合いついでにシャッターはこころで切れ!も、よろしく。
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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
いつもありがとうございます。
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2008.12.27 | | Comments(1) | Trackback(1) | ・雇用と労働問題Ⅱ
