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NO.884 ヨーロッパの社会保障は、消費税で支えられているわけではない 。

     (この記事がNPJ お薦め ブログ」で紹介されました。)  

  「社会保障充実のために消費税の増税を・・・」という、財界・大企業や政府など増税論者のお決まりの文句については、それが真っ赤なウソであることを過去ログ:NO.860 消費税は社会保障のために使われてきたか?で見た。

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 すなわち、過去20年間の消費税収は、実に201兆円にのぼるが、この間に企業による法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)の合計は164兆円減となっている。つまり、消費税増収分は社会保障には回らず法人税の減収の穴埋めに使われたと言うわけだ、と。

 しかし、「福祉のためなら、ヨーロッパ並みに消費税を上げてもいい」という議論は少なくない。それはヨーロッパ諸国の付加価値税(日本の消費税に当たる)の税率が高いことに対する、ひとつの見方からだと思われる。

 この問題については、税率が高いからといって税額(税収)そのものが決して高いわけではないことを、過去ログ:NO.882 消費税、ヨーロッパと比べると・・・。 で確認した。

 そもそも、ヨーロッパには、消費税を「福祉目的税」「社会保障目的税」にしている国はない。フランスなどでは所得にかかる税(一般社会税)が「福祉目的税」になっていますが、消費税は違います。ヨーロッパの社会保障が消費税に支えられているというのは、見当違いな見方です。

 では、ヨーロッパの社会保障の財源は、何によって支えられているのか。
次の図をご覧ください。
日本とヨーロッパ各国の社会保障財源の内訳の分析だ。(しんぶん赤旗より)

構成比

 これを観るとどの国でも、
(1)企業など事業主の負担する社会保険料 
(2)個人が負担する社会保険料 
(3)税金
以上三つが主な財源です。

 税金の一部に付加価値税(消費税)(緑の部分)が含まれてはいるが、財源全体の一割前後にしかすぎず、日本とヨーロッパで大差はない。

 むしろ、図からわかるのは、ヨーロッパでは企業(事業主保険料)などの負担が大きいことだ。
これに比べて、日本の事業主保険料(企業負担)は極端に少ない。
現在、社会保険料は事業主と個人は折半ですから、逆に本人保険料の多さが際立っている。

 経団連など財界は、さかんに「企業の負担を増やすと国際競争力にマイナスだ」といって、消費税の増税と企業負担の軽減を主張しているが、ヨーロッパの企業に比べたら、けちなもので、応分の負担をしているとは、とても言えない。公的負担を少なくすることでコストを押さえ、「アンフェアな国際競争力」を発揮しているというべきだろう。

 さらに、その他(水色部分・・・日本は16.4%)は、利用料や窓口支払いなどの個人負担と考えられるが、これと本人保険料を合わせると、45%以上!実にヨーロッパ諸国の2~3倍以上が自己負担で支えられているということだ。社会保障という名だが、個人負担によって制度が支えられていることを示している。

 こうした実態に目をつむり、「ヨーロッパなみの福祉がほしければ消費税増税を」などとウソにウソを重ね国民をだまし、さらに国民からむしり取ろうとは、いかにもさもしい虫のいい話です。

 財界・大企業は「ヨーロッパ並みに応分の負担をしてから」正々堂々と、国際競争力とか、国民の負担を言うべきだ。



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2009.01.14 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・消費税・財源・税Ⅱ

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ヨーロッパの社会保障は、消費税で支えられているわけではない 。

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