NO.970 大企業に政府が直接物申す・・・欧州の雇用と労働①
アメリカ発「経済危機」は日本にだけ発せられたものではない。
GDP(国内総生産)速報によると、昨年10~12月期の実質成長率は年率換算でマイナス12・7%となった。輸出は過去最大の落ち込みとなり、輸出との連動を強めている設備投資がマイナス、雇用と所得の悪化で家計消費も減少している。
日本の異常な落ち込み
同じ時期のアメリカの実質成長率は3・8%減、ヨーロッパは5・7%減で、日本経済の落ち込みの激しさは米欧の比ではない。異常な「外需頼み」が破たんし、家計を中心にした国内需要も総崩れとなっていることが日本の景気悪化を深刻にしているというのが大方の見方だ。
内需を支える雇用の問題では、大企業による違法な「派遣切り」「非正規切り」が横行している。
雇用をめぐる問題をヨーロッパの事情と比べると日本の異常さが際立ってくる。
そこで3回にわたり、「解雇規制」、「失業対策」、「非正規の雇用条件」について、ヨーロッパと比較してみたい。(参考:赤旗日曜版2月15日特集ワイド)
先ずは、解雇規制。例によって視覚的に示そう。
日本では、違法な解雇を追及されても、麻生総理も舛添厚労相も、「個別の企業についてはお応えできない」という決まり文句の答弁だけ。しかし、ヨーロッパでは以下のように政府が直接企業に指導を入れているのだ。
●スペインでは
セバスチャン産業商務相が、日産の臨時労働者1600人の集団解雇申請をを一端撤回させた。
●フランスでは
ボキエ雇用相が、ルノーのリストラ計画に対して、「ルノーのような大企業は資産を持っており、雇用破壊は論外」と批判。世界最大の鉄鋼会社アルセロール・ミタルの人員削減計画についても、「なにもっせやしない。ルノーに食らわせた鉄腕を必要なら繰り返す」と強硬姿勢で臨んだ。
●ドイツでは
ショルツ労働社会相が、シーメンス、ダイムラーなど大企業30社と2回目の会談を行い、「雇用確保のためあらゆる手段を尽くす」という30社共同声明をまとめた。
法的規制
また、法律上も企業が勝手に解雇できない仕組みがある。
●ドイツでは
解雇制限法で、一定規模を超える解雇については、労働者代表との事前協議と雇用庁との合意が必要になっている。その際は、労働者の不利益を緩和する「社会計画」作りが義務付けられているという。
●フランスでは
同様の解雇規制があり、解雇されたものには多額の補償金が支払われる。
「55歳未満の解雇手当は、賃金の最大26か月分。勤続1年未満でも10ヶ月の解雇手当が支給される。55歳以上の人には手当てのほかに、年金支給開始の60歳まで、賃金の65%が会社から支払われる」そうだ。
同じ資本主義の国の政府でも、こうも違うものかと思ってしまう。
勿論、ヨーロッパの政府が特別に優しい人たちだと言うわけではない。
以下の記事のように、国民に支持された労働者のたたかいがあってのことだ。
仏労組が政権追撃
金融危機のつけ 国民に回すな
来月に再び全国統一行動(2009年2月17日(火)「しんぶん赤旗」)
また、ドイツでは、のシュタインブリュック財務相が、「この危機に当たり、企業は従業員に特別の責任を持っている」として、「2009年に利益を上げる場合は、株主配当へまわすのではなく、雇用維持など会社の安定に努めることだ」と強調し、「株主を喜ばせるのでなく、最初に雇用維持が大事だ」と述べたことも報道されている。不況が深刻さを増すフランスで、「金融危機のつけを、責任のない国民に押し付けるな」「雇用と賃金を守れ」を主要スローガンにした労働者のたたかいがサルコジ政権を揺さぶっています。
雇用の維持や国民購買力向上の要求をかかげて主要ナショナルセンター八組織が共同で呼びかけた1月29日の全国統一行動には、全国で250万人が参加し、大成功を収めました。
この声に押されたサルコジ大統領は2月5日、低所得層を対象とした減税や、14億ユーロ(約1638億円)分の「社会政策」を提案。18日に開く政労使協議の場で具体策を検討するよう呼びかけました。(以上、部分引用)
大企業代表を国会に呼ぼう
「本委員会に日本経団連会長をはじめ、トヨタ、キャノン、パナソニックなど、」大規模な人員削減を行っている大企業の経営者を参考人として招致し、その社会的責任をただす集中審議を行うことを提案します」・・・4日の衆院予算委員会で、共産党志位委員長が提案し、その実現を各党に呼びかけている。
自民党大島国対委員長も「経団連に政府としてものを言わなくてはならない」と述べた。衆院予算委員会は、日本自動車工業会労務委員会委員長(日産自動車常務・執行役員)の川口均氏とNPO法人「反貧困ネットワーク」代表で「年越し派遣村」の名誉村長を務めた宇都宮健児弁護士を、24日に参考人招致し、質疑を行うことを決めたようだ。
石油ショックの時の国会招致
日本でも1974年の石油危機の狂乱物価のとき、銀行、商社、石油元売など社長20人、業界団体幹部3人を衆院予算委員会に参考人招致した事がある。
その時は、価格吊り上げの闇カルテルが発覚し、便乗値上げを指示した当時のゼネラル石油の社長は謝罪に追い込まれた。
大企業に雇用の責任を果たさせるために、政府や国会が、ヨーロッパ諸国のように積極的な役割を果たすことが求められている。
関連ログ:NO.975 基本的人権とヨーロッパの雇用と労働。
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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.02.22 | | Comments(2) | Trackback(5) | ・雇用と労働問題Ⅲ
