N.971 失業対策・・・欧州の雇用と労働②
日本では、非正規労働者の多くが失業保険にも入れず、失業と同時に住む家さえも失う事態が起こっている。ヨーロッパでは、失業対策がしっかりしているので、制度を活用すれば。失業即ホームレスなど考えられないと言う。非正規雇用でも失業保険に入るのは当然だと。
今日はヨーロッパの失業対策と日本のそれを比べてみよう。
失業保険は、失業した労働者に所得を保障する制度としてきわめて重要だ。しかし、日本の雇用保険制度は、失業手当の給付額と給付期間の両面で、EU諸国とくらべて水準が低く、アメリカ並みの最低水準となっている。また、出勤日数と雇用期間の受給要件がきびしく、受給者数が少ないという問題もある。そのために、失業給付金は6兆円も使われずに残っている。
日本の失業手当の給付額は、離職前賃金の50~80%、給付期間は最大360日。アメリカは、給付額が離職前賃金の50~70%で、給付期間は州によって違いますが、最大26週の州が多数となっている。
イギリスは、週( )円で、最大182日。スウェーデンは、離職前賃金の80%で、最大450日。デンマークは、離職前賃金の90%で、最大4年。ドイツは、離職前賃金の60~67%で、最大24カ月。フランスは、離職前賃金の57・4~75%で、最大36カ月。イギリス、スウェーデン、ドイツ、フランスでは、扶養家族がいる場合に給付額が加算される。勿論日本にはこうした加算などは全く無い。
二重三重にセーフティネット
その上に、ヨーロッパには日本にない制度があり、二重三重にセーフティネットがあるというのだ。
一つ目は、イギリス、スウェーデン、デンマークでは、自営業者も制度の対象者になっていること。
二つ目に、補足的な失業扶助制度があることだ。この制度は、失業保険の受給要件を満たさない失業者に対して、失業手当を支給するもので、原則として国庫負担によってまかなわれている(イギリスは「所得対応求職者給付」、スウェーデンは「基礎保険」、フランスは「連帯失業手当」など)。
給付期間は、イギリスとフランスの場合は、受給要件を満たす限り無期限であり、スウェーデンの場合は、一律300日で、600日まで延長可能。
さらに、失業保険の給付期間が終わっても就職できない人は、国費によって失業手当が受けられることだ。そのどちらも受けられなくなったら、最後の保障として社会扶助(公的扶助、生活保護)がある。二重三重にセーフティネットが張られているのだ。
ドイツ政府は05年、失業手当の実質切り下げを行い、昨年だけでも17万5千件の裁判が起こっているという。受給者の裁判費用は国負担で、お金の心配なく裁判ができるというのだ。裁判所が最近、支給基準の一部を違憲と認め、連邦憲法裁判所の違憲審査が始まるそうだ。
セーフティーネット・・・。落ちそうな危ない綱渡りから落ちた時の「セーフティーネット」が日本、欧州は、危険な綱渡りをしなくてすむようにするのが「セーフティーネット」・・・、違いは歴然。
(情勢の変化で数字は一部、現在では正確でないものがあるかもしれません。お断りしておきます。)
関連ログ:NO.975 基本的人権とヨーロッパの雇用と労働。
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2009.02.23 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・雇用と労働問題Ⅲ
