NO.871 手術の日。
1月8日(木) 晴れ
父子家庭の初日の朝。
いつもは不ぞろいで寝坊のみんなが、四女の登校に合わせて早く起きていた。妹を気遣う気持ちががうれしい。四女の朝は早く、6時30分、まだ薄暗いなか家を出る。長女と一緒のバスなのが何かと安心で幸いだ。今朝は早めの出勤ついでに二人を車で送ることになり、「ついでだから父さんの職場の近くまで行こうか」というと、四女は「いや、いつものバス停から乗る。久しぶりに友達にも会うし・・・」。学校は今日が始業。高校は違うが、小中学校から一緒の友達と、毎朝バスが一緒なのだ。そうか、そういう世界も持っているか・・・。長女は、私の職場の最寄の地下鉄駅まで助手席で眠っていた。
そんな今朝の風景・・・。
おっかあは、今日が手術。3時間かかるらしい。
昨日は「来ないでいいからね。今度来る時は12日でいい。三女の成人式の晴れ着姿を見せに来て」と言っていた。とは言え・・・。職場から車で約1時間。「来るな」と言ったところで・・・。と思い、面会の可否を病院に問い合わせたら、「今日は手術はしていません」だと。そんなはずは無いんだが・・・。ま、面会は止めとくか。「子ぎつねヘレン」より
1月9日(金)晴れ
昼前、夜勤入り前の次女からメール。
「元気だぞ」の次に添付シャメール。ベッドに横になりピースサインのおっかあだ。
なんだ、やっぱり手術は終わっていたんだ。昨日の電話は、病院窓口の勘違いだったようだ。
・・・一番に見舞いに行って夫愛を見せてやろう(笑い)と思っていたのに、次女に先を越されてしまった。後で姉妹たちも「12日まで来るなと言ってたのに、次女に抜け駆けされたー!」と言っていた。みんな同じ気持ちだったんだ。
そこで、夕方四女が学校から直接作業所に来て、一緒に見舞いに行ってきた。
術後の個室で、元気そうにしていた。四女は「寂しくない?」としきりに聞く。おっかあは「痛さとお腹がすいて寂しいどころじゃない」等と可愛くないことを言う。四女にしてみれば「寂しい」と言って欲しくて、そのための励ましの言葉を一生懸命に準備しているのに・・・。娘たちが言うには、おっかあは照れ屋で素直じゃなく可愛くないそうだ。照れ屋かどうかはともかく、可愛くないのは同感。
帰りの車の中で。「寂しいの?」と聞くと、「いや、寂しさは心のポケットにしまいこんでると。寂しいと言うとお母さんが心配するから」だと。「お母さんがいないからしっかりしないと・・・」と。そして「お母さんはね、ホントは寂しいけど、あんまりほんとのことは言わんとよ。寂しいと言うと私が心配すると思ってるとよ」とも。「じゃあ同じやな」「うん」。
病室では枕元をはなれず、いろいろなことを話し込んでいた。
入院前に「四女には話し相手が必要だから・・・」とおっかあが言っていたが、こういうことか。日ごろは余り時間がなく、時々しか付き合ってやれていなかったが、いつもこうなんだろうと思ってしまった。知的障害ゆえに、中学時代までなかなか出番がなく、ちじみ込んでいた。話を聞いてもらえることで自分の存在を感じるのだ。今日は少しハイになっていたということもあるが・・・まあよくしゃべるわ、しゃべるわ。学校のこと、先生たちやクラスメートのこと。学校が楽しいらしい。
「きょうはお姉ちゃんたちはみんな遅いから、お父さん、外で食べて帰ろうよ」
甘いと言うか、手抜きと一石二鳥でリクエストのラーメンを食べたが。帰り道のラーメン屋、まずかったこと!せっかくだったら美味い所まで足を伸ばすべきだった。二人で盛り下がってしまった。
そして夜、一通り終わり私が離れにこもると、「ねえ、もう来ないの?テレビで意地悪ばあさんってドラマを見ているよ。来ない?」という。寂しいんだなと思って付き合うことにする。すると「一人じゃつまらんもん・・・。」・・・そうやなあ。 今日は姉ちゃんたちはみんな遅い。
末っ子の甘えん坊が健気に耐えている。俺は「健気」に弱いからなあ。涙が出そうになる。
・・・そんなこんなで、父子家庭の日々の序盤戦は立ち上がった。
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いつもありがとうございます。
ランキングー

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2009.01.09 | | Comments(5) | Trackback(1) | ・父子家庭日記
