NO.882 消費税、ヨーロッパと比べると・・・。
麻生総理は盛んに「中福祉、中負担」と言っている。
まったく同じことが経団連の「提言」でも書かれている。「中福祉、中負担」型の国家作りのために「消費税率が欧州主要国並みの水準になることが不可避」と。
そこで、ヨーロッパでは消費税(付加価値税)の税率は高く、日本の4~5倍もあるじゃないか。日本も少しぐらいは引き上げてもいいのでは・・・、と言う人もいます。
ここら辺をどう考えるかが今日のテーマ。
税率と税収額は違う
確かに、ヨーロッパの主要国では、付加価値税の税率は10%台後半から25%で、日本の4~5倍になっている。しかし、税率が4~5倍だからといって、税収もそうだと言うわけではない。
以下のグラフをどうぞ。(赤旗の切抜きのスキャンなので汚くてどうも)
国、地方の税収総額に占める付加価値税収の割合は、日本が14.7%、ヨーロッパ諸国は21~27%ぐらいで、日本の2倍以下です。
もし、日本で10%に引き上げれば、25.6%になり、イギリスやスウェーデン、デンマークよりも多くなってしまいます。
課税範囲が違う
ヨーロッパの税収額が税率ほど高くないのは、税のかけ方が違うからです。
食料品をはじめ生活必需品の多くには、「ゼロ税率」(完全非課税)や軽減税率が適用されているのです。食料品はじめすべての生活必需品に5%かけている日本の場合とは違うのです。
例えばイギリスの場合は、過去ログ:NO.518 イギリスは消費税率17.5%なのに、ほとんど払わなくても暮らしていけるって?で書いているように・・・。
さらに、最近イギリスでは、内需拡大で景気を刺激する経済政策を実施し、消費税を2,5%引き下げ、その穴埋めは大金持ちからの増税で賄うことを決めた。イギリスでは付加価値税といいますが、その標準税率は、17・5%。実に日本の三倍以上。しかし、消費税の悪い点(逆進性・・・低所得者ほど税負担が重くなる)を和らげるために、食料品のみならず生活必需品には消費税の軽減税率が課せられています。
上の図の右側吹き出し部分をご覧ください。
まず、食料品、国内旅客輸送、雑誌書籍、新聞、医療品、居住用建物の建築、水道水など食住にかかわるものの税率は0%です。
さらに、医療、教育、郵便、福祉などは非課税となっています。
その上、家庭用燃料や電力など生活関連消費には軽減税率が適用されています。
総じて、暮らしの基本部分には消費税は掛けていないというのが現実のようです。
つまりイギリスでは、ぜいたくさえしなければ、消費税を払わなくても生活できるようになっている・・・、これって本当のようです。(以上、引用ですが、詳しくはリンク先へどうぞ。)
日本でも、消費税率を下げたり、せめて食料品非課税にしたりなど生活関連の消費税率を下げれば、内需拡大で景気を刺激し、国民経済の建て直しにはもっと効果的でしょうね。
参考過去ログ:NO.779 イギリスでは消費税引き下げ。
ヨーロッパの歴史と事情
ヨーロッパの税率が高いのは、EU(ヨーロッパ連合)の指令で15%以上と決められているからです。地続きの経済圏ですから、余り差がありすぎると隣の国に買い物に行くこという問題が出てくるために、足並みをそろえる必要があったのです。
もともと、歴史をたどれば、フランスなどで第一次世界大戦のときに、戦費調達のために大型間接税が導入され、付加価値税として残ってきたのです。
地理的にも歴史的にもまったく条件が違うのに、ヨーロッパと機械的に比べる必要は、国民の側から見ればまったくないでしょう。
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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.01.13 | | Comments(3) | Trackback(2) | ・消費税・財源・税Ⅱ
